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2025年11月の記事

2025年11月30日 (日曜日)

ゴールドバーグ ”世界の果てにて”

アーロン・ゴールドバーグは、ジョシュア・レッドマン、ギレルモ・クライン、ジョン・エリス、ジミー・グリーン、オマー・アヴィタル(OAMトリオの共同リーダー)などのアーティストのリーダーおよびサイドマンとして、1990年代後半から2000年代初頭にかけてジャズ界から注目を集めてきた。

Aaron Goldberg『At the Edge of the World』(写真左)。2016年9月16, 21日の録音。ちなみにパーソネルは、Aaron Goldberg (p), Matt Penman (b), Leon Parker (ds, vo, perc, embodirhythm)。現代のトップ・ピアニストの1人、アーロン・ゴールドバーグがリーダーの、マット・ペンマン、レオン・パーカーとのトリオ作品。

アーロン・ゴールドバーグの、オーソドックスで耽美的、リリカルな音使いで、従来のハードバップなピアノかと思いきや、以前に無い、独特な「ならでは」のフレーズが出てきて、演奏全体を通じて「ネオ・ハードバップ&ネオ・モード」の先端を行く「ポスト・バップ」な音作りが、なんともはやユニーク。聴いていて飽きない。
 
Aaron-goldbergat-the-edge-of-the-world
 
アーマッド・ジャマルの演奏で有名な「Poinciana」から始まるが、コールドバーグの活力あるピアノが活き活きと響き渡り、新鮮なハーモニーとリズムの強烈さを生み出している。「Black Orpheus (Manha De Carnaval)」では、控えめなサンバのビートが心地良い、ブラジリアンな雰囲気満載の展開だが、レオン・パーカーのパーカッションが効果的に響く。耽美的でリリカルなサンバ・ジャズの響きが心地良い。

マッコイ・タイナー作の「Effendi」では、トリオ演奏の相互関係の中、結束力のあるインタープレイを繰り広げる。「Luaty」では、シンプルで典雅なワルツを奏で、「Tokyo Dream」では、芳しいブルースの香りを漂わせる。ハッチャーソンの「Isn't This My Sound Around Me」「When You Are Near」では、モード的なアプローチの中、ペンマンとパーカーが気持ちよさそうにスイングする。

アーロン・ゴールドバーグのピアノ、マット・ペンマンのベース、レオン・パーカーのドラムが、三位一体となってよくまとまった、有機的に結合した、なかなかのトリオ演奏である。共演を重ね、演奏内容を深化させてきた、優秀なピアノ・トリオであることが良く判る、名演を集めた佳作。聴き飽きることが無い。
 
 

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  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

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2025年11月29日 (土曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤 116

当時、バリー・ハリスは65歳。円熟の境地、大ベテランの域に達した「バップ・ピアノの職人」の、成熟した味わい深いバップ・ピアノを聴くことが出来る。硬質でハッキリしたタッチの右手の弾き回しのリズム&ビートを、左手のコード弾きが押さえていく。左手のリズム&ビートに乗った、雄弁で流麗でバップな右手が唄いまくる。

『Barry Harris Live At "Dug"』(写真左)。1995年5月29日、東京新宿のバー「Dug」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Barry Harris (p), Kunimitsu Inaba (b), Fumio Watanabe (ds)。バップ・ピアノの職人、バリー・ハリスの、ベーシストの稲葉邦光とドラマーの渡辺文夫とのトリオでの東京におけるライヴ録音。

このライヴ盤では、硬質でハッキリしたタッチの右手の弾き回しが「心地良く丸くなった」。左手のコード弾きが「深遠な響きになった」。歳を取って衰えたわけでは無い。

バップ・ピアノとしての表現が「深くなった、深化した」と表現した方が適切だろう。指の弾き回しも衰えていない、リズム感は淀むことは皆無。バップ・ピアノの「正しく成熟した音」の好例の一つ。
 

Barry-harris-live-at-22dug22

 
収録曲は全10曲。2曲はバリー・ハリスの自作曲。残り8曲はスタンダード曲。有名どころから、渋い選曲まで、なかなか考えた選曲で、バリー・ハリスのバップ・ピアノが映える寸法。「Somebody Loves Me」「It Could Happen to You」「Cherokee」そして「On Green Dolphin Street」等々、絶品のスタンダード解釈とパフォーマンス。

バックを務めるリズム隊、ベーシストの稲葉邦光とドラマーの渡辺文夫も、バップなリズム隊を好演。出過ぎず、控えすぎず、バリー・ハリスの弾く曲想によって、自在にリズム&ビートをチェンジ・オブ・ペースし、適度にハリスのピアノの支え、鼓舞する。まるで、レギュラー・バンドの仲であるかのように。

『バリー・ハリス/ライヴ・アット・ダグ 完全版』(写真右)が、2014年6月にCD2枚組でリイシューされている。オリジナル盤とは当然曲順も違うので、聴いてみても、どうもしっくり来ない(笑)。僕はどうも、このオリジナル盤の方がしっくりくるみたい。

ハリスは、1993年に脳梗塞になり、復帰が危ぶまれたが、再起を果たした後の来日でのライヴ録音だったとか。そんなことを微塵も感じさせない、バリー・ハリスの快作である。
 
 

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2025年11月28日 (金曜日)

藤井郷子カルテットを聴き込む

「ジャズ・ピアニスト、山下洋輔、年内で演奏活動一時休止 休養へ」のニュースが流れて、案漠たる気持ちに包まれている。山下洋輔さんの諸作は、ジャズを本格的に聴き始めた頃から、頑張って耳にしてきた。この時、我が国のフリー・ジャズって、かなりレベルが高く、個性が突出している。日本のフリー・ジャズについては、時々ではあるが、しっかりと聴きこんでいる。

藤井郷子カルテット『Dog Days of Summer』(写真左)。2024年4月8日、東京 小岩での録音。ちなみにパーソネルは、藤井郷子 (p), 田村夏樹 (tp), 早川岳晴 (el-b), 吉田達也 (ds)。我が国のフリー&スピリチュアル・ジャズの鬼才、藤井鄕子の疾風怒濤、豪放磊落な、フリー&スピリチュアルなコンテンポラリー・ジャズのカルテット盤である。

それそれの楽器の切れ味が抜群。切れ味良く、鮮明で美しい、躍動感溢れるトランペット。切れ味良く、パーカッシヴに流麗に、不協和音を織り交ぜつつ、耽美的にリリカルにダイナミックにスピリチュアルに弾きまくるピアノ。切れ味良く、ソリッドな重低音ベースで、自由度溢れるパフォーマンスの底を支えるエレベ、そして、気味良く、演奏のリズム&ビートを、変幻自在、硬軟自在、緩急自在にを支えるドラム。切れ味の良い楽器が有機的に結合し、有機的にインタープレイを繰り広げる。
 

Dog-days-of-summer

 
トランペット、ベース、ドラムが、まるでファンファーレのようにアルバムの火蓋を切る幕開けから、バンド全体、強烈な一体感を持って、コンテンポラリーなメインストリーム・ジャズよろしく疾走する。バラードチックにチェンジ・オブ・ペースをすると、バンド全体、スピリチュアルで耽美的でリリカルなパフォーマンスを展開する。変幻自在。そして、アドリブ展開では、ところどころ、フリーに展開し、時にパーカッシヴに、時にスピリチュアルに、音の響きを使い分ける。

このカルテットのスピリチュアルなグルーヴは独特のもので、実に個性的。どこか、プログレッシヴ・ロック的なところもあるし、どこか、耽美的でリリカルなニュー・ジャズ的な響きもする。この即興演奏をベースとするスピリチュアルなグルーヴは、米国や甥州には無い個性的なもの。このグルーヴを堪能するだけでも、この盤を体験する意義がある。

実に個性的な音世界である。我が国を代表する、コンテンポラリーで、フリーで、スピリチュアルなジャズとして、この藤井郷子カルテットの音世界は隅に置けない。ジャズ、ロック、パンク、プログレ・・・ジャンルの垣根を越えた、コンテンポラリーで、フリーで、スピリチュアルな融合音楽。自由でありキャッチーであり規律溢れる現代のコンテンポラリー・ジャズの「今」を感じる事の出来る傑作だと思う。
 
 

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2025年11月27日 (木曜日)

こんなアルバムあったんや・140

1980年のリリースの、Alberta Hunter『Amtrak Blues』を突然、思いだして、45年振りの再聴。ブルースとジャズが融合した、独特の個性的なボーカル。ブルースの泥臭さをジャズが中和している感じ。唄いっぷりは堂々としていて迫力満点だが、耳に優しく心に心地よく響く。素晴らしいボーカル。そして、このアルバータ・ハンターの他のアルバムを物色していて、この盤に行き当たった。

Alberta Hunter With Lovie Austin's Blues Serenaders『Chicago - The Living Legends』(写真左)。1961年9月1日の録音。ちなみにパーソネルは、Alberta Hunter (vo), Darnell Howard (cl), Jimmy Archey (tb), Lovie Austin (p), Pops Foster (b), Jasper Taylor (ds)。伝説の女性ブルース・シンガー、アルバータ・ハンターのピアニストのロヴィー・オースチンと共演した名作。

まずは、アルバータ・ハンターの歌声である。根っこはブルース。ブルースの泥臭さをディキシーランド&ニューオリンズ・ジャズに乗せて整える、そんな感じのハンターの歌唱はジャジーであり、説得力がある、そして、とにかく上手い。「St. Louis Blues」「Downhearted Blues」「You Better Change」といった曲で最高のパフォーマンスを聴かせてくれる。
 

Chicago-the-living-legends

 
そして、1961年の録音にも関わらず、演奏全体の雰囲気は、ディキシーランド&ニューオリンズ・ジャズ志向。このオースティンの「ブルース・セレナーダーズ」(トロンボーンのジミー・アーキー、クラリネットのダーネル・ハワード、ベースのポップス・フォスター、ドラマーのジャスパー・テイラーを含む五重奏団)の演奏、これが良い。やはり、このジャズの音が、ジャズの原風景なんだろうな、と改めて納得する。

このオースティンの「ブルース・セレナーダーズ」の演奏、ハンターのボーカル曲では、簡潔なソロ・パフォーマンスのスペースがあって、ここで瞬間芸的なアドリブ・パフォーマンスを披露する。これが見事。そして、「Sweet Georgia Brown」「C-Jam Blues」「Gallion Stomp」の3曲が、「ブルース・セレナーダーズ」単独のインスト・ナンバーであり、このインスト・パフォーマンスが、ディキシーランド&ニューオリンズ・ジャズ志向のハードバップという感じで、これも見事。

ピアニストのロビー・オースティンにとって、20年ぶりのレコーディングだった。彼女は当時74歳近くで、シカゴのダンススクールでピアニストとして働いていた。アルバータ・ハンターは、1954年に看護師になるために音楽界を引退し、その間、2週間前に一度しかレコーディングしていなかった。そんな二人が奇跡の邂逅を果たしてのこのライヴ録音、そして、この優れたパフォーマンス。ジャズって凄いなあ、と思う瞬間である。
 
 

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2025年11月26日 (水曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤 115

バリー・ハリスと言えば、スタイルは「バップ・ピアニスト」。ビ・バップの演奏マナーをハードバップに活かした演奏が個性で、テクニック溢れる流麗な指捌きと簡潔なアドリブ・フレーズが個性。硬質で木訥とした流麗でバップな弾き回しで、ダッド・ダメロンの名曲を弾き倒していく。バップ・ピアノの職人には、こう言った、気の利いたレコーディング企画が良く似合う。

