”The Cookers” の夜・その1
フレディ・ハバードとリー・モーガン、二大トランペッターの共演という触れ込みだが、実質的には当時のフレディ・ハバードが率いていたレギュラー・バンドに、リー・モーガンが客演したもの。当時のライヴ・セッションの様子をそのまま、ライヴ録音したという、ちょっと荒削りな感じのライヴ盤。
Freddie Hubbard『The Night Of The Cookers Volume 1』(写真左)。1965年4月10日、NYブルックリンの「Club La Marchal」でのライヴ録音。ブルーノートの4207番。ちなみにパーソネルは、Lee Morgan (tp), Freddie Hubbard (tp #1), James Spaulding (as, fl), Harold Mabern (p), Larry Ridley (b), Pete La