ジャズ喫茶で流したい・291
ジャズ・ベースの哲人、チャーリー・ヘイデン。ヘイデンは、米国のベース奏者。1957年からロサンゼルスにて活動を始め、1959年、オーネット・コールマンのカルテットに参加。コールマンのアルバム『ジャズ来るべきもの』に参加し、そに名を知られるようになる。
1967年より、キース・ジャレット・アメリカン・カルテットに参加。1969年、カーラ・ブレイらとリベレーション・ミュージック・オーケストラを結成。以降、モード・ジャズ、ニュー・ジャズなど、録音のレーベルの特色に合致した、ソリッドで流麗な骨太ベースで、人気を集める。2014年7月、76歳で惜しくも鬼籍に入った。
Charlie Haden『Quartet West』(写真左)。December 22 and 23, 1986年12月22, 23日の録音。ちなみにパーソネルは、Charlie Haden (b), Ernie Watts (ss, as, ts), Alan Broadbent (p), Billy Higgins (ds)。アーニー・ワッツのサックスが1管の「’ワン・ホーン・カルテット」。
ジャズの大手レーベル、ヴァーヴからのリリース。当時としては、ちょっと「手垢の付いた」モード・ジャズ志向な演奏内容。ちょうど、ウイントン・マルサリスなど、新伝承派がメインの「純ジャズ復古」の波が押し寄せていた頃。大手のヴァーヴとしては、この「波」に乗り遅れまい、とした結果、このちょっと「手垢の付いた」モード・ジャズ志向な演奏内容になったのではないかと推測している。
しかし、何が幸いするか判らない。この盤では、録音年1986年までのモード・ジャズの集大成、総決算の様な内容になっている。チャーリー・ヘイデンのリーダーシップ恐るべしである。新伝承派は、1960年代のモード・ジャズを最高の姿とし、その1960年代のモード・ジャズを焼き直した。しかし、この盤には、チャーリー・ヘイデンの考える「1986年の ”今” のモード・ジャズ」が息づいている。
サックスのアーニー・ワッツが’、とても良い音でサックスを吹き上げる。ソプラノ、アルト、テナーの3種類のサックスをどれも遜色無く、エネルギッシュで躍動感のある、ブリリアントで切れ味の良い音で、全ての曲を吹き切る。
リーダーのヘイデンのベースは、骨太でソリッドで「思索的」。モーダルな演奏のど真ん中を、明確で切れ味の良いベース・ラインで貫く。このアルバムのモーダルな演奏を、ヘイデンのベースが鼓舞し、コントロールしている。いわんや、ベース・ソロも素晴らしい。
最初、この盤を聞いた時は、ヘイデンは昔のモード・ジャズをやっているのか、懐古趣味やな、と思ったがとんでも無い。ジャズ耳が肥えていくにつれ、この盤のモード・ジャズは、1960年代のモード・ジャズの振り返りでは無い「1986年の ”今” のモード・ジャズ」だと気がついた次第。1980年代のモード・ジャズの名盤だと思う。
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