« ジャズ喫茶で流したい・293 | トップページ | ブルーノートの ”初ウィルソン” »

2025年8月12日 (火曜日)

シルヴァー流 ”ソウルの色づけ”

前作『The Cape Verdean Blues』は、ファンキー仕立てのモーダルなフレーズ。そして、そこにワールド・ミュージック風のエキゾチックなメロディーが乗っかって、モード・ジャズの代表的展開を聴かせてくれた。次作のこの『The Jody Grind』も、その路線を踏襲するかと思いきや、ワールド・ミュージック風のエキゾチックなメロディーを薄めて、ソウル・ジャズの要素を導入してきた。

Horace Silver『The Jody Grind』(写真左)。1966年11月2日の録音。ブルーノートの4250番。ちなみにパーソネルは、Horace Silver (p), Woody Shaw (tp), Tyrone Washington (ts), James Spaulding (as), Larry Ridley (b), Roger Humphries (ds)。ウディ・ショウのトランペットとタイロン・ワシントンのテナー・サックス、ジェームス・スポルディングのアルト・サックスがフロント3管のセクステット編成のホレス・シルヴァーのリーダー作。

基本は、モードを導入した、ハードバップとモードのハイブリッドなファンキー・ジャズ。リズム&ビートはファンキー・ジャズそのままに、フロント2管とシルヴァーのピアノのソロ・パフォーマンスに「ソウル・ジャズ」の要素を忍ばせる、そんな「慎重な」アプローチを採用している。そうそう、ジャケもちょっと「ソウル・ジャズっぽく」しているところが可愛い(笑)。
 

Horace-silverthe-jody-grind  
 

どっぷりソウル・ジャズに迎合せず、シルヴァー流の「ハードバップとモードのハイブリッドなファンキー・ジャズ」に、流行の色づけにソウル・ジャズの要素を忍ばせている、そんな感じの内容。奥ゆかしいと言ったらよいのか、なんと言ったら良いのか(笑)。どっぷりソウル・ジャズに転身しないところが、シルヴァーの「矜持」だし、といって、趣味良く、当時の流行だったソウル・ジャズの要素を小粋に添加する。これもまたシルヴァーの「矜持」。

冒頭のタイトル曲「The Jody Grind」は、シルヴァー流ファンキー・ジャズの雰囲気を踏襲したジャズロック。ショウとワシントンの2管フロントが良い感じで飛ばす。2曲目の「Mary Lou」、続く「Mexican Hip Dance」辺りが、シルヴァー流の「ハードバップとモードのハイブリッドなファンキー・ジャズ」に、流行の色づけにソウル・ジャズの要素を忍ばせている、の部分。

俗っぽくなく、ソウルにどっぷり浸かること無く、シルヴァー流のファンキー・ジャズの「矜持」を持って、ソウル・ジャズの要素を趣味良く忍ばせる。これが、実にシルヴァーらしくて良い。ファンキー・ジャズを離れたシルヴァーはシルヴァーでは無い。このアルバムの様に、シルヴァー流ファンキー・ジャズに、奥ゆかしくソウル・ジャズの色づけをして、当時の流行に反応する。これが実に「粋」。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年4ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

« ジャズ喫茶で流したい・293 | トップページ | ブルーノートの ”初ウィルソン” »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ジャズ喫茶で流したい・293 | トップページ | ブルーノートの ”初ウィルソン” »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー