タレンタインの ”漆黒ソウル”
タレンタインの漆黒ファンキー・テナーが、ジャズロック〜ソウル・ジャズの中で疾走する。バラードでは漆黒ファンキー・テナーが情感溢れ、歌心満点のアーバン・ブロウをキメる。オールド・スタイルではない、かといって、コルトレーンの様なニュー・スタイルでもない。その中間をいく、タレンタインの漆黒ファンキー・テナーが良い形で出た、良い演奏がズラリ6曲。
Stanley Turrentine『Easy Walker』(写真左)。1966年7月8日の録音。ブルーノートの4268番。ちなみにパーソネルは、Stanley Turrentine (ts), McCoy Tyner (p, el-p), Bob Cranshaw (b), Mickey Roker (ds)。タレンタイン自ら、ブルーノート時代の作品の中でベストの1枚、とのコメント残しているジャズロック〜ソウル・ジャズの傑作。タレンタインのテナー1管のいわゆる「ワンホーン・カルテット」。
CDリイシュー時、ボートラが5曲追加されている。ボートラの5曲は、初出の6曲と、録音時期も違うし、パーソネルも異なる。ということで、今回のブログ記事は、LP時代の初出の6曲をメインに進めて行きたい。
オリジナル盤として聴く必要がある場合、CDリイシュー時のボートラというのは、はっきり言って邪魔になる。この盤については、まだ冒頭の1曲目から6曲目までがオリジナル盤と同じ曲順。7曲目以降が、録音時期も異なる、パーソネルも異なるボートラで、ここに持って来た意図が判らない。
ほど良くリラックスした吹奏のタレンタインは無敵である。冒頭「Meat Wave」では、ジャズロックのビートに乗って、警戒に疾走する。2曲目の「They All Say I'm the Biggest Fool」は、バディ・ジョンソンの1946年ヒットのR&Bナンバーのカヴァー。こういったブルージーでアーバンなバラードを吹かせたら、タレンタインは天下一品。3曲目の「Yours Is My Heart Alone」は、軽快でスインギーな演奏で、軽やかなタレンタインのテナーも魅力。
4曲目「Easy Walker」は、ピアニスト、ビリー・テイラーのファンキー・テイスト溢れる佳曲で、ミッド・テンポの漆黒ファンキー・テナーに惚れ惚れする。5曲目の「What the World Needs Now」は、バカラック・ナンバーで、唄う様にテナーを吹き上げる様はポップ&メロウ。そして、ラストの「Alone Together」は、ミュージカル曲のカヴァー。軽快でミッド・テンポの中、ハードバップなアドリブ展開で、判り易く軽やかに、アドリブ・フレーズを吹きまくるタレンタインが印象的。
バックでは、全編に渡って、軽快なファンキー・ジャズ・ピアノを聴かせるマッコイ・タイナーが印象に残る。左手のビートが効いていて、バンド演奏全体のリズム&ビートがグッと引き締まる。このアルバム全体の適度なテンションと、逆に適度な「間」を与えているのは、このタイナーのピアノに他ならない。
ジャズロック〜ソウル・ジャズのタレンタイン。特に、ソウル・ジャズ志向の演奏については、この盤でほぼ完成の域に達しているのでは無いか。アレンジも決まっているし、演奏全体のレベルも高い。ジャズロック〜ソウル・ジャズ志向なので「俗っぽい」といって敬遠するのは勿体ない。タレンタインのソウル・ジャズの傑作である。
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
★ AORの風に吹かれて
★ まだまだロックキッズ 【New】 2024.01.07 更新
・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
記事をアップ。
★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新
・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
の記事をアップ。
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
東日本大震災から13年6ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
« ジャズ喫茶で流したい・297 | トップページ | 管入りジミー・スミスの優秀盤 »




コメント