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2025年9月19日 (金曜日)

タレンタインの ”漆黒ソウル”

タレンタインの漆黒ファンキー・テナーが、ジャズロック〜ソウル・ジャズの中で疾走する。バラードでは漆黒ファンキー・テナーが情感溢れ、歌心満点のアーバン・ブロウをキメる。オールド・スタイルではない、かといって、コルトレーンの様なニュー・スタイルでもない。その中間をいく、タレンタインの漆黒ファンキー・テナーが良い形で出た、良い演奏がズラリ6曲。

Stanley Turrentine『Easy Walker』(写真左)。1966年7月8日の録音。ブルーノートの4268番。ちなみにパーソネルは、Stanley Turrentine (ts), McCoy Tyner (p, el-p), Bob Cranshaw (b), Mickey Roker (ds)。タレンタイン自ら、ブルーノート時代の作品の中でベストの1枚、とのコメント残しているジャズロック〜ソウル・ジャズの傑作。タレンタインのテナー1管のいわゆる「ワンホーン・カルテット」。

CDリイシュー時、ボートラが5曲追加されている。ボートラの5曲は、初出の6曲と、録音時期も違うし、パーソネルも異なる。ということで、今回のブログ記事は、LP時代の初出の6曲をメインに進めて行きたい。

オリジナル盤として聴く必要がある場合、CDリイシュー時のボートラというのは、はっきり言って邪魔になる。この盤については、まだ冒頭の1曲目から6曲目までがオリジナル盤と同じ曲順。7曲目以降が、録音時期も異なる、パーソネルも異なるボートラで、ここに持って来た意図が判らない。
 

Stanley-turrentineeasy-walker

 
ほど良くリラックスした吹奏のタレンタインは無敵である。冒頭「Meat Wave」では、ジャズロックのビートに乗って、警戒に疾走する。2曲目の「They All Say I'm the Biggest Fool」は、バディ・ジョンソンの1946年ヒットのR&Bナンバーのカヴァー。こういったブルージーでアーバンなバラードを吹かせたら、タレンタインは天下一品。3曲目の「Yours Is My Heart Alone」は、軽快でスインギーな演奏で、軽やかなタレンタインのテナーも魅力。

4曲目「Easy Walker」は、ピアニスト、ビリー・テイラーのファンキー・テイスト溢れる佳曲で、ミッド・テンポの漆黒ファンキー・テナーに惚れ惚れする。5曲目の「What the World Needs Now」は、バカラック・ナンバーで、唄う様にテナーを吹き上げる様はポップ&メロウ。そして、ラストの「Alone Together」は、ミュージカル曲のカヴァー。軽快でミッド・テンポの中、ハードバップなアドリブ展開で、判り易く軽やかに、アドリブ・フレーズを吹きまくるタレンタインが印象的。

バックでは、全編に渡って、軽快なファンキー・ジャズ・ピアノを聴かせるマッコイ・タイナーが印象に残る。左手のビートが効いていて、バンド演奏全体のリズム&ビートがグッと引き締まる。このアルバム全体の適度なテンションと、逆に適度な「間」を与えているのは、このタイナーのピアノに他ならない。

ジャズロック〜ソウル・ジャズのタレンタイン。特に、ソウル・ジャズ志向の演奏については、この盤でほぼ完成の域に達しているのでは無いか。アレンジも決まっているし、演奏全体のレベルも高い。ジャズロック〜ソウル・ジャズ志向なので「俗っぽい」といって敬遠するのは勿体ない。タレンタインのソウル・ジャズの傑作である。
 
 

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