Barry Harris『Barry Harris Plays Tadd Dameron』(写真)。1975年6月4日の録音。Xanaduレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Barry Harris (p), Gene Taylor (b), Leroy Williams (ds)。ピアニストのバリー・ハリスによる、タッド・ダメロン関連の楽曲を収録した企画盤。バップ・ピアノの職人、バリー・ハリスがリーダーのトリオ編成。フュージョン全盛前期の中、1975年の録音になる。

ダメロンの曲が良いので、バリー・ハリスの「バップ・ピアノ」が映えに映える。硬質でハッキリしたタッチの右手が、ダメロンの好曲の持つ「美しいフレーズ」をクッキリ浮き出させる。バップ・ピアノだからとバリバリ弾きまくるだけではない。良い感じで抑揚をつけ、強弱をつけ、歌心満点のアドリブ・フレーズを弾きまくる。
 

Barry-harrisbarry-harris-plays-tadd-dame

 
また、硬質でハッキリしたタッチの右手の弾き回しのリズム&ビートを、左手のコード弾きが押さえていく。左手のリズム&ビートに乗った、雄弁で流麗でバップな右手が唄いまくる。そんなハリスのバップ・ピアノが炸裂しまくる。バップ・ピアノはこうでなくっちゃ、と改めて思わせる様な、ハリスの見事な弾きっぷり。バウエル直系というが、唄うが如く、バップなフレーズを弾きこなしていく様は、バリー・ハリス独特の個性だろう。

バップ・ピアノ、パウエル直系のバップ・ピアノとはいえ、唄うが如くのバラード・プレイには、思わず耳をそばだたせる。「If You Could See Me Now」などは絶妙である。ばりばりバップなピアノで、流麗なバラードを唄い上げていく。そう、バラード曲で、ハリスの硬軟自在、緩急自在、変幻自在なプレイが聴ける。1950年代のバップ・ピアノとは一味違う、歌心を備えた、流麗なバップ・ピアノ。聴き心地満点である。

バップでリズム&ビートを刻み、堅実にキープするジーン・テイラーのベースとリロイ・ウィリアムスのドラムも良いパフォーマンスを繰り広げている。バップなピアノ・トリオって、実はリズム&ビートのキープに徹するベースとドラムの出来が重要なんだが、このトリオ演奏については「合格点」。1970年代の純ジャズなピアノ・トリオ盤として、名盤として良い内容ではないでしょうか。
 
 

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2025年11月25日 (火曜日)

キースの ”実験音楽サークル” です

キース・ジャレットを、単に「ジャズ・ピアニスト」とだけ捉えたら「怪我をする」。クラスック・ピアニストの顔もあるし、『Restoration Ruin』『Spirits』(ここをクリック)そして『No End』という「実験音楽サークル」(ジャズでもクラシックでもない)=「困ったちゃんなアルバム」に属する作品もある。

ジャズに限っても、ソロ・ピアノとグループ・サウンズ(ジャズロック、スタンダーズ・トリオ、アメリカン・カルテット、ヨーロピアン・カルテット)に限っても多岐に渡るパフォーマンスを繰り広げている。キースのリーダー作を手にする場合は、事前にそのアルバムの内容を把握しておくことをお勧めする。なんか良さそう、という直感だけで選ぶと、とんでもない内容(優れてはいるんだけど)のアルバムを手にしてしまう危険性がある(笑)。

Keith Jarrett『No End』(写真左)。1986年の録音。2013年11月、ECMレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Keith Jarrett (multi-instrument)。キースがエレクトリック・ギターやベースやドラムスを一人で器用にこなし、オーヴァーダビングによって自力でつくり上げた「実験音楽サークル」(ジャズでもクラシックでもない)に属する1枚である。

キースのジャズ・ピアノのアルバムと思って聴いたら、椅子から滑り落ちる(笑)。一般のジャズ者の方々からすると、なんじゃこりゃ、な内容。すべてのトラックは即興演奏で、エレキギター、フェンダー・ベースギター、タブラ、ドラム、各種パーカッションを使用。また、一部のボーカル(トラック「V」と「XVI」では無言の歌唱)と、主な楽器であるピアノ(ただしトラック「X」のみ)も収録。オーヴァーダビングによる「ソロ/バンド」名義のアルバム。
 

Keith-jarrettno-end

 
自由度が高い、サーキュレーションなファンク的カリプソ的なグルーヴがメイン。このグルーブを醸し出すメイン楽器がエレキ。ピアノは殆ど無い。キースの「ヘタウマ」なエレギ&エレベが、ダルでローファイなグルーヴを醸し出して、単調の様で単調じゃないグルーヴは癖になる。

ロックやアフリカの民族音楽の音世界がメイン、ゴスペル的でアーシーなノリもあり、カリプソ風のイメージもあり、演奏のコンセプトは、ダルでローファイなリズム&ビートによって、統一されている。

この盤は、キースがかって、ジャズに限らず、ロック、ブルース、ファンク、ゴスペル、カリプソ、アフリカ民俗音楽などに愛着を持ち、精通していたことを示唆する。1960年代後半、ジャズロックの範疇で、この音楽ジャンルの多角的取り込みを見出すことが出来たが、1970年代に入って、徐々にその表出度合いは減っていき、1980年代以降では、ジャズの範疇の中では「ときおりちょっと顔を出す」程度なレベルに留まっていた。

本作は、前述の『Spirits』のレコーディングと前後して録音された作品で、そんな「控えていた様々な音楽ジャンルの取り込み」が、これら、1980年代の『Spirits』そして、この『No End』で一気に噴き出た感がある。ピアニスト、キース・ジャレットのイメージとは全くかけ離れたところにある音世界ではあるが、キースを理解する上では避けて通れないアルバムであることは事実。

とにかく、ジャズ者の皆さん、気をつけて鑑賞して下さい。ちなみに僕は意外にこの音世界、好きです。
 
 

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2025年11月24日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・310

リーダーのパーランとタレンタイン兄弟は、米国ペンシルベニア州ピッツバーグ出身の同郷で、ピッツバーグにいた時から共演を重ねた気心知れた仲。このパーラン盤でも、リラックスして息の合った内容の濃い演奏を繰り広げている。そこに、タッカーのベースとヘアウッドのドラムが、演奏のリズム&ビートしっかり支える。非常にバランスの取れた、柔軟性の高いクインテットである。

Horace Parlan Quintet『Speakin' My Piece』(写真左)。1960年7月14日の録音。ブルーノートの4043番。 ちなみにパーソネルは、Horace Parlan (p), Tommy Turrentine (tp), Stanley Turrentine (ts), George Tucker (b), Al Harewood (ds)。フロント2管に「トミー&スタンリー」のタレンタイン兄弟を擁し、リズム・セクションに、パーラン・トリオを配したクインテット編成。

1960年、ハードバップが成熟した後期の録音。確かに、いかにもハードバップらしい、ハードバップの良いところを全部集めた、とにかく、音も響きもフレーズもなにもかもが、ハードバップらしい、ピアノのホレス・パーランがリーダーのクインテット盤。ホレス・パーランの規律あるピアノが、いかに「伴奏上手」に貢献しているかが良く判る内容になっている。
 

Horace-parlan-quintetspeakin-my-piece

 
まず、パーランの規律あるピアノのバッキングが耳に残る。パーランのピアノの個性「ロック・コード弾きでグイグイ押しまくる。短い連続フレーズを間を取りながら繋げる独特のアドリブ・フレーズ。右手のリズム・タッチのドライヴ感」が、フロント管を擁する編成でのバッキングに、好要素として反応するからだろう。パーランのピアノの個性は、フロント管のバッキングに最適なのだ。

そんなパーラン率いるピアノ・トリオのバッキングのもと、トミー・タレンタインのトランペット、スタンリー・タレンタインのテナーが躍動感溢れる、ファンキーなフレーズを吹きまくる吹きまくる。ユニゾン&ハーモニーは魅惑的な響きを撒き散らし、それぞれのソロは切れ味良く、溌剌として、ファンクネスを撒き散らす。どちらも、ソロに入るときの「ぶわーっ」という音圧が、いかにもハードバップという感じで「アガる」。

パーランの規律あるピアノの見事なバッキングと、異常なほど振り切れてるタレンタイン兄弟のフロント・パフォーマンス、そして、それを支えるタッカーとヘアウッドのリズム隊。聴きどころ満載のハードバップ盤。この盤にはジャジーな「黒さと煙」が漂って周りの風景が霞んでいるような、そんなファンクネス溢れるハードバップが詰まっている。ハードバップな名盤の1枚でしょう。
 
 

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2025年11月23日 (日曜日)

21世紀のマリアーノを堪能する

スーッと真っ直ぐな伸びの良い爽やか音。これがチャーリー・マリアーノのアルトサックスの個性である。そして、マリアーノは、ビバップ、ハードバップに留まらず、1960年代後半には、クロスオーバー・ジャズにチャレンジし、良好なパフォーマンスを残している。インド音楽にも興味を示し、マルチなアルト・サックス奏者という印象を残している。

Charlie Mariano『Not Quite a Ballad』(写真左)。2000年7月21日、ドイツのヴュルツブルグでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Alto Saxophone – Charlie Mariano (as), Bernhard Pichl (p), Rudi Engel (b), Bill Elgart (ds), Jonathan Seers (cond)、で、バックにヴュルツブルグ管弦楽団がつく。

もともとは、1998年11月、マリアーノはヴュルツブルク・フィルハーモニー管弦楽団と、長年の悲願であった、クラシックの交響楽団との共演を果たしている。そして、2年後、ヴュルツブルクで2度目のコラボレーションが実現、そのコンサートのライヴ音源が今回のライヴ盤である。そして、このライヴには、マリアーノのバックに「ニュー・オン・ザ・コーナー・トリオ」がリズム・セクションとして参加している。

そして、この「ニュー・オン・ザ・コーナー・トリオ」(Bernhard Pichl (p), Rudi Engel (b), Bill Elgart (ds))は、1994年以来、ヴュルツブルク管弦楽団と定期的にジャズ・プロダクションを共同で企画していて、今回、マリアーノとヴュルツブルク管弦楽団とのコラボレーションの中で、リズム・セクションを担うニュー・オン・ザ・コーナー・トリオが、マリアーノと管弦楽団の橋渡し的役割を果たしている。
 

Charlie-marianonot-quite-a-ballad

 
チャーリー・マリアーノのアルト・サックスの音色って、 とても流麗で渋いっていう印象が強い。 質実剛健、切れ味の良いよく響くブラス。そして、マリアーノのアルト・サックスは、なにより、音が「明るく耽美的」なバップなアルト・サックスという雰囲気で、音が力強く、良く通り、よく唄う。

このライヴ盤では、この明るく耽美的で、音が力強くてよく通り、よく唄う。そんなマリアーノアルト・サックスを、トリオを従えた「ワンホーン・カルテット」として、また、ヴュルツブルグ管弦楽団を従えた「ウィズ・ストリングス」として楽しむ事が出来る。

