アヴァンギャルドなマクリーン『New And Old Gospel』
ジャキー・マクリーンとオーネット・コールマンの共演。ジャキー・マクリーンのメイン楽器は、アルト・サックス。オーネットのメイン楽器と被るので、この盤では、オーネットはトランペットを吹いている。テクニックはそれほどでもないけれど、オーネット流のアドリブ・フレーズを吹く分には、問題が無いのだろう。
Jackie McLean『New And Old Gospel』(写真左)。1967年3月24日の録音。ブルノートの4262番。ちなみにパーソネルは、Ornette Coleman (tp); Jackie McLean (as), Lamont Johnson (p), Scott Holt (b), Billy Higgins (ds)。オーネット・コールマンが客演してトランペットを吹く、ジャキー・マクリーン率いるクインテット編成。
冒頭の長尺、21分を越える大作メドレーは「Lifeline Medley: Offspring / Midway / Vernzone / The Inevitable End」。基本はオーネット流のフリー・ジャズに聞こえるが、マクリーンのアルト・サックスのフレーズにしろ、ラモント・ジョンソンのピアノにしろ、必要最低限の取り決めは守っているが、その展開は、マクリーンのアルト・サックスのフレーズはマクリーン流だし、ラモントのピアノも同様。フリーでアヴァンギャルドな展開は聴きものである。
2曲目の「Old Gospel」は、タイトル通り、ゴスペル調のご機嫌なソウル・ジャズ。テーマ部はご機嫌なゴスペル調な演奏だが、アドリブに入ると、モードな吹き回しのアドリブ展開になり、オーネット流吹き回しのアドリブ展開になる。マクリーンのアルト・サックスは絶好調、血管ぶち切れ、アヴァンギャルドでフリーなアドリブを吹きまくるが、オーネットは自分の担当楽器でないトランペットを吹いている、とは聞こえが良いが、テクニック的にはあまり上手でないコールマンのトラペットである。
3曲目はまだコールマン流のフリー・ジャズに舞い戻るが、必要最低限の取り決めは守っているが、その展開は、マクリーンのアルト・サックスのフレーズはマクリーン流だし、ラモントのピアノも同様。音の作りは、あくまで、この盤を聴いていて、ちょっと耳を奪われるのが、ラモント・ジョンソンのピアノ。どこかマッコイ・タイナーの様ではあるが、重心的には軽めのビートで、タイナーのタッチより切れ味良く、躍動感がある。
この盤の内容は面白い。コールマン流フリー・ジャズとゴスペル風味のソウル・ジャズの2種類の、決して相容れることの無い、それぞれ異なるジャズを気持ち良くやる、という内容は、ユニークというか、何というか(笑)。そんな異質な編集の盤の中、マクリーンのアルト・サックスが、「マクリーンの考えるフリー&アヴァンギャルド」といった風情の「絶好調、血管ぶち切れ」の圧倒的なフレーズを吹きまくって、この盤に統一感を与えているのは立派である。
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