« こんなアルバムあったんや・140 | トップページ | ピアノ・トリオの代表的名盤 116 »

2025年11月28日 (金曜日)

藤井郷子カルテットを聴き込む

「ジャズ・ピアニスト、山下洋輔、年内で演奏活動一時休止 休養へ」のニュースが流れて、案漠たる気持ちに包まれている。山下洋輔さんの諸作は、ジャズを本格的に聴き始めた頃から、頑張って耳にしてきた。この時、我が国のフリー・ジャズって、かなりレベルが高く、個性が突出している。日本のフリー・ジャズについては、時々ではあるが、しっかりと聴きこんでいる。

藤井郷子カルテット『Dog Days of Summer』(写真左)。2024年4月8日、東京 小岩での録音。ちなみにパーソネルは、藤井郷子 (p), 田村夏樹 (tp), 早川岳晴 (el-b), 吉田達也 (ds)。我が国のフリー&スピリチュアル・ジャズの鬼才、藤井鄕子の疾風怒濤、豪放磊落な、フリー&スピリチュアルなコンテンポラリー・ジャズのカルテット盤である。

それそれの楽器の切れ味が抜群。切れ味良く、鮮明で美しい、躍動感溢れるトランペット。切れ味良く、パーカッシヴに流麗に、不協和音を織り交ぜつつ、耽美的にリリカルにダイナミックにスピリチュアルに弾きまくるピアノ。切れ味良く、ソリッドな重低音ベースで、自由度溢れるパフォーマンスの底を支えるエレベ、そして、気味良く、演奏のリズム&ビートを、変幻自在、硬軟自在、緩急自在にを支えるドラム。切れ味の良い楽器が有機的に結合し、有機的にインタープレイを繰り広げる。
 

Dog-days-of-summer

 
トランペット、ベース、ドラムが、まるでファンファーレのようにアルバムの火蓋を切る幕開けから、バンド全体、強烈な一体感を持って、コンテンポラリーなメインストリーム・ジャズよろしく疾走する。バラードチックにチェンジ・オブ・ペースをすると、バンド全体、スピリチュアルで耽美的でリリカルなパフォーマンスを展開する。変幻自在。そして、アドリブ展開では、ところどころ、フリーに展開し、時にパーカッシヴに、時にスピリチュアルに、音の響きを使い分ける。

このカルテットのスピリチュアルなグルーヴは独特のもので、実に個性的。どこか、プログレッシヴ・ロック的なところもあるし、どこか、耽美的でリリカルなニュー・ジャズ的な響きもする。この即興演奏をベースとするスピリチュアルなグルーヴは、米国や甥州には無い個性的なもの。このグルーヴを堪能するだけでも、この盤を体験する意義がある。

実に個性的な音世界である。我が国を代表する、コンテンポラリーで、フリーで、スピリチュアルなジャズとして、この藤井郷子カルテットの音世界は隅に置けない。ジャズ、ロック、パンク、プログレ・・・ジャンルの垣根を越えた、コンテンポラリーで、フリーで、スピリチュアルな融合音楽。自由でありキャッチーであり規律溢れる現代のコンテンポラリー・ジャズの「今」を感じる事の出来る傑作だと思う。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年8ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

« こんなアルバムあったんや・140 | トップページ | ピアノ・トリオの代表的名盤 116 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« こんなアルバムあったんや・140 | トップページ | ピアノ・トリオの代表的名盤 116 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー