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2025年9月21日 (日曜日)

ローチの ”ビ・バップ振り返り”

フロントがトランペットとテナー・サックスの2管、ピアノレスのカルテット編成での演奏になる。ちなみに、ローチがピアノ無しで演奏した最初のアルバムでもある。クリフォード・ブラウン急逝後、ソニー・ロリンズとケニー・ドーハムを迎えてスタートした、マックス・ローチ・カルテットであったが、テナーのロリンズが脱退して、その後、テナーの後任に、ジョージ・コールマンとハンク・モブレーのどちらにするか、試行錯誤していた時代のリーダー作になる。決して、コールマンとモブレーのテナーを比較しようとする企画盤では無い。

『The Max Roach 4 Plays Charlie Parker』(写真左)。1957年12月23日と1958年4月11日の録音。パーソネルは、以下の通り。リーダーのマックス・ローチのドラムと、ケニー・ドーハムのトランペットは2つの録音に共通。テナー・サックスとベースが、それぞれの録音で代わる。1957年12月23日の録音のパーソネルは、Hank Mobley (ts), Kenny Dorham (tp), George Morrow (b), Max Roach (ds)。1958年4月11日の録音のパーソネルは、George Coleman (ts), Kenny Dorham (tp), Nelson Boyd (b), Max Roach (ds)。

テナーの後任を選ぶ過程で、次に制作するアルバムのコンセプトとして、ローチが選んだのが「チャーリー・パーカー」。ローチのドラミングは、ビ・バップで育まれた「バップ・ドラミング」。ここで、今一度、自分のドラミングの原点である、ビ・バップに戻ってみる、つまり「チャーリー・パーカー」ゆかりの楽曲をやることで、自らがやりたい、表現したいジャズとは何か、を再確認している様な内容に僕は感じる。
 

The-max-roach-4-plays-charlie-parker

 
まず、リーダーのローチのドラミングであるが、さすがである。ビ・バップなドラムを味わい深いテクニックで叩きまくる。ハードバップな雰囲気でビ・バップなドラムを叩く。それが、この盤でのローチのドラミング。フロント2管を引き立て鼓舞するバップ・ドラミングは一聴に値する。ジャズ・ドラムのスタイリストの1人の圧倒的パフォーマンスが、この盤に聴くことが出来る。

録音日によって交代するテナー・サックス、モブレーとコールマン、どちらがどうかと言えば、甲乙付けがたい。どちらもバップなテナーは得意だし、チャーリー・パーカーの曲にも順応する。端正で新鮮な響きとしてはコールマン、個性的な吹奏を楽しめるモブレー。そして、ベーシストについては、こちらも全く甲乙付けがたい。ベース自体のソリッドで重低音な音の響き、弾力ある力感溢れるウォーキング・ベース、両者ともなかなかのパフォーマンスで楽しませてくれる。

マックス・ローチが、自らの「音の原点」である、ビ・バップに立ち返って、「チャーリー・パーカー」ゆかりの楽曲をやることで、自らがやりたい、表現したいジャズとは何か、を再確認したかのような「セッションの記録」であり、その内容の良さから、ハードバップの雰囲気の中でのビ・バップな演奏が楽しめる、なかなか面白い趣向のアルバム内容になっている。
 
 

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