BNのイージーリスニング盤です
硬派な老舗ジャズ・レーベルのブルーノート。4200番台も後半になると、大衆受けする「売れる」盤だけを狙った、イージーリスニング志向のジャズ盤を制作する様になる。とにかく「聴き心地」優先、ジャズのアーティスティックな面を封印し、ポップ度を高める為に、ジャジーなリズム&ビートを活用し、ストリングスをオーバーダビングする。ほとんど、イージーリスニングなアルバムも制作していた。
Stanley Turrentine『Always Something There』(写真左)。1968年10月の録音。ブルーノートの4298番。ちなみにパーソネルは以下の通り。フレンチ・ホルン入り小ビッグバンド編成。ここに、ストリングスをオーバーダビングしている。ただし、波ー祖ネルを見渡すと、ジェローム・リチャードソン、サド&ハンク・ジョーンズ、ケニー・バレル、ハービー・ハンコック、メル・ルイス、ミッキー・ローカーなど、当時のメインストリーム系の一流ジャズマンが多く参加している。
Stanley Turrentine (ts), Burt Collins (flh), Jimmy Cleveland (tb), Jerry Dodgion (as, fl, cl), Jerome Richardson (ts, fl cl), Thad Jones (tp, arr), Kenny Burrell (g), Barry Galbraith (g, tracks 2, 10), Hank Jones (p, tracks 2, 3, 5-8, 10), Herbie Hancock (p, tracks 1, 4, 9), Bob Cranshaw (b), Mel Lewis (ds, tracks 1, 2, 4, 9 & 10), Mickey Roker (ds, tracks 3, 5-8), Dick Berg, Jim Buffington, Brooks Tillotson (French horn)。
しかし、冒頭の「(There's) Always Something There to Remind Me」から、あ〜遂に、ブルーノート・レーベルも、ここまで俗っぽくなってしまったか、と苦笑いする。軽快なブラスのユニゾン&ハーモニー、小洒落たポップなビッグバンド・サウンド、途中、ストリングスがオーバーダビングされて、もう、これは、ジャズなリズム&ビートをベースにした「イージーリスニング音楽」。
演奏自体は、当時のメインストリーム系の一流ジャズマンが多く参加しているんで、カッチリとまとまっているし、楽器の響きも良い。でも、いかんせんアレンジがポップで俗っぽい。アレンジは誰か、と確認したら、サド・ジョーンズ。意外。サドもこんな俗っぽいポップでライトなビッグバンド・アレンジをするんだ、と変に感心する。
レノン&マッカートニーの「Hey Jude」「The Fool on the Hill」、ドアーズの「Light My Fire」など、ロックのヒット曲のカヴァーが入っていたり、フィフス・ディメンションの「Stoned Soul Picnic」が入っていたり、とにかく、一般大衆の訴求する、大衆受け狙いのイージーリスニング盤である。ただし、オーバーダビングされたストリングス以外のジャズマンの演奏はしっかりしているので、聴き心地は良い。ながら聴きのジャズ盤としては良い内容かもしれない。
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