ジャズ喫茶で流したい・306
このレーベルの一番の特色は、米国の東海岸と西海岸の両方にオフィスを構え、偏ること無く、双方のジャズマンのリーダー作をリリースしたこと。ハードバップ期の黒人中心の東海岸ジャズと、白人中心の西海岸ジャズを偏ること無くピックアップし、記録していった珍しいジャズ・レーベル。音作りも、東西混成のユニークなハードバップが散見されるところがこのレーベルの個性でもある。
Jimmy Knepper『A Swinging Introduction to Jimmy Knepper』(写真左)。1957年9月の録音。ベツレヘム・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Jimmy Knepper (tb), Gene Roland (tp, vo), Gene Quill (as), Bill Evans (p), Teddy Kotick (b), Dannie Richmond (ds)。ミンガスのコンボで頭角を表したジャズ・トロンボーンの名手の二枚目のリーダー作。
白人らしい、あっけらかんとしたトロンボーンの響き。トロンボーン独特の「茫洋とした響き」を上手く活かして、印象的なフレーズを紡ぎ上げていく。こういうところ、ニッパーはとても上手い。「茫洋とした響き」のトロンボーンを印象的に聴かせるテクニック。それがこの盤の一番の「聴きどころ」。荒削りながら快活なソロには、思わず耳を傾ける。
サイドメンは、ビル・エバンス、ジーン・クイル、ジーン・ローランド、テデイ・コテック、ダニー・リッチモンド、と東西の一流どころがズラリ。バックのリズム・セクションがしっかりしているのも、この盤の良いところ。リズム・セクションがしっかりしていると、フロント管も吹きやすい。ニッパー、ローランド、クイルのフロント3管は、いずれも、リラックスして伸び伸びと吹きまくる。ローランドはボーカルまで披露している。
冒頭の「Love Letters」を聴けば、このアルバムの特徴が良く判る。メンバーは米国西海岸ジャズからがメイン。イントロは、ほど良くアレンジされ、西海岸ジャズらしい「聴かせるジャズ」かな、と思うんだが、アドリブ部に入ると、それぞれのメンバーが、個人のスキルを活かして、バリバリのソロを聴かせてくれる。このアドリブ・ソロの響きは、東海岸ジャズの雰囲気に近い。ビル・エヴァンスのピアノ・ソロなど、東海岸でのプレイそのもの。
このアルバムは、西海岸ジャズの良さと、東海岸ジャズの良さが、ハイブリッドに交わって、東西混成のハードバップ・ジャズが展開されている。良きアレンジと、熱いソロ・パフォーマンス。これは、ベツレヘム・レーベルならではの成果では無いか。僕はそう睨んでいる。
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