シルヴァー流 ”ソウルの色づけ”
前作『The Cape Verdean Blues』は、ファンキー仕立てのモーダルなフレーズ。そして、そこにワールド・ミュージック風のエキゾチックなメロディーが乗っかって、モード・ジャズの代表的展開を聴かせてくれた。次作のこの『The Jody Grind』も、その路線を踏襲するかと思いきや、ワールド・ミュージック風のエキゾチックなメロディーを薄めて、ソウル・ジャズの要素を導入してきた。
Horace Silver『The Jody Grind』(写真左)。1966年11月2日の録音。ブルーノートの4250番。ちなみにパーソネルは、Horace Silver (p), Woody Shaw (tp), Tyrone Washington (ts), James Spaulding (as), Larry Ridley (b), Roger Humphries (ds)。ウディ・ショウのトランペットとタイロン・ワシントンのテナー・サックス、ジェームス・スポルディングのアルト・サックスがフロント3管のセクステット編成のホレス・シルヴァーのリーダー作。
基本は、モードを導入した、ハードバップとモードのハイブリッドなファンキー・ジャズ。リズム&ビートはファンキー・ジャズそのままに、フロント2管とシルヴァーのピアノのソロ・パフォーマンスに「ソウル・ジャズ」の要素を忍ばせる、そんな「慎重な」アプローチを採用している。そうそう、ジャケもちょっと「ソウル・ジャズっぽく」しているところが可愛い(笑)。
どっぷりソウル・ジャズに迎合せず、シルヴァー流の「ハードバップとモードのハイブリッドなファンキー・ジャズ」に、流行の色づけにソウル・ジャズの要素を忍ばせている、そんな感じの内容。奥ゆかしいと言ったらよいのか、なんと言ったら良いのか(笑)。どっぷりソウル・ジャズに転身しないところが、シルヴァーの「矜持」だし、といって、趣味良く、当時の流行だったソウル・ジャズの要素を小粋に添加する。これもまたシルヴァーの「矜持」。
冒頭のタイトル曲「The Jody Grind」は、シルヴァー流ファンキー・ジャズの雰囲気を踏襲したジャズロック。ショウとワシントンの2管フロントが良い感じで飛ばす。2曲目の「Mary Lou」、続く「Mexican Hip Dance」辺りが、シルヴァー流の「ハードバップとモードのハイブリッドなファンキー・ジャズ」に、流行の色づけにソウル・ジャズの要素を忍ばせている、の部分。
俗っぽくなく、ソウルにどっぷり浸かること無く、シルヴァー流のファンキー・ジャズの「矜持」を持って、ソウル・ジャズの要素を趣味良く忍ばせる。これが、実にシルヴァーらしくて良い。ファンキー・ジャズを離れたシルヴァーはシルヴァーでは無い。このアルバムの様に、シルヴァー流ファンキー・ジャズに、奥ゆかしくソウル・ジャズの色づけをして、当時の流行に反応する。これが実に「粋」。
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