アルビノーニの「Adagio」では、そんなマリアーノのアルト・サックスが映えに映える。道化師のアリア「Vesti La Giubba」は、マリアーノのリリカルで耽美的でドラマチックな吹きっぷりが見事。インドの作曲家ラママニの「Yagapriya」は、インド音楽の雰囲気が織り込まれたユニークなもの。そしてタイトル曲の「Not Quite a Ballad」では、マリアーノのベスト・パフォーマンスを聴くことが出来る。

このライヴ盤は、マリアーノの「ワンホーン・カルテット」と「ウィズ・ストリングス」の両方を堪能することが出来、マリアーノのアルト・サックスの個性を存分に楽しむことができる好盤。「ニュー・オン・ザ・コーナー・トリオ」のトリオ演奏も、ヴュルツブルグ管弦楽団の演奏もレベルが高く、申し分無い。決して、メジャーな存在ではないが、良いライヴ盤です。
 
 

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2025年11月22日 (土曜日)

ジャズ喫茶で流したい・309

素晴らしい内容のピアノ・トリオ盤。詰まっている音は、当時最先端の「限りなくフリーに近いモーダルなジャズ」。完全フリー・ジャズでは無い。トリオ演奏のベースは、あくまで、ハードバップの延長線上に一番先にある決め事に則った、メインストリーム志向の純ジャズなピアノ・トリオのサウンド。

Gary Peacock Trio『Eastward』(写真左)。1970年2月4-5日、川口市民会館での録音。ちなみにパーソネルは、Gary Peacock (b), Masabumi Kikuchi (p), Hiroshi Murakami (ds)。純ジャズ・ベースの賢人、ゲイリー・ピーコックがリーダー、菊地雅章のピアノ、村上寛のドラムを従えた、ジャズ・ベースがリーダーのピアノ・トリオ盤。

ベーシストがリーダーのジャズ盤は、リーダーのベーシストが「こんなジャズをやりたい」という演奏スタイル、演奏内容を音として具現化していく、という制作方向性があるが、ここでは、リーダーのピーコックが、この「限りなくフリーに近いモーダルなジャズ」を所望したのであろう。そして、呼ばれたピアノが菊地雅章、ドラムが村上寛。そして、録音場所が埼玉県の「川口市民会館」。

東京へ静養しに来日していたピーコック。日本のレコード会社に見つかり、当時の若手の日本人ジャズマン二人と吹きこんだ初リーダー作。ピーコックとしても、降って湧いた様なレコーディング。それでも、菊地と村上の特性と個性を見抜いて、この若手二人に、上質の「限りなくフリーに近いモーダルなジャズ」をパフォーマンスさせる。偶発的なセッションだが、見事な内容のモード・ジャズを、初リーダー作をものにしている。
 

Gary-peacock-trioeastward

 
ベーシストがリーダーの盤の割には、ベース音のレベルが低めなのが気になるが、音量を上げると、しっかりとピーコックの自由奔放、変幻自在、硬軟自在、緩急自在な「限りなくフリーに近いモーダルな」ベース・パフォーマンスを聴き取ることができる。このピーコックのベースが醸し出すグルーヴが、実に硬派で先鋭的で自由度が高いグループ・サウンドを創り出していく。さすが「リーダー」のベースである。

そんなベースが好要素だったのだろう。菊地のピアノがいつになくメインストリーム志向していて、実に硬派な実に流麗なモーダルなピアノ・パフォーマンスを聴かせてくれる。菊地がここまで、メインストリーム志向でクールで流麗なモーダルなピアノを弾き回すとは思わなかった。十分、世界に通用するパフォーマンスである。

村上のドラムも大健闘。ピーコックの自由奔放なベースのリズム&ビートに柔軟に反応、追従して、菊地のピアノをサポートし鼓舞する。ピーコックとのインタープレイも見事。村上のドラムのリズム&ビートが、ピーコックと菊地の自由度をコントロールしている。ピーコックが自由奔放なアドリブ・パフォーマンスを安心して繰り広げられるのも、井上のドラムがあってこそ。

メンバーの自作曲だけで締められた選曲も良い。スタンダード曲だと、スタンダード曲の旋律と既成概念に縛られるところがあるが、モードが前提の自作曲なだけ、メンバーそれぞれが、自らのイマジネーションのおもむくまま、限りなく自由度の高いモーダルな演奏を展開出来る。しかし、1970年の我が国で、これだけ優れた内容のモーダルなピアノ・トリオ盤が創造されていたとは。今の耳で聴いても、十分に鑑賞に耐える。秀作です。
  

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2025年11月21日 (金曜日)

ドイツ発, 現代の”ニュー・ジャズ”

ウォルフガング・ハフナーは、1965年、ドイツ生まれのドラマー。今年で60歳。メインは、純ジャズ、フュージョン・ジャズがメインだが、チャカ・カーンなどのサイドメンとして R&B、ロック、ポップスでも活躍する、マルチ・タレント的ドラマーである。

Wolfgang Haffner『Life Rhythm』(写真左)。2024年1月、ベルリンでの録音。ちなみにパーソネルは、以下の通り。現代のドイツ・ジャズを代表する、国際的にも活躍するベテラン・ドラマー、ウォルフガング・ハフナーの18枚目のリーダーである。

Wolfgang Haffner (ds), Simon Oslender (p, key), Sebastian Studnitzky (tp), Arto Mäkelä (g), Thomas Stiege r(b, sitar guitar on #07), に、ゲスト・ミュージシャンとして、Nils Landgren (tb on #01),Thomas Konstantinou (oud on #05), Shantel (additional production, electronics & mix on #05), Dominic Miller (ac-g on #06), Bruno Müller (rhythm-g on #06), Nicolas Fiszman (b on #06), Bill Evans (ss on #08)。

ドラムから音楽を創るハフナーが、リズム&ビート、そして、グルーヴをメインとした、ジャズ・パフォーマンスを成立させている。ハフナーの変幻自在、硬軟自在、緩急自在なドラミングが、バンド全体のグルーヴをリードし、コントロールする。そして、リズムとメロディーとが相互反応し、創造的で先進的なパフォーマンスを生み出している。
 

Wolfgang-haffnerlife-rhythm  

 

「ドラムセットが単なるリズム楽器以上のものになり得る」というハフナーの探求が、このアルバムの音に反映されている。パーカッションループやライブ・エフェクトを試し、ステージを録音スタジオに仕立て、ハフナーのドラムが演奏全体をリードし、メロディー楽器が、そのリズム&ビートに反応して、印象的なフレーズを紡ぎ出し、ハフナーのバンド独特のグルーヴを生み出す。

タイトル曲「Life Rhythm」を聴けば、それが良く判る。ハフナーの、シンバルではなくドラムがパルスを刻む。ドライブ感のあるグルーヴを創り出す。これが実にユニーク。そして、続く「Balance」では、ハフナーの情感がこもった穏やかなブラシワークで我々を魅了する。「Joy of Life」ではシンバルのグルーヴを叩き出し、「Eternity」ではエレクトロニクスを駆使した、現代のニュー・ジャズの最先端を行くパフォーマンスを聴かせてくれる。

バンドのメンバーはじめ、ゲスト・ミュージシャンに至るまで、ハフナーの創造するドラミングが演奏全体のトーンとグルーヴに導かれて、印象的なフレーズを紡ぎ出し、ドラムから創り出すパフォーマンスを成立させている。

これぞ、現代の「ニュー・ジャズ」。1970年代、当時の「ニュー・ジャズ」は、やはりドイツのECMが発信を担った。そして、このハフナーはドイツ・ジャズの代表格。ドイツ・ジャズは、やはり隅に置けない。
 
 

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2025年11月20日 (木曜日)

新生カシオペア・サウンド降臨

デビュー当時のキャッチコピーである「スリル・スピード・スーパーテクニック」をモットーに、1979年の鮮烈なレコードデビュー以降、45年もの間、日本を代表するクロスオーバー&フュージョン・バンドでありつづける「カシオペア」。その「カシオペア」のニュー・アルバムが登場している。

CASIOPEA『True Blue』(写真左)。2025年の作品。ちなみにパーソネルは、野呂一生 (g), 安部潤 (key), 鳴瀬喜博 (b), 今井義頼 (ds)。12年間のカシオペア・サウンドを担っていた大髙清美が昨年暮れに卒業、2025年5月、新メンバーに安部潤を迎え、これを機に第5期グループ名をオリジナル表記の「CASIOPEA」に戻し、再出発した最初のアルバム。

まず、初期のCASIOPEAを思い出すようなサウンドになっている。1979年、デビュー当時は、若さ故の溌剌さ、尖ったエッジ、前掛かりのバカテク・フレーズが「ウリ」だったが、今回の新生「CASIOPEA」のサウンドは、サウンドのイメージとしては、確かにデビュー当時のイメージだが、演奏の質としては、明るくポジティヴ、音のエッジはほど良く角が取れていて、バカテク・フレーズには「余裕」が感じられる。
 

Casiopeatrue-blue

 
エレギとキーボードの音が同列でフロントを担うサウンドのアウトフレームは変わらない。キーボードが大高清美から安部潤に交代しているので、大高の独特の個性だった「プログレ色」は交代し、カシオペア初期のクロスオーバー・ジャズ志向の音に戻っている。これが「初期のCASIOPEAを思い出すようなサウンド」になっている大きな理由だろう。

収録曲全7曲、いずれも出来が良い。それと、サウンドがカラフルになった気がする。キーボード担当の安部潤は、ピアノやエレクトリックピアノなどがメインの音づくり。オルガン特有の歪みが無くなった分、キーボードの音がカラフルに響く。野呂一生のエレギはいつも通り。パワフルでバカテクで歌心があって、カシオペア・サウンドの大本をしっかりとグリップしている。

久し振りに新生カシオペアとなり、男性正規メンバー4人ユニットとなっての一枚目のアルバム。初期のカシオペア・サウンドが返って来た、と、旧来のファンからすると、諸手を挙げての大歓迎ムードだが、このままだと、懐古趣味に陥る危険性もある。次作以降、今度はどんなサウンドの変化が待っているのか、いないのか。次作である。次作こそが、新生「カシオペア」の真価が問われる、と僕は思っている。
 
 

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2025年11月19日 (水曜日)

J.ヴァン・ルーラーの傑作ライヴ

ジェシ・ヴァン・ルーラーは、オランダ出身のギタリスト。1995年にセロニアス・モンク国際ジャズギターコンクールで優勝、2005年までは、欧州ジャズを代表する、将来有望な若手ギタリストとして活躍。その後、サイドマンとして細々と活動した、幻のギタリストでもある。スタイルは「バップ・ギター」。端正で疾走感溢れるギターは、素直でシンプルな音色で、歌心溢れるフレーズを紡ぎ出していた。

Jesse van Ruller『Live At Murphy's Law』(写真左)。2004年7月7-8日、オランダのハーグ「Murphy's Law」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Jesse Van Ruller (g), Frans Van Der Hoeven (b), Joost van Schaik (ds)。欧州ジャズのメインストリーム・ジャズ・ギターの中堅、ジェシ・ヴァン・ルーラーのオランダ、ハーグでのライヴ録音。リーダーのジェシ・ヴァン・ルーラーのギターがメインの「ギター・トリオ」。
 
ジェシ・ヴァン・ルーラーは 1972年うまれなので、32歳の若さでのライブ録音。32歳のジャズマンといえば、現代ジャズでは、まだ「若手」の部類なんだろうが、このライヴ盤では、ほぼ「完成された」、中堅〜ベテラン・レベルの熱演を聴かせてくれる。早熟ではないが、若くして成熟したギター・プレイは、かなりの「聴きもの」だと感じる。
 

Jesse-van-rullerlive-at-murphys-law

 
このライヴ盤の良さは、全曲スタンダード曲だということ。ジェシ・ヴァン・ルーラーの端正で疾走感溢れる「バップ・ギター」は、スタンダード曲で映えに映える。バップ・ギターなんだが、尖ったところは無く、音のエッジは適度に丸く、弾きっぷりは、素直でシンプル。なので、スタンダード曲の印象的で美しいフレーズが引き立つ。収録されたどの曲も、歌心あり、テクニックあり、聴いていて惚れ惚れするものばかり。

バックのリズム隊、フランツ・ヴァン・デル・ホーヴェンのベース、ヨ-スト・ヴァン・サイクのドラムも堅実&端正に、活きたリズム&ビートを供給して、ガッチリとフロントのジェシ・ヴァン・ルーラーのギターをサポートし、時に、積極的に鼓舞する。良いリズム隊。こういうリズム隊がオランダ・ジャズにいるのだから、やっぱり、欧州ジャズは無視出来ない。

ビリー・ストレイホーンの「Isfahan」、ベニー・ゴルソンの秀曲「Along Came Betty」、ハーブ・エリスの佳曲「Detour Ahead」、クリフォード・ブラウンのブルース・ナンバー「Sandu」等、ジェシ・ヴァン・ルーラーのギターが映えまくる選曲も良い。欧州系のジャズ・ギターだけあって、ファンクネスは希薄、心地良いオフビートとクールな音色が、スタンダード曲の新しい魅力を醸し出してくれる。好ライヴ盤です。 
 
 

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2025年11月18日 (火曜日)

ジャズ喫茶で流したい・308

スチュ・ウィリアムソン(1933年5月14日 - 1991年10月1日)。米国のジャズ・トランペット奏者、バルブ・トロンボーン奏者。ジャズ・ピアニストのクロード・ウィリアムソンの弟。

スタン・ケントン楽団出身のトランぺッターであり、ウッディ・ハーマン、ビリー・メイ、チャーリー・バーネット、シェリー・マンらと共演。ウエストコースト・ジャズを代表するトランペッターの1人。1968年以降、薬物使用と健康問題により、彼は音楽界から姿を消した。

Stu Williamson『Stu Williamson Plays』(写真左)。1955年の録音。ベツレヘム・レコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Stu Williamson (tp), Charlie Mariano (as), Claude Williamson (p), Max Bennett (b), Stan Levey (ds)。

リーダーを務めたセッションは比較的少ないが、ウエストコースト・ジャズを代表するトランペッターの1人、スチュ・ウイリアムソンの初リーダー作。スチュのトランペットとマリアーノのアルト・サックスがフロント2管のクインテット編成。

そんなスチュ・ウィリアムソンの落ち着いた明るいトーンの素直で端正なトランペット。癖のない、破綻の無いトStu Williamson Discography: Vinyl, CDs, & More | Discogsランペットだが、音の質が良い。聴いていて心地良いのだ。荒削りでダイナミックな個性的なトランペットでは無いが、安心して聴ける、良質なトランペットである。ウエストコースト・ジャズらしい、そのテクニックの確かさも好感度良好。
 

Stu-williamsonstu-williamson-plays

 
そんなトランペットが、ジャズ・スタンダード曲で映える。特に、ウエストコースト・ジャズの良好なアレンジの下、「聴かせるジャズ」「聴いて心地の良いジャズ」にピッタリなのだ。「There Will Be Another You」の真っ正直なフレーズや「The Things We Did Last Summer」の素直でストレートな吹きっぷりを聴いていると、このシンプルさが、たまらなく良く聴こえてくる。

チャーリー・マリアーノのアルト・サックス、クロード・ウイリアムソンのピアノ、マックス・ベネットのベース、スタン・レヴィーのドラムと、ウエストコースト・ジャズの一流どころをズラリ取り揃えたバックも良い。さすが、ベツレヘム・レコードの感性と寒心することしきり。

マリアーノのアルト・サックスが、心地良い力強さで歌心満点のソロを聞かせてくれる。兄のクロード・ウイリアムソンが、ウエストコースト・ジャズ志向のバップ・ピアノで、スチュをサポートし鼓舞する。マックス・ベネットのベースは「堅実、安定」のベースで演奏の底を支え、スタン・レヴィーが「聴かせる」「聴いて心地良い」リズム&ビートを供給する。

温もりある音色で朗々と素直に吹き上げていくスチュ・ウイリアムソンのトランペット。そして、ウエストコースト・ジャズの「聴かせる」アルチザンが集結したアルト・サックス+リズム・セクション。ヘビー・ローテーションに耐える、いかにもウエストコースト・ジャズらしい好盤です。
 
 

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2025年11月17日 (月曜日)

バトル・シリーズの3作目です。

相も変わらず、Smoke Sessions Records の新譜を聴く度に、まあ、よくこれだけコンスタントに、現代のネオ・ハードバップ、現代のコンテンポラリー・ジャズの好盤をリリースし続けているものだ、と感心する。しかも、ベテラン、中堅のジャズマンを登用して、時折、興味深いアレンジ、演奏編成を仕掛けるのだから、隅に置けない。

Eric Alexander & Vincent Herring『Split Decision』(写真左)。2024年7月4–6日の録音。ちなみにパーソネルは、Vincent Herring (as), Eric Alexander (ts), Mike LeDonne (p), John Webber (b), Lewis Nash (ds)。ヴィンセント・ハーリングのアルト・サックス、エリック・アレキサンダーのテナー・サックスの2サックスが2管フロントのクインテット編成。アレキサンダー&ハーリングのバトル・シリーズの3作目。

ジャズ界屈指のサックス奏者2人が、楽しくフレンドリーな「2管フロント」で、リラックスした、それでいて、大らかで力感溢れる2サックスのユニゾン&ハーモニー、時にサックスのバトル、時に、それぞれの歌心溢れるアドリブ・ソロを披露する。良い意味で競争力のある2人、活力のある、ハードバピッシュな演奏を競うが如く、時に、手を取り合って、展開する。
 

Eric-alexander-vincent-herringsplit-deci

 
この2管フロントのパフォーマンスを聴いて思うのだが、その2人の音には、もはやコルトレーンの影は無い。現代のネオ・ハードバックのサックスについては、コルトレーン・スタイルは「常識」となり、ジャズ・サックスの「基本」となった。コルトレーンの没後、約60年。ほぼ、そのサックス・スタイルの変遷をリアルタイムに感じてきたが、この盤の演奏を聴いていて、万感の想いがする。

名手2人のパフォーマンスである。悪かろう筈が無い。2人とも、それぞれの個性とテクニックのありったけを尽くして、サックスを吹きまくる。どこかで少しでもミスをしたら、相手に「切られる」、みたいな、心地良い集中を感じる良好なテンションと、和やかな熱気の中での素晴らしいパフォーマンス。Smoke Sessions Records の真骨頂である。

マイク ・ルドン、ジョン・ウェバー、ルイス・ナッシュのリズム・セクションも良好&好調。ルドンはマッコイ・タイナー張りのプレイで胸の空くようなプレイを展開、ウェバーのベースは堅実なビートを弾き出し、ナッシュのドラムが演奏全体のリズム&ビートをコントロールする。フロント2管を含めたクインテット、心地良いネオ・ハードバップを叩き出す。好盤です。
 
 

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2025年11月16日 (日曜日)

発展途上的”深化”を捉える好盤

GoGo Penguin(ゴーゴー・ペンギン)。 2009年、英国のマンチェスターで結成された新世代ピアノ・トリオ。「踊れるジャズ」をアコースティック楽器でプレイするバンド・スタイルは「アコースティック・エレクトロニカ・トリオ」と評価されている。「新しいジャズのアンサンブル」を標榜しつつ、アコースティック楽器でのエレクトロニック・ミュージックを再現する、という実に面白いアプローチを採用している。

そして、ゴーゴー・ペンギンは深化する。初期の頃のゴーゴー・ペンギンの音世界は着実に、ポジティヴな方向に変化している。そして、テクニック最優先の演奏構成から、バンド全体のグルーヴとビートを重視する演奏構成に変化し、その分、シンプル感がアルバム全体を覆う。クラシック的な印象的なピアノにアグレッシブなベースとドラム。

GoGo Penguin『Necessary Fictions』(写真左)。2025年の作品。ちなみにパーソネルは、Chris Illingworth (p), Nick Blacka (b), Jon Scott (ds)。クラシック、プログレッシヴ・ロックをバックボーンに持ちつつ、最先端のエレクトロニック・ミュージック&ダンス・ミュージック志向を標榜する、マンチェスターのピアノ・トリオ、ゴーゴー・ペンギンの「融合」エレ・ジャズである。
 
Gogo-penguinnecessary-fictions  
 
重厚でヘヴィな音色のウッドベースの執拗な反復が生み出す独特のグルーヴが実に「妖しい」雰囲気。そこに、プリペアド・ピアノ(たぶん)が、同じく、ベースのただならぬグルーヴに乗って、反復を紡ぎ出す。そして、ベースのグルーヴに導かれるように、パルシヴな重低音ドラムのリズム&ビートが疾走する。しかし、この分厚いグルーヴのビート・サウンドが、トリオで創出されているとはちょっとした驚きだ。とにかく迫力満点。この「反復」のグルーヴは癖になる。

反復グルーヴは、1970年代の欧州プログレッシヴ・ロック、タンジェリン・ドリームやクラフト・ワークを想起する。そんな1970年代欧州のビート・プログレッシヴ・ロックを現代のグルーヴに置き換えて、ジャズの即興要素をベースにリコンパイルした様な、ゴーゴー・ペンギン、唯一無二の音世界。大胆なエフェクトの導入も耳に新しく響く。現代のエレクトリック・コンテンポラリー・ジャズの「独立峰」的音世界。

英国音楽の複数ジャンルの音世界の「融合」の取り扱いは伝統的。ジャズとプログレッシヴ・ロック、エレクトロニカ、現代音楽を効果的に「融合」した音世界。ボーダーレスな現代のエレクトリック・コンテンポラリー・ジャズ。コーゴー・ペンギンの発展途上的「深化」を捉えた好盤である。
 
 

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2025年11月15日 (土曜日)

ジャズ喫茶で流したい・307

デンマーク出身のジャズ・ベーシストの名手レジェンドといえば、ニールス=ヘニング・エルステッド・ペデルセンの名前がいの一番に浮かぶ。惜しくも2005年4月に鬼籍に入ってしまったが、彼のベースは、ソリッドなブンブン唸る重低音ベース。ピッチもバッチリ合ったヴァーチュオーゾであった。

Thomas Fonnesbaek & Justin Kauflin『Synesthesia』(写真左)。2017年6月14-15日の録音。ちなみにパーソネルは、Thomas Fonnesbæk (b), Justin Kauflin (p)。デンマークの現代ジャズ・ベースの名手、トーマス・フォネスベックと、米国の中堅ピアニスト、ジャスティン・カウフリンによるデュオ盤。

トーマス・フォネスベックもデンマーク出身。ペデルセンの跡を継ぐ、中堅ベーシスト。今年48歳。ベース音がペデルセン直系。ソリッドなブンブン唸る重低音ベース。ペデルセンよりややライトで明るい音色。テクニックはペデルセン同様、相当に高い。

