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2025年10月 5日 (日曜日)

ユッコとH ZETTRIOのコラボ

我が国の人気女性サックス奏者の一人、ユッコ・ミラーと、変幻自在の音楽性とステージングで、人気のピアノトリオバンド “H ZETTRIO(エイチ・ゼットリオ)”との完全コラボの企画盤。現代の和ジャズにおける、硬派でメインストリーム志向のコンテンポラリー・ジャズの最先端の音世界。和ジャズの「今」をビンビンに感じることの出来る好盤である。

ユッコ・ミラー feat. H ZETTRIO『LINK』(写真左)。2024年12月のリリース。ちなみにパーソネルは、ユッコ・ミラー (as), H ZETTRIO : H ZETT M (p, key), H ZETT NIRE (b), H ZETT KOU (ds)。

ユッコ・ミラーのアルト。サックスがフロント1管の「ワンホーン・カルテット」。ユッコ・ミラーが「H ZETTRIOと一緒にアルバムを作りたい」という熱い想いが実現した、実に興味深いコラボレーション企画。

H ZETTRIO=「エイチゼットリオ」と読む。純日本のジャズ・ピアノ・トリオ。「大人も子どもも“笑って踊れる”」をテーマに掲げるピアノトリオ・バンドである。メンバー3名は、鼻を青・赤・銀に着色。ちなみにパーソネルは、H ZETT M (p:青鼻), H ZETT NIRE (b:赤鼻), H ZETT KOU (ds:銀鼻)。リアルな姓名は伏せられている。

メロディー・ラインがキャッチャーで流麗。演奏の雰囲気はポップでジャジー。ダンサフルで明朗なサウンド・トーン。とにかく聴き易い。加えて、このピアノ・トリオ、演奏のポテンシャルが高い。テクニックのレベルが高い。聴いていて、アドリブ・フレーズなど「流麗」の一言。ではあるが、演奏のテンションは高い。アグレッシブである。ポップでジャジーではあるが「攻めるピアノ・トリオ」である。
 

Feat-h-zettriolink 

 
ユッコ・ミラーは、我が国の実力派サックス奏者。エリック・マリエンサル、川嶋哲郎、河田健に師事。19歳でプロデビュー。 2016年9月、キングレコードからファーストアルバム「YUCCO MILLER」を発表し、メジャーデビュー。10万人を超えるチャンネル登録者数が今なお増え続け、「サックスYouTuber」としても爆発的な人気を誇る。

彼女の奏でる音楽スタイルは、ファンク&フュージョン、そして、コンテンポラリー・ジャズ。意外と硬派な一面が垣間見えるところが頼もしい。流麗なサックスで聴き易くはあるが、決してイージーリスニング・ジャズには走らない。カラフルでド派手なルックスだけで、決して「キワモノ」と思うなかれ。流麗かつ力強さがあるレベルの高いブロウ。聴き応え充分である。

そんなユッコ・ミラーとH ZETTRIOとが、がっちりタッグを組んで、和ジャズにおける硬派でメインストリーム志向の、素晴らしいコンテンポラリー・ジャズを展開する。決して、ソフト&メロウなフュージョンやジャズ・ファンクを想起してはならない。メインストリーム志向のジャズに軸足を置いているところが実に潔い。

収録されている全10曲のうち、半分の5曲をユッコ・ミラーが、残りの5曲をH ZETT Mが作曲、アレンジは全曲H ZETTRIOが担当。しかし、それぞれの曲毎の統一感は半端なく、ユッコ・ミラー + H ZETTRIO の演奏力の高さとアレンジ力の ”賜もの” だろう。ユッコ・ミラーとH ZETTRIOとが創り上げる、個性的でエキサイティングなグルーヴは聴き応えがある。

次作が期待出来るなあ、次作はあるかなあ、と思っていたら、今年の9月17日に、コラボ第2章『Dazz On』がリリースされた。いろいろ、バタバタしていて、なかなか入手に至らなかったが、昨日、やっと入手。今度はどんな音世界が展開されているのか、楽しみである。
 
 

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