« ミッチェルの ”時代の先取り盤” | トップページ | ジャズ喫茶で流したい・302 »

2025年10月18日 (土曜日)

『ウィーン・コンサート 2016』

キース・ジャレットは、2016年の欧米8都市ピアノソロツアーの後、2017年2月15日ニューヨーク・カーネギーホールでのソロコンサートを最後に活動を休止し、ニュージャージー州の自宅で穏やかに暮らしている。今回は、キースが80歳の誕生日を迎えたことを記念し、最後の欧州ソロ・ツアーからの未発表ライヴ音源がリリースされた。今年の6月のことである。

Keith Jarrett『New Vienna』(写真左)。邦題『ウィーン・コンサート 2016』。2016年7月9日、ウィーンの「Goldener Saal, Musikverein」(学友協会黄金大ホール)でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Keith Jarrett (p) のみ。ソロ・ピアノによる(現時点での)最後の欧州ツアー中、オーストリアのウィーンでのコンサートの模様を収めた未発表ライヴ音源である。

同じ欧州ツアーからは7月3日の『ブダペスト・コンサート』,7月6日の『ボルドー・コンサート』が先行リリースされているので、その流れに続くものになる。また、ウィーンでのライヴ録音としては、1991年にウィーン国立歌劇場で録音された『Vienna Concert』をリリースしている。ただし、内容的には因果関係は全く無い。
 

Keith-jarrettnew-vienna

 
このアルバムには9曲の即興演奏と1曲のスタンダード「Somewhere Over The Rainbow(虹の彼方に)」が収録されている。このソロ・ピアノ演奏では、キースのソロ・ピアノの歴史を感じることが出来る様な、バリエーション豊かな内容になっていて、キース者の我々にとっては、ノスタルジーを感じつつ、じっくりと楽しめる内容になっている。

冒頭のワンフレーズから「キースの音」。端正で歯切れ良く明晰なタッチで、最初は、硬派に不協和音とアブストラクトな幾何学的フレーズで「一発かます」。現代音楽寄りで実験色の濃いアプローチが哲学的であり、ビター・スイートなバラード表現もいかにもキースらしい。パルシヴでリズミカルなグルーヴがニュー・エイジっぽくもあり、一転、耽美派ロマンティストの極みのマイルドな展開もあり。ウィーンで、ゴスペル・フォーキーな節回しが出てくるのは嬉しい限り。

全10曲70分弱、コンパクトにまとまった、キースのソロ・ピアノの「ショーケース」の様な内容に、思わず聴き入り、思わずリピートしてしまう。ラストの定番曲「Somewhere Over The Rainbow(虹の彼方に)」が儚くも美しい。このライヴ盤については、例の「唸り声」も少なく、優しさと穏やかさが全体を覆うライヴ・パフォーマンスはいつ聴いても、何度聴いても良い。キース者には必須アイテム。好盤です。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年7ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

« ミッチェルの ”時代の先取り盤” | トップページ | ジャズ喫茶で流したい・302 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ミッチェルの ”時代の先取り盤” | トップページ | ジャズ喫茶で流したい・302 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー