ボッサ名盤「愛と微笑みと花」
ボサノヴァ・ジャズというか、このアルバムは、純粋なボサノヴァ・ミュージックのアルバムである。オリジナル収録曲だけだと収録時間は約20分と短いが、この盤の様な、本場のボサノヴァ・ミュージックを体感してから、ボサノヴァ・ジャズを聴いて欲しいと思っている。
Joao Gilberto『O Amor, O Sorriso E a Flor』(写真左)。1961年の作品。ちなみにパーソネルは、Joao Gilberto (g, vo)、unknown Strings Orchestra。邦題「愛と微笑みと花」(直訳である)。ボサノヴァの神様、ジョアン・ジルベルトのセカンド・アルバム。この盤には、ボサノヴァ・ミュージックの真髄がてんこ盛り。
この盤とかで、真のボサノヴァ・ミュージックをしっかりと体感することにより、ジャズによるボサノヴァの取り込みの塩梅とか、アレンジの上手さとかが理解出来る様になるかと思う。この盤のリリース年は1961年。ボサノヴァがまさに誕生した当時の雰囲気と、その当時のジョアンのボサノヴァな雰囲気溢れるボーカル、既に完成の域に達しているギターの奏法などが確認出来る。
サンバのギターや歌い方から、サンバのエッセンスやボッサなフィーリングを抽出した、新しいサンバのスタイルを創出したのが「ボサノヴァ・ミュージック」なのだが、このアルバムに入っているボサノヴァ・ミュージックを聴けば、サンバ・ミュージックとの違いも判るし、ジャズとの融合、ボサノヴァのジャズ化の場合、どういう雰囲気を前面に出せば、ボサノヴァ・ジャズとなるかが良く判る。
ジョアンの代表曲「オパト」「ドラリセ」をはじめ、ジョビンの名曲「ワンノートサンバ」「メディテーション」「コルコヴァード」等名曲揃い。アコースティック・ギターの奏でる「自然音」の如き、風や波を感じるリズム&ビートと、「息継ぎ」をも歌唱に変えるジョアンのボサノヴァ・チックなボーカル・テクニックが見事。
ボサノヴァの演奏とボーカルの基本がこの盤に詰まっている。ソフト&メロウで聴き心地を第一としたボサノヴァ・ミュージック。ハードバップが、とかく演奏テクニックやコード・チェンジとの戦いがメインとなり、一般大衆への訴求が疎かになり始めた時代に、ボサノヴァとジャズの融合を試みることは、ジャズの「音楽」としての福音となったに違い無い。
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