三宅純の和フュージョン名盤
しかし、素晴らしいリイシューである。とにかく懐かしい。1983年の和フュージョンの名盤である。当時「ジャズ・トランペットの貴公子」ともてはやされた三宅純。日野皓正の一番弟子というだけあって、三宅のトランペットは日野皓正のフォロワーの音。師匠より、エッジが丸くて滑らかなところ、フレーズの作りがポップなところが、三宅のトランペットの個性。
Jun Miyake『June Night Love』(写真左)。1983年の作品。ちなみにパーソネルは、三宅純 (tp, flh), 清水靖晃 (ts), 宮本大路 (ss, ts), 野力奏一(key), 内田浩誠(ac-p, el-p), 秋山一将, 北島健二, 是方博邦 (el-g), 高水健司(el-b), 河原秀夫(ac-b), 日野元彦, 村上秀一 (ds), イヴ (cho) 他。我が国の当時のフュージョン畑の強者が大集結。日野皓正の一番弟子、三宅純のデビュー盤である。
冒頭の「A thoughtful touch」から、タイトで硬派で和フュージョンらしい、極上のフュージョン・ジャズが展開される。1970年代の正統派フュージョンな音作り。決してブラコンに交わらず、決してダンサフルを追求しない。オフビートの8ビートがメインなのに、ファンクネスは限りなく希薄。テクニック優秀。テクニックだけ捉えれば、当時のウェザー・リポートや、チック・コリア・エレクトリック・バンドと引けを取らない。
2曲目の「Could it be real?」などは、和フュージョンの特徴が良く判る演奏で、基本はジャズ・ファンクな演奏なんだが、粘りのあるファンク・ビートは皆無。乾いたファンク・ビートで、切れ味良くカラッとしていて、どちらかと言えば、デジタルチックなビート。テクニックは優秀、歌心もある。1970年代のフュージョン・ジャズの良いところをそのままキープして、和フュージョンの個性を織り込んだ、そんな演奏の数々。
そして、この盤の演奏の面白いところは、曲が進むにつれ、ソフト&メロウなフュージョン色がだんだん薄れていき、ストレート・アヘッドな、メインストリーム志向のコンテンポラリーなエレ・ジャズになっていくところ。ラスト3曲辺りは、エレクトリックでコンテンポラリーな純ジャズといったイメージになっていて、聴き応えがある。素姓確かな硬派なメインストリーム・ジャズ。和フュージョンの懐の深さが窺い知れる。
アンディ・ウォーホル出演のTV-CMに使用されたことで一世を風靡した「Could it be real?」を収録している(2曲目)。1983年から約1年間放送されていたTDKビデオテープのCM。三宅純が音楽を手がけたビデオ/カセットテープのCMは、今も名作として語り継がれている。しかし、当時の和フュージョンのレベル、相当に高い。今回、この盤、聴き直して、改めて感心した。
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