ジャスティン・カウフリンは、米国出身のピアニスト。今年39歳。11歳のとき、病により視力を失い、以降は盲目のピアニストとして活躍を続けている。端正で美しく鳴る、耽美的でリリカルな印象派ピアノ。優しい「ミシェル・ペトルチアーニ」なイメージ。米国出身ながら、音の傾向は「欧州」。
 

Thomas-fonnesbaek-justin-kauflinsynesthe

 
冒頭のタイトル曲「Synesthesia」から、デュオの2人は出力全開。ソリッドでブンブン胴鳴りを響かせながら、重低音のベースラインを弾きまくる。ピッチがバッチリ合っていて、聴いていて気持ちが良い。そして、そこに、欧州的響きの耽美的でリリカルな印象派ピアノが絡み追従する。このデュオ、面白いのは、ベースがリードして、ピアノが追従するイメージで、グイグイ引っ張る様なイメージのフォネスベックが恰好良い。

デュオ演奏として、ピアノとベースはもともと相性が良いが、このフェネスベックのベースとカウフリンのピアノの相性は相当に良い。これだけ、速いテンポでインタープレイを続けても、音がぶつかりそうになることも、音が単調になることも無い。

3曲目のスタンダード「It's All Right With Me」は美しいことこの上ない。ベースが前面出る時はカウフリンが、ピアノが前面に出る時にはフォネスベックが、極上の伴奏フレーズを叩き出す。インタープレイは硬軟自在、変幻自在、緩急自在に、心地良い一体感を醸し出す「絡み」は極上の美しさ。

しかし、凄まじいレベルのベースとピアノのデュオ。硬軟自在、変幻自在、緩急自在、テクニックのありったけを尽くして、そして、豊かな歌心を宿して、ベースもピアノも唄う様に、デュオ・パフォーマンスを繰り広げていく。このデュオ盤、現代のベースとピアノのデュオ盤の「名盤」として良い内容を誇っている。素晴らしいデュオ盤である。
 
 

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2025年11月14日 (金曜日)

山下洋輔トリオ”Dancing 古事記”

山下洋輔トリオが早稲田大学本部のバリケードの中で演奏する「バリケードの中のジャズ」という、当時のテレビの企画での演奏を録音したもの。学園紛争という「取り巻く時代」の話は全く抜きにして、純粋に、当時の「山下洋輔トリオ」のパフォーマンスのみをここでは語りたい。

山下洋輔トリオ『Dancing 古事記』。1969年7月「早稲田大学本部キャンパス8号館B1F」での録音。ちなみにパーソネルは、山下洋輔 (p), 中村誠一 (ts, ss), 森山威男 (ds), 彦由常宏 (演説 on trk.1) 。記念すべき「山下トリオ」のデビュー作。1971年、麿赤児と立松和平の自主制作LPとして発売。

冒頭、学園紛争名物「アジテーション」。今の人達にはなんだこれ、だろう。僕達には懐かしい響き。こういうアジテーションが学園紛争で前面に立っていた「闘士」達の主張のスタイルだった。で、続いて「テーマ」に弾き継がれる。ここからが、山下洋輔トリオの真骨頂。のっけから、山下トリオは疾走する。

山下洋輔のピアノは、いきなり「全力疾走」。凄まじいパワー、凄まじい指回し。緩み無く、拠れも無い。正確無比にフリーで創造的なフレーズを、全力疾走で弾きまくる。それに絡む森山威男の、これまた凄まじいドラミング。山下と森山のフリーでありながら整然としたインタープレイの中、中村誠一のサックスが乱入参戦。3者混然一体となった、凄まじい、フリーでありながら整然とした、即興演奏インタープレイが暴風雨の様に吹き荒れる。
 
Dancing  
 
続いて「木喰(もくじき)」。出だしのスピリチュアルで耽美的な、ゆったりとしたフレーズが美しい。そして、徐々に、山下トリオの真骨頂、3者混然一体となった、凄まじい、フリーでありながら整然とした、即興演奏インタープレイの音世界に突入していく。このアドリブ・フレーズの嵐における「イマージネーションの豊かさ」は特筆に値する。

無手勝流に、気の向くままに即興演奏インタープレイをしているのでは無い。しっかり、理路整然とイマージネーションを広げ、それをフリーな音に落とし込んで、即興インタープレイに展開する。フリーの演奏とはいえ、その演奏展開は「理知的」。そこが良い。

それと、以前からこれは強く感じているが、トリオを形成する3人のジャズマン。演奏力が半端ない。テクニック、歌心、正確さ、どれをとっても超一流の演奏力。この半端ない演奏力が、理知的で理路整然とした、フリーな即興インタープレイを可能としている。そして、この理知的で理路整然とした、フリーな即興インタープレイこそが、山下洋輔トリオの唯一無二の個性なのだ。

「ジャズ・ピアニスト、山下洋輔、年内で演奏活動一時休止 休養へ」のニュースが流れて、案漠たる気持ちに包まれている。報告文の最後に「長年にわたる山下洋輔へのご注目・応援、ありがとうございました」と書かれているのが気になる。そして、思わず、山下洋輔のパフォーマンス、和フリー&スピリチュアルな音世界を聴き直してみたくなった。その第一弾が、この『Dancing 古事記』であった。名盤である。
 
 

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2025年11月13日 (木曜日)

スピリチュアルな ”自画像” 盤

「ジャズ・ピアニスト、山下洋輔、年内で演奏活動一時休止 休養へ」のニュースが流れて、思わず「えっ」。最近、山下洋輔さんの話題を聞かないなあ、元気されてるのかなあ、とちょっと心配していたんだが、案の定である。報告文の最後に「長年にわたる山下洋輔へのご注目・応援、ありがとうございました」と書かれているのが気になるが。

ということで、我が国のフリー&スピリチュアル・ジャズを聴かねば、という想いに駆られ、昨日から、我が国のフリー&スピリチュアル・ジャズの名盤&好盤を選盤し、順番に聴き直している最中である。

鈴木勲『自画像』(写真左)。1980年の作品。Paddle Wheelからのリリース。ちなみにパーソネルは、鈴木勲(b, 他)。アルバムの宣伝文句を借りると「ウッドベース、ハモンドオルガン、ヴォコーダー、大正琴、二胡といった多種多様な楽器と自身のボーカルを、多重録音を駆使して重ね合わせ、たった一人の手で作り上げられた作品」。当時として、相当な「異色作、問題作」であろう。

特注のピッコロ・ベース、ウッド・ベース、ハモンド・オルガン、スピネット、ボコーダー、スキャット、大正琴、中国の二胡(胡弓)、風の音などを一人で多重録音した、フリー&スピリチュアル・ジャズな内容の秀作。多重録音として、実際の録音時には苦労しただろう、と思われる、多重録音でありながら、ジャズの「キモ」である、即興演奏な雰囲気を損なっていないところが凄い。
 
Photo_20251113202501  
 
20種類以上の楽器を繰って多重録音.歌までうたう、しかも、その内容は、当時として最先端の「フリー&スピリチュアル・ジャズ」。ジャズ者の間で賛否両論渦巻いたのは想像に難くない。当時の「ジャズの範疇」から大きく外れていたのだから仕方の無いことだが、今の耳で聴くと、意外と内容的に整った、創造性溢れる、コンテンポラリーな「スピリチュアル・ジャズ」に聴こえるから不思議だ。

当時のジャズの語法を全く無視した、官能的で感覚的で印象的な、多重録音による即興演奏。その響きはまさに「スピリチュアル」。フリーな展開もあるにはあるが、さすがに多重録音なので、完全フリーな展開は抑制されている。その分、ボコーダーやスキャット、そして、ハモンドオルガンを活用して、スピリチュアルな音要素を増強している。これが巧妙。これが、この異色作を「和スピリチュアル」な名盤たらしめている。

決して、アブストラクトでも、ストレンジでも無い。しっかりと、理路整然とフリー&スピリチュアル・ジャズしている。とにかく、様々な楽器の使い方が上手い。そして、その様々な楽器をしっかり統率し、一体とさせているのが、鈴木勲のベース。超弩級の重低音を鳴り響かせながら、スピリチュアルなリズム&ビートを弾き出している、

作曲、演奏のみならずジャケットアートワーク、ライナーノーツに至るまでを自身で手がけた、名実共に「自画像」な作品。ジャズというジャンルの中で、米国にも欧州にも無い、唯一無二な音世界。我が国のジャズ・シーン発信の、フリー&スピリチュアル・ジャズの名盤として良いと思う。
 
 

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2025年11月12日 (水曜日)

T-SQUARE ”TURN THE PAGE!”

T-SQUAREは、1976年11月に結成。1978年アルバム『Lucky Summer Lady』を発表し本格的に活動を開始。以降、一昨年リリースの「VENTO DE FELICIDADE 〜しあわせの風〜」までで50枚のアルバムをリリース。和クロスオーバー&フュージョン・バンドの草分けであり、代表格の一つであり、レジェンドでもある。ファーストアルバムのリリース以降、47年間、バンド・サウンドを都度、深化させているのは「見事」と言うほか無い。

T-SQUARE『TURN THE PAGE!』(写真左)。2025年の作品。ちなみにパーソネルは、伊東たけし (as, NuRAD), 亀山修哉 (g), 長谷川雄一 (p, key), 田中晋吾 (b), 坂東慧 (ds)。T-SQUAREの2年振り、51枚目のアルバム。 2025年6月4日にリリース。プロデューサーとして元キーボーディストの河野啓三が参加している。

タイトルの「TURN THE PAGE!」は「過去のことを整理して新たに始める」という意。この盤には、従来の「T-SQUARE」サウンドがてんこ盛り。冒頭の「君と歩こう」の出だしの数フレーズだけで、従来の「T-SQUARE」色の音と確信する。それほどまでに、個性的で、他が真似出来ない、真似しない、「T-SQUARE」固有の、唯一無二のサウンド。
 

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リズム&ビートのテンポも「T-SQUARE」らしい、ミッド・テンポが中心。音の傾向は、クロスオーバー&フュージョン。どちらかというと、ファンクネス皆無、ロック寄りのクロスオーバー&フュージョン。これも「T-SQUARE」らしい音傾向。特にキーボード・ワーク、そして、ベース&ドラムのリズム隊は「ロック志向のサウンド」がメイン。しかし、フロント楽器、サックス+ウィンド・シンセ、そして、エレギについては、クロスオーバー&フュージョン・ジャズ志向。これが、従来の「T-SQUARE」らしさ。

冒頭の「君と歩こう」は、新生T-SQUARE の、イントロで5人それぞれ登場という趣向の「名刺代わり」の1曲。2曲目の「Marmalade!」の爽快感はT-SQUAREならではのもの。3曲目の「琥珀色の時」は泣きのサックス大活躍のバラードだが、ファンクネスは皆無。5曲目の「Front Runner」は、明らかにロックからジャズへのアプローチ。ロック志向のクロスオーバー・サウンド。7曲目の「ULTRA」では、T-SQUARE のテクニックの高さを再認識等々、全曲、T-SQUAREらしさが満載。

