« BNのスピリチュアル盤の秀作 | トップページ | 清水靖晃『案山子』を再聴する »

2025年10月26日 (日曜日)

野力奏一『Noriki』を再び聴く

日本のフュージョン・ジャズは、決して、米国のフュージョン・ジャズのフォローでは無かった。米国フュージョンのエッセンスを取り込みつつ、独自の深化を遂げている。ファンクネスの希薄さ、純ジャズ・テイストの折り込み、クロスオーバー・ジャズ志向の継承。AORとの融合。米国フュージョン・ジャズに無い、独特の個性で、日本のフュージョン・ジャズは深化し続けている。

野力奏一『Noriki』(写真左)。1983年の作品。ちなみにパーソネルは、野力奏一 (key), 酒井春雄 (sax), 田附透,中井浩二 (el-g), 久末隆二 (el-b), 今泉正義 (ds)。ゲストミュージシャンとして、数原晋 (tp), 平内保夫 (tb), 斉藤ノブ (perc), イブ, 国分友里恵 (vo)。

本多俊之&バーニング・ウェイブ、山下達郎ツアーへの参加、阿川泰子、伊藤君子、チャリート等、数多くのアーティストのアルバムにピアニスト、アレンジャーとして参加で名を馳せた、野力奏一の初リーダー作。

明らかに、日本のフュージョン・ジャズらしい音世界。日本のフュージョン・ジャズの個性である「ファンクネスの希薄さ、純ジャズ・テイストの折り込み、クロスオーバー・ジャズ志向の継承、AORとの融合」がしっかりと反映されている。当然、演奏テクニックのレベルは高く、レベルの高い演奏は、カラッとした「爽快感」を醸し出している。
 

Noriki  
 

収録されたどの曲も良い曲ばかり、そんな好曲に恵まれて、野力奏一の軽快なピアノが唄いまくっている。とにかく、歌心満点でテクニカル、爽快に疾走する野力のピアノは聴き応え抜群。

酒井のサックスも、そんな野力のピアノに触発されたのか、ブリリアントに唄いまくっている。久末&今泉のリズム隊も、タイトで堅実で爽やか。クロスオーバー・ジャズの志向を弾き継いで、AORなソフト&メロウを溶け込ませている。

冒頭の「You Need Me」は歌モノ、格好良いフュージョン・ソウル。3曲目「Black Duck」は、スラップ・ベースが炸裂するファンキー・ブギー。4曲目「Cozy's Melody」は極上のAOR志向のアーバンな雰囲気が芳しいインスト・ナンバー。そして、ラス前「Do What You Do」は、ソフト&メロウなフュージョン・ブギー、歌モノ「Do What You Do」。和フュージョン独特の雰囲気を宿したナンバーが目白押し。

この野力奏一『Noriki』は、日本のフュージョン、いわゆる「和フュージョン」の深化の完成形の一つを音にした、和フュージョンの秀作の一枚である。なかなかCDリイシューされなかったが、昨年11月、やっと、CDリイシューが実現、現在では、ストリーミング・サイトでも、気軽に聴くことが出来る様になった。良い時代になったものである。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年7ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

« BNのスピリチュアル盤の秀作 | トップページ | 清水靖晃『案山子』を再聴する »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« BNのスピリチュアル盤の秀作 | トップページ | 清水靖晃『案山子』を再聴する »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー