ソウル・ジャズなピアノ・トリオ
ブルーノートというレーベルは、いつの時代も懐が深い。1967年という時代でも、硬派な純ジャズ志向のモード・ジャズや、フリー・ジャズ、アヴァンギャルド・ジャズ、があれば、大衆にアピールするファンキー・ジャズ、ジャズロック、そして、ソウル・ジャズにもしっかり対応していたりする。つまり、その時代時代でのジャズ演奏のトレンドをしっかりと把握し、いち早く録音していたレーベルである。
The Three Sounds『Live at the Lighthouse』(写真左)。1967年6月9–10日、カリフォルニアのライトハウス・クラブでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Gene Harris (p, org), Andrew Simpkins (b), Donald Bailey (ds)。ブルーノート・レーベルが企画した、お抱えピアノ・トリオのスリー・サウンズの、ライムライトからのカムバック後、初のライヴ録音である。
スリー・サウンズは、もともとはファンキー・ジャズをベースとしたピアノ・トリオ。テクニックとアレンジが優秀なので、ファンクネスが前面に出ず、メインストリーム志向のトリオ演奏が印象的なピアノ・トリオだった。そして、ブルーノートでは、『It Just Got To Be』(1960年12月13–14日の録音)で、ファンキー・ジャズからソウル・ジャズへの転換の記録を残している。
で、このライヴ盤に記録されているサウンドは、明らかに「ソウル・ジャズ」である。ファンキー・ジャズより「ポップなアレンジ」を施したジャズで、ファンクネスは濃厚、R&Bの音要素も反映した、ダンサフルでオフビートの効いたジャズ。これを、テクニック豊か、アレンジ優秀なスリー・サウンズが、大盛り上がりで、ガンガンに演奏を進めて行く。
アーシーな渋い渋いジャズ・ファンクの「Still I'm Sad」、ブルース・フィーリングが心に沁みる「Summertime」、ソウル・ジャズの味付けが粋な「Blues March」、ボートラの恩恵のソウルフルな「C Jam Blues」、当時、あちらこちらでカヴァーされていたポップスソング「Sunny」など、好演につぐ公園を収録した臨場感溢れる初のライヴ・アルバムである。
ソウル・ジャズのアルバムは、どうしても大衆に訴求すべく、ラウンジ・ジャズっぽく、果てはイージーリスニング・ミュージックに陥ったりする傾向があるのだが、このスリー・サウンズのライヴ盤は違う。このライヴ盤、我が国ではほとんど見向きされていないのだが、とてもジャズしている、ソウル・ジャズの好盤だと思う。さすが、ブルーノートと、ブルーノートの懐の深さを再認識した。
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