メンバー編成については、本作から、ベースに田中晋吾、キーボードに長谷川雄一、ギターに亀山修哉が正式メンバーとして加入。バンド形態及び5人体制が復活。使用楽器については、伊藤たけしが、30年以上にわたってウィンド・シンセにEWIを使用していたが、このアルバムから、NuRAD(ニューラッド)を使用。バンドとしての「T-SQUARE」が、再び充実し始めている。目新しい何かがある訳では無いが、T-SQUARE の更なる深化がビンビンに感じられる秀作である。
 
 

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2025年11月11日 (火曜日)

ボウイの楽曲をジャズで再構築

ジャズマンによるポップ&ロック・アーティストへのトリビュートは、意外と難しい。もちろん、原曲の型通りの再現は「御法度」、そもそも不可能。元曲を、ジャズに、特に洗練されたハーモニーで表現し、トリビュートされるアーティストのエッセンスを損なわないようにする必要がある。つまり、原曲のジャズへのアレンジが成否を握るということ。

Metropolitan Jazz Octet『The Bowie Project』(写真左)。2020年〜2022年の録音。ちなみにパーソネルは、Paul Marinaro (vo), John Kornegay (as, cl, alto-fl), Jim Gailloreto (ts, ss, fl), Peter Brusen (bs, b-cl, basoon), Doug Scharf (tp, flh), Russ Phillips (tb), Mike Freeman (vib, marimba), Bob Sutter, Ben Lewis (p), Doug Bistrow (b), Bob Rummage (ds, perc)。

高名なボーカリスト、ポール・マリナロとタッグを組んだ、メトロポリタン・ジャズ・オクテット(以降「MJO」と略)の企画盤。2020年から2022年のコロナ禍の時代において、MJOが、シカゴ出身で全米的に評価の高い歌手ポール・マリナロをフィーチャー、グラム・ロックのレジェンド、デヴィッド・ボウイの楽曲をカヴァーした、ユニークな企画盤。ボウイ生誕20周年となる2022年、彼らは最も示唆に富むトリビュート盤を完成させている。
 

Metropolitan-jazz-octetthe-bowie-project

 
グラム・ロックのレジェンド、ボウイの楽曲のジャズ・カヴァー。ボウイの楽曲を知らなければ楽しめないのでは、という不安は「杞憂」に終わる。カヴァーされているボウイの曲を知らなくても、曲の持つ個性的なメロディーと秀逸なジャズ・アレンジで、何も知らなくて聴いても、十分に楽しめる内容になっている。ボウイの楽曲に精通している方々には「言わずもがな」である。

イントロ部分から曲の導入部については、ボウイの曲の持つイントロから主メロの部分を、ボーカル入りで披露してから、ボウイの楽曲の持つ個性的なコード進行を踏襲したアドリブ展開になだれ込むスタイルで統一されているが、これが、カヴァーされるそれぞれの曲の個性の違いを浮き立たせる仕組みになっていて、聴いていてとても楽しい。

ボウイの曲を、模倣に走ること無く、再解釈したオクテットの音色は、透明感と親密さを表現し、オーケストラルな、印象的で繊細な音世界を巧みに引き出し、ボウイの歌詞を独創的に補完する。MJOは、元々は1950年代にサックス奏者でアレンジャーのトム・ヒリアードによって結成され、2010年代に彼の教え子たちによって再結成された、シカゴを拠点とするジャズ・アンサンブル。今回は、新鮮で独創的なトリビュート作品をものにしている。好盤です。
 
 

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2025年11月10日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・306

このレーベルの一番の特色は、米国の東海岸と西海岸の両方にオフィスを構え、偏ること無く、双方のジャズマンのリーダー作をリリースしたこと。ハードバップ期の黒人中心の東海岸ジャズと、白人中心の西海岸ジャズを偏ること無くピックアップし、記録していった珍しいジャズ・レーベル。音作りも、東西混成のユニークなハードバップが散見されるところがこのレーベルの個性でもある。

Jimmy Knepper『A Swinging Introduction to Jimmy Knepper』(写真左)。1957年9月の録音。ベツレヘム・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Jimmy Knepper (tb), Gene Roland (tp, vo), Gene Quill (as), Bill Evans (p), Teddy Kotick (b), Dannie Richmond (ds)。ミンガスのコンボで頭角を表したジャズ・トロンボーンの名手の二枚目のリーダー作。

白人らしい、あっけらかんとしたトロンボーンの響き。トロンボーン独特の「茫洋とした響き」を上手く活かして、印象的なフレーズを紡ぎ上げていく。こういうところ、ニッパーはとても上手い。「茫洋とした響き」のトロンボーンを印象的に聴かせるテクニック。それがこの盤の一番の「聴きどころ」。荒削りながら快活なソロには、思わず耳を傾ける。
 

Jimmy-kneppera-swinging-introduction-to-

 
サイドメンは、ビル・エバンス、ジーン・クイル、ジーン・ローランド、テデイ・コテック、ダニー・リッチモンド、と東西の一流どころがズラリ。バックのリズム・セクションがしっかりしているのも、この盤の良いところ。リズム・セクションがしっかりしていると、フロント管も吹きやすい。ニッパー、ローランド、クイルのフロント3管は、いずれも、リラックスして伸び伸びと吹きまくる。ローランドはボーカルまで披露している。

冒頭の「Love Letters」を聴けば、このアルバムの特徴が良く判る。メンバーは米国西海岸ジャズからがメイン。イントロは、ほど良くアレンジされ、西海岸ジャズらしい「聴かせるジャズ」かな、と思うんだが、アドリブ部に入ると、それぞれのメンバーが、個人のスキルを活かして、バリバリのソロを聴かせてくれる。このアドリブ・ソロの響きは、東海岸ジャズの雰囲気に近い。ビル・エヴァンスのピアノ・ソロなど、東海岸でのプレイそのもの。

このアルバムは、西海岸ジャズの良さと、東海岸ジャズの良さが、ハイブリッドに交わって、東西混成のハードバップ・ジャズが展開されている。良きアレンジと、熱いソロ・パフォーマンス。これは、ベツレヘム・レーベルならではの成果では無いか。僕はそう睨んでいる。
  
 

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2025年11月 9日 (日曜日)

鈴木茂”White Heat”を久々に聴く

鈴木茂(すずき・しげる)。日本のギタリスト・レジェンドの1人。はっぴいえんど、ティン・パン・アレーなどのメンバーとしてギターを担当し、1975年には米国のミュージシャンを起用、ロスで録音した初ソロ盤『Band Wagon』dでソロ・デビュー。ソロ・デビュー当初から、ボーカル入り(これがあまり、でねえ・笑)のAOR志向の和フュージョンを追求していたが、1979年、このアルバムで、オール・インストルメンタルの「和フュージョン・ジャズ」なアルバムをリリースして、我々を驚かせた。

鈴木茂『White Heat』(写真左)。1979年の作品。ちなみにパーソネルは、鈴木茂 (g), 村岡建, 砂原俊三, Jake H.Concepcion (sax), 数原晋 (tp), 新井英治(tb), 坂本龍一, 佐藤準, 矢野顕子 (key), 小原礼, 後藤次利 (b), Robert Brill, 高橋幸宏 (ds), 浜口茂外也 (perc, fl), ペッカー (perc), ラリー寿永 (perc), Salita Escobar (vo)、バックに、The Ohno Strings (strings) が入る。ビクター期における、唯一のインストルメンタルを中心とした作品になる。

当時、自身でも「ギターのインストゥメンタルやってると煮詰まってくる」と語っていたのだが、この盤はインストルメンタルを中心とした作品。明らかに、大流行していて、フュージョン・ジャズの「ギター・フュージョン」をやって、一発当てようと思ったのか、どうなのか。とにかく、収録曲の質も良く、和フュージョン独特のアレンジも良好。鈴木茂のギターも大活躍とあって、このインストルメンタルを中心とした作品、なかなかの「和フュージョン」の秀作に仕上がっている。
 

White-heat 

 
冒頭「Hot Blooded」のギターの前奏から、このインストは米国系では無いと感じる。ファンクネス皆無な乾いたオフビート、独特なエコーとサスティーンが効いたギターの音色。米国にはない、フュージョン・テイストのインストで、しかも録音が良い。これは「和フュージョン」それも、1970年代後半から1980年代初頭の音作りと当たりを付ける。エレギの音色が独特で個性全開。これは鈴木茂、と確信する。

全体の音作りは、当時のソフト&メロウなフュージョン・サウンド。耳当たり、聴き心地の良い、上質のイージーリスニング志向のソフト&メロウなフュージョン・サウンド。フレーズがどこか米国フュージョンのイメージを借りてきている雰囲気なので、今の耳にはちょっと古さを感じるのが残念。それでも、鈴木茂のエレギは鳴りに鳴っているから、これだけでも、この盤は「買い」だろう。

バックのミュージシャンも、曲者優秀どころがズラリ。特に個性の強い、高橋幸宏のドラム、坂本龍一のキーボード、小原礼、後藤次利のベースは印象的に響く。1曲1曲の収録時間が4分前後、フェードアウトの多用が玉に瑕だが、それ以外は、水準以上の演奏で、和フュージョンの秀作の1枚、として問題無い、聴き甲斐のある、和フュージョンな1枚である。
 
 

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2025年11月 8日 (土曜日)

ベツレヘムの異色”ビッグバンド”

カタログを眺めていると、あれっ、と思うんだが、他のジャズ・レーベルに比べて、ボーカルものが多い。なんと、カタログ全体の4分の1がボ-カル盤。つまりは、ベツレヘム・レーベルは「ジャズ・ボーカルの宝庫」。しかし、ビッグバンド・サウンドにも手を出しているのにはビックリした。ベツレヘムのビッグサウンドとはどんなものなのか。興味津々である。

『Art Blakey Big Band』(写真左)。1957年12月、NYでの録音。ベツレヘム・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Ray Copeland, Bill Hardman, Idrees Sulieman, Donald Byrd (tp), Frank Rehak, Jimmy Cleveland, Melba Liston (tb), Bill Graham, Sahib Shihab (as), Al Cohn, John Coltrane (ts), Bill Slapin (bs), Walter Bishop, Jr. (p), Wendell Marshall (b)。

端正な、お手本の様なビッグバンド・サウンド。パーソネルを見渡すと、ビッグネームがズラリ。リーダーでドラムのアート・ブレイキー。そして、トランペットにドナルド・バード、トロンボーンのジミー・クリーブランド、アルト・サックスにサヒブ・シハブ、テナーには、アル・コーンとジョン・コルトレーン、ピアノに、ウォルター・ビショップ・ジュニア、ベースにウエンデル・マーシャル。
 

Art-blakey-big-band

 
ビッグバンド・サウンドとして、この盤の面白いところは、「Tippin」と「Pristine」では、アート・ブレイキー率いるクインテット( Art Blakey (ds), feature a quintet of Donald Byrd (tp),, John Coltrane (ts), Walter Bishop Jr.(p), Wendell Marshall (b)) のパフォーマンスがフィーチャーされるアレンジで演奏されていること。これ、聴いていて意外と面白い。

急造のビッグバンドなので、パーマネントなビッグバンドの様な、突出した個性や特色があるという訳では無いが、ビッグネームのソロ・パフォーマンスについては、それぞれの個性をしっかり出して吹きまくるので、それはそれで楽しめる。ブレイキーのドラミングだって、メッセンジャーズでの「ナイアガラ・ロール」よろしく、ブレイキー独特の個性で叩きまくる。これが、また良い。

これだけ、ビッグネームが集まってのビッグバンド演奏である。もちろん、パーマネントなビッグバンドでは無い。このレコーディングの為に集められた急造ビッグバンドである。まとまらなくて当たり前なのだが、これがまあ、端正で迫力満点、テクニック極上のビッグバンド・サウンドに仕上がっているのだから、大したものである。プロデューサーのリー・クラフトと、リーダーのアート・ブレイキーの大手柄だろう。
 
 

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 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

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2025年11月 7日 (金曜日)

Frank Zappa ”Hot Rats”を聴く

日本と英国については、ジャズとロックの境界が曖昧。米国はジャズはジャズ、ロックはロックとハッキリしているが、日本と英国は違う。両国とも「プログレッシブ・ロック(略してプログレ)」に対して造詣が深い。

プログレは、ロックをベースに、ジャズ、クラシック、ラテン、など、異種ジャンルの音要素と即興演奏をも取り込んだアーティステックなロック。この「異種ジャンル」の音要素を取り込むところが、ジャズのクロスオーバー&フュージョン・ジャズのマナーと合致しているので、境界が曖昧になっている。

Frank Zappa『Hot Rats』(写真左)。1969年7-8月の録音。ちなみにパーソネルは、Frank Zappa (g, octave bass, perc), Ian Underwood (p, org, fl, cl, sax), Captain Beefheart (vo), ), Max Bennett, Shuggie Otis (b), John Guerin, Paul Humphrey, Ron Selico (ds), Don "Sugarcane" Harris, Jean-Luc Ponty (vln), Lowell George (g)。フランク・ザッパ、2作目のソロ・アルバム。

フランク・ザッパ(1940-1993)は、米国のシンガーソングライター、ギタリスト、作曲家。ロック、ジャズ、クラシック、前衛音楽などを融合させた多種多様な音楽性で知られている。ザッパの音世界の軸足は「ロック」であり、そこにジャズ、クラシック、前衛音楽などを融合させた多種多様な音楽性を発揮している。そんなザッパの「多種多様な音楽性」が良く判るアルバムがこれである。
 

Frank-zappahot-rats

 
ロックをベースとして、ジャズ、クラシック、前衛音楽などを融合させた音世界なので、英国発祥の「プログレッシブ・ロック」を想起するが、このアルバムの音を聴くと、ロックをベースとしてはいるが、ジャズの様に即興演奏な展開が特徴で、クラシックの音要素が希薄。ギミック含めた芸術性を追求するのでは無く、8ビートと複雑なコードに乗ったインストルメンタルをメインとして、演奏力と即興な創造力を追求した、クロスオーバー&フュージョン・ジャズに通じる音世界である。但し、ファンクネスはほぼ無い。

面白いのは、ザッパは米国出身。ザッパの想像した、ザッパ。オリジナルな「クロスオーバー&フュージョン・ジャズ志向のロック・インスト」は、本国(米国)より、英国で高く評価され、全英9位の大ヒット。しかも、英国の音楽専門誌『メロディ・メイカー』の人気投票でアルバム・オブ・ザ・イヤーに選出されている。さすが、プログレ発祥の地、英国。ジャズとロックの境界が曖昧が故、プログレッシブ(進歩的・革新的)な音楽には敏感に正確に反応する。

クロスオーバー&フュージョン・ジャズには、ジャからのアプローチと、ロックからのアプローチ、双方向のアプローチがあって、どちらに「音志向の軸足」を置くことによって、テイスト、グルーヴは異なるが、異種ジャンルの音要素と融合した、8ビートと複雑なコードに乗ったインストルメンタルをメインとして、演奏力と即興な創造力を追求した、クロスオーバー&フュージョンであることに違いは無い。

こういう、ジャズとロックの境界が曖昧な、異種ジャンルの音要素と融合した、8ビートと複雑なコードに乗ったインストルメンタルをメインとして、演奏力と即興な創造力を追求した、クロスオーバー&フュージョンは、英国と日本に散在している。これは英国と日本の音楽環境の特殊性を表した「象徴的な音楽的成果」だと僕は考えている。
 
 

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2025年11月 6日 (木曜日)

ジャス喫茶で流したい・305

僕が本格的にジャズを聴き始めたのが1978年。そして、その翌年、このアルバムを聴いた時、その時点での、その時代での日本のジャズは、世界のジャズに比肩するレベルにあることを初めて確信した。我が国の音楽は、西洋、欧州や米国の後塵を拝してきたイメージがあったが、ジャズは違う。そう感じさせてくれたアルバムがこれだった。

富樫雅彦 & 鈴木勲『陽光』(写真左)。1979年2月1-3日、東京での録音。ちなみにパーソネルは、富樫雅彦 (ds, perc, synth, solina), 鈴木勲( b, piccolo-b, cello, p, solina)。我が国の純ジャズ系ドラマーの鬼才レジェンド、富樫雅彦と、我が国のジャズ・ベーシストのレジェンド、鈴木勲とのデュオ盤。

富樫雅彦は本職はドラム、鈴木勲は本職はベース。ドラムとベースのデュオか。ちょっと地味な感じがして、聴いていて飽きなければ良いが、と思いつつ、レコードの針を落としたら、ほど無くピアノの音が滑り込んできたので、あれ、ドラムとベースのデュオじゃなかったか、とパーソネルを見ると、富樫がシンセサイザーを、鈴木がピアノとシンセサイザーを弾いていて、の多重録音。
 

Photo_20251106222001   

 
演奏の基本は、フリー〜スピリチュアル・ジャズ。フリーの部分は、米国東海岸の様な、激情に身を預けて、心の赴くまま、無勝手流に弾き散らすのでは無く、現代音楽のエッセンスを融合した、広がりと間を活かした即興演奏をベースとした、独特のフリー・ジャズ。演奏全体の透明度と間の静謐度の濃い演奏は、欧州のECMレコードに通じる、レベルの高いものだった。

理路整然としたフリーな演奏、その透明度の高さ、間の静謐度の高さは、和ジャズ独特の「侘び寂び」を基本とした、スピリチュアル・ジャズを表現している。リズム&ビートは即興をベースとしていて、この辺りは、ECMレコードの「ニュー・ジャズ」を展開を踏襲している様に感じるが、音の暖かさとカラフルさは、和ジャズ独特の「ニュー・ジャズ」である。

冒頭の「A Day Of The Sun」。シンセとピアノのイントロからサンバ・ビートに展開するスピリチュアル・ナンバー。このタイトル曲に代表される様に、この盤には、我が国独特のフリー〜スピリチュアル・ジャズが詰まっている。1979年度・スイング・ジャーナル誌ジャズ・ディスク大賞受賞作品。この大賞受賞は納得。世界のジャズに比肩する、アーティスティックな、ニュー・ジャズ志向のフリー〜スピリチュアル・ジャズでした。和ジャズの名盤の1枚でしょう。
 
 

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2025年11月 5日 (水曜日)

ハレルの現代の ”ポストバップ”

不思議な雰囲気のコンテンポラリーなネオ・ハードバップな作品。ハードバップ時代の流麗なテーマに、エレクトリックピアノで活気づけられたより現代的なグルーヴが融合した、ジャズの伝統と現代性を見事に融合した現代のコンテンポラリー・ジャズの秀作である。

Tom Harrell『Alternate Summer』(写真左)。2022年11月28日、12月27日、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、Tom Harrell (tp), Dayna Stephens (ts), Mark Turner (ts), Charles Altura (ac-g, el-g), Luis Perdomo (p, rhodes), Ugonna Okegwo (b), Adam Cruz (ds)。

リーダーはトランペットのトム・ハレル。デイナ・スティーブンス、マーク・ターナーのテナー、チャールズ・アルトゥラのギター、ベネズエラ生まれのルイス・ペルドモのピアノ、ローズ、ドイツ系ナイジェリア人のウゴナ・オケグウォのベース、アダム・クルーズのドラム のセプテット編成。

アルバムの中、トム・ハレルのトランペットは、いつもながら、素晴らしい表現力と深みのある音色で、楽曲全体のサウンドを統一し、一本の筋をグッと通している。
 今回のハレルは、伝統的なバップ・トランペットに終始しているが、出てくるその柔軟でどこか哀愁感漂う、耽美的でリリカルなトランペットは懐古趣味のそれではない。現代のネオ・ハードバップど真ん中の、現代のバップ・トランペットの音色であり、パフォーマンスである。
 

Tom-harrellalternate-summer

 
冒頭「Miramar」は、スタッカートを基調としたメロディーと、独創的な即興演奏を彩るブルージーでグルーヴィーなフレーズがユニーク。ハレルのトランペットの洗練された表現が見事、サックス奏者のターナーとキーボード奏者のペルドモが豊かでメロディアスな旋律を紡ぎ上げる。

2曲目の「Peanut」は、ファンクネスを心地良く漂わせるポスト・バップなチューン。3曲目のタイトル曲「Alternate Summer」は、温かみのあるさわやかなバラード。

以降、「Intermetzo」は、オケグウォの素晴らしいベースソロと官能的な響きが彩る、上品な3/4拍子の楽曲。「UV」は、アルトゥラのしなやかなエレギが飛翔する変則ブルース。「Chalcedon」は、魅惑的なメロディとペルドモのグルーヴ感溢れるキーボード・ワークが光るポストバップの秀曲。

そして、「Plateau」は、脈打つリズムのベースが大活躍。「Wind」は、躍動感あふれるインタープレイが見事、そして、陶酔感あふれる「Radius」で大団円。

ウォームな各楽器の音色、各楽器のバランスの良さ、録音も良く、聴いていて気持ちが良い。現代のネオ・ハードバップど真ん中、現代のコンテンポラリーなポストバップな音世界は、温故知新な音に満ちていて、飽きが来ない。良いアルバム、トム・ハレルの秀作です。
 
 

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2025年11月 4日 (火曜日)

野田ユカ『カリブの夢』を聴く

和フュージョンは、米国とは全く異なる、独特の深化を遂げていく。リズム&ビートは、ファンクネス希薄なロック寄りのオフビート。楽器はシンセサイザーを始めとする鍵盤楽器が活躍する。米国では、フュージョンはスムースへと進化するが、我が国では、フュージョンは、ばりばり硬派な正統派フュージョンを突き進むか、イージーリスニング&ヒーリング志向のライトでポップなフュージョンに枝分かれするか、のどちらかだった。

野田ユカ『カリブの夢』(写真左)。1989年の作品。ちなみにパーソネルは、野田ユカ (key), 塚山エリコ (produce, key), 土岐英史 (sax), 萩谷清 (g), 加瀬達 (b), 渡辺直樹 (b), 市原康 (ds), 岡本郭男 (ds), 鳴島英治 (perc), 木村 "キムチ" 誠 (perc)。副題が「ライト・フュージョン・ファンタジー」の、和フュージョン志向のインスト盤。

リーダーの野田ユカは、現在はピアニスト・鍵盤ハーモニカ奏者。しかし、彼女は、エレクトーンフェスティバル'81全日本大会入賞の実績を持つ。このアルバムは、野田ユカが、ヤマハ音楽振興会のエレクトーンプレイヤーだった89年に発表したソロアルバム。副題からも判る様に、あっけらかんと明るい、ファンタジーな、イージーリスニング&ヒーリング志向のライトでポップな和フュージョン。
 

Photo_20251104221201

 
和フュージョンの深化の特徴として、鍵盤楽器の積極的活用がある。この盤でも、当然、主役はエレクトーンからシンセサイザーをはじめとする鍵盤楽器が大活躍。ギターとサックスは、その鍵盤楽器が活躍する中での「口直し」というか「耳直し」的な役割を果たしている。このイージーリスニング&ヒーリング志向のライトでポップなフュージョンのメインは「鍵盤楽器」。テクニックは極上、歌心もあって、演奏のレベルは高い。舐めてはいけない。

ベタな潮騒の音から始まる、ライトでポップなフュージョン・チューン、タイトル曲の「カリブの夢」。隠し味に、カリビアンなリズム&ビートが見え隠れするところが、良いアクセントになっている。キャッチーなエレクトーンの調べがキュートで印象的な「Manhattan Blue」。チャイニーズ&テクノポップなアレンジが和フュージョンらしい「Clip My Heart」。全体的にカリビアン、ラテン、テクノの音要素を融合しつつ、海辺のアーバンな雰囲気を醸し出したソフト&メロウな音作り。

とにかく、あっけらかんとして、翳りのない、海の香りがする、アーバンな、イージーリスニング&ヒーリング志向のライトでポップな和フュージョン。じっくりとスピーカーに対峙して聴き込む系の硬派なフュージョンでは無いが、ながら聴きとして、イージーリスニングとして、BGMとして、リラックスして聴くには最適な和フュージョン盤。硬派なフュージョン者の方々からすると「ありえない」盤かもしれないが、イージーリスニング&ヒーリング志向の和フュージョンとしては良い内容の盤だと思います。
 
 

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2025年11月 3日 (月曜日)

”ヴァンガードのロリンズ” の再発

未だに、ハードバップ時代のリイシューがあるのには驚く。もう、品切れだと思うんだが、レコード会社というのは商魂たくましい。手を変え、品を変え、リイシューし、ジャズ者ベテランを中心に「搾取」を繰り返している(笑)。しかし、リイシューにも、確かに、これは価値があるな、と思われる、素敵なリイシューも存在する。

Sonny Rollins『A Night at The Village Vanguard (The Complete Masters)』(写真左)。1957年11月3日の録音。ブルーノートの1581番。ちなみにパーソネルは、Sonny Rollins (ts), AFTERNOON SET: Donald Bailey (b) Pete LaRoca (ds), EVENING SET: Wilbur Ware (b) Elvin Jones (ds)。エンジニア、ケヴィン・グレイによる最新リマスターを採用した、音質向上のコンプリート盤のリイシュー。

新たに発見された未使用のオリジナル7.5ipsマスターテープからケヴィン・グレイがリマスタリング。これが最大の「ウリ」。確かに音が良い。ロリンズのテナー・サックスは、骨太でブラスの低音が心地良く響いて、音の太さが耳に心地良い。ヴィレッジ・ヴァンガードの客席のど真ん中に座って、聴いているんじゃないか、と錯覚する位の生々しいテナー・サックスの音。未使用のオリジナル・マスターって、こんなに威力があるのだなあ、と感心した。
 

Sonny-rollinsa-night-at-the-village-vang

 
何故、未使用のオリジナル7.5ipsマスターテープが存在したのか。録音技師のルディ・ヴァン・ゲルダーは、自らのスタジオではアンペックス社製の15ipsのテープレコーダーを使用していた。が、これは重い。「ヴァンガード」には、かわりに7.5ips(1秒間に7.5インチ)のデッキを使った。そして、その7.5ipsマスターテープの素材を、自らのスタジオの15ipsのテープにダビングし、マスタリングしている。このダビングの過程で音の劣化が起きた。そして、オリジナル7.5ipsマスターテープが、マスタリングに未使用のまま残った。それが真相らしい。

なので、この『A Night at The Village Vanguard (The Complete Masters)』は、ルディ・ヴァン・ゲルダーのマスタリングの成果では無い。名匠ケヴィン・グレイのマスタリングである。それでは、この『A Night at The Village Vanguard』は、オリジナルとは別物か、といえば、そうじゃ無い。録音されたロリンス・トリオのパフォーマンス音源は同じなのだ。しかも、ケヴィン・グレイのマスタリングは、できる限り、ルディ・ヴァン・ゲルダーのマスタリングのイメージに近づけているみたいなのだ。

よって、この素晴らしい音の『A Night at The Village Vanguard (The Complete Masters)』がリイシューされた。そのライヴ音源の素晴らしさは、「最高の 『A Night At The Village Vanguard」(2014年11月19日の記事)にまとめてあります。とにかく、このライヴ盤でのロリンズは素晴らしい。ロリンズのインプロヴァイザーとしての最高の姿を、このライヴ盤はしっかりと捉え、記録している。しかし、ロリンズがこんなにステージ上でおしゃべりとは思わなかった(笑)。
 
 

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2025年11月 2日 (日曜日)

ジャズ喫茶で流したい・304

プリズム(PRISM)は、和田アキラ(ギター)と渡辺建(ベース)を中心に1975年に結成された、クロスオーバー&フュージョン・バンド。今となっては、マイナーな存在に甘んじているが、結成当時は人気のバンド。インスト重視、高い演奏レベル、ロックをベースに、ジャズ、エスニカン・ミュージック、プログレッシブ・ロックなどを取り込んだ、ロックからアプローチしたクロスオーバー&フュージョン志向の音世界は、唯一無二な個性だった。

PRISM『SURPRISE』(写真左)。1980年の作品。ちなみにパーソネルは、和田アキラ (g), 佐山雅弘(p, key), 渡辺建 (b), 青山純(ds)。プリズムの、ライヴ盤含めて、デビュー以来、4枚目のアルバム。このアルバムから、ピアノ、キーボードに佐山雅弘、ドラムに青山純が参加している。プリズムの音がダイレクトに伝わってくる、プリズムのキャリア上、最高傑作の誉れ高い秀作である。

プリズムの音が特徴的。リズム&ビートの雰囲気を聴くとクロスオーバー&フュージョン・テイストなんだが、フロントのエレギの音はロック・テイスト。バックの演奏の雰囲気がイニシアチヴを取ると演奏全体の雰囲気はクロスオーバー&フュージョン志向になるが、フロントの和田のエレギがイニシアチヴを取り出すと、途端に演奏全体の雰囲気はロック志向になる。
 

Prismsurprise

 
そして、リズム&ビートが、確実に「和クロスオーバー&フュージョン」仕様。ロックからアプローチした、クロスオーバー&フュージョン・ジャズでありながら、米国のクロスオーバー&フュージョン・ジャズに特徴的な「ファンクネス」が感じられないスンナリ&スッキリした、乾いたオフ・ビートが特徴的。明らかに、プリズムは、日本仕様のクロスオーバー&フュージョン・ジャズ・バンドの代表的存在のひとつなのだ。

そんなリズム&ビートが醸し出す独特のグルーヴ感が堪らない。そんな独特のグルーヴに乗って、和田アキラのバカテク・ギターが疾走する、佐山雅弘のキーボードが飛翔する。和田のギターは当初通りロック・テイスト優先なんだが、佐山雅弘のキーボードはジャジーで、この佐山のジャズ志向のフレーズが、プリズムのクロスオーバー&フュージョン志向を色濃くしている。ロック志向の和田のギター、ジャズ志向の佐山のキーボード。この二者のインタープレイが、このアルバムの音世界を決定付けている。

このプリズムの圧倒的な演奏テクニックと整然としたバンド・アンサンブルは、明らかに日本のフュージョン・バンドの個性。このロックからアプローチしたクロスオーバー&フュージョン志向の音世界は、プリズム独特の音世界。ロック・インストの良いところと、クロスオーバー&フュージョン・インストの良いところを併せ持った音世界は、和ジャズの真骨頂。良いアルバムです。
 
 

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2025年11月 1日 (土曜日)

ルーさんのモータウンへの挑戦

本作は、1968年にトランペッターのブルー・ミッチェル、オルガン奏者のチャールズ・アーランド、ギタリストのジミー・ポンダーと録音した作品だが、冒頭の「Say It Loud – I'm Black and I'm Proud」を聴けば、たちどころに判る。この盤は、ルーさんの「R&B志向、モータウン志向のソウル・ジャズ&ジャズ・ファンク」である。

Lou Donaldson『Say It Loud』(写真左)。1968年11月6日の録音。ちなみにパーソネルは、Lou Donaldson (as, vo), Blue Mitchell (tp), Charles Earland (org), Jimmy Ponder (g), Leo Morris (ds)。JB(James Brown)に共感して、カヴァSay It Loud (I'm Black and I'm Proud)ーしてタイトルに冠したと思われ、R&B志向、モータウン志向を協力に押し出した、ルーさんのソウル・ジャズ。

リズム&ビートが「とーん・と−ん・とんとんとんとん」といった、モータウン独特のリズム&ビートに乗って、ルーさん流のソウル・ジャズが展開される。結構、ネットでは酷評されているんだが、爆発的なグルーヴが無い、作られたファンク・ミュージックとか散々に揶揄されているんだが、これはこれで正解なんだけど。

この盤でも、ルーさんは、モータウン志向に走ってはいるけれど、演奏の根っこは「モダン・ジャズ」。モータウンにどっぷり填まれば、体の良いジャズ・ファンクのリズム&ビートを拝借した「イージーリスニング音楽」になってしまう、ことを危惧した結果だと思っている。そう、この盤の根底に流れているのは、ソウル・ジャズであり、ジャズ・ファンク、あくまで「ジャズ」なのだ。

だから、モータウン風の曲のカヴァー演奏になると、腰が動くほどのファンクネスは無いし、グルーヴ感も無い。この盤の根底に流れているのは「ジャズ」であり、爆発的なグルーヴが無い、作られたファンク・ミュージックと言われても仕方が無い内容。
 

Lou-donaldsonsay-it-loud

 
でも、ジャズとして、ハードバップとして捉えると、モータウンって、こうなるのか、というプロトタイプ的内容。演奏内容、演奏レベルに問題があるのでは無い。モータウンをジャズでカヴァるって、いう行為が無茶だということ、無理がある行為だということを、このアルバムは教えてくれる。

冒頭の「Say It Loud (I'm Black and I'm Proud)」のカヴァー演奏が、モータウンのジャズ化の限界だろう。これ以上に、グルーヴを爆発させ、ファンクネスを濃くしたら、モータウンの「イージーリスニング音楽」になってしまう。

ルーさんはジャズマン。このカヴァー演奏でも、しっかり、ジャズに軸足を置いたまま、モータウンのジャズ化にチャレンジしたのではないか、と睨んでいる。

とにかく、有名スタンダード曲、ハードバップとモード・ジャズにこそ、ピッタリと合致した「Summertime」や「Caravan」を、モータウン志向のソウル・ジャズで解釈するのは、あまりに無謀であった。

これは、明らかにプロデュースの誤り。もしかしたら、ルーさんがやりたい、ときかなかったかもしれないが、これがフランシス・ウルフの限界だったのだろう。

この盤は、ルーさんがいかに「純ジャズ」畑のジャズマンだったかを再認識させてくれる。どんなアレンジの演奏にだって、ルーさんは、ジャズに軸足を残したまま、いろいろなアレンジにチャレンジした。ルーさんの純ジャズ志向のジャズマンとしての矜持を感じさせてくれる盤である。
 
 

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 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

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東日本大震災から13年7ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

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  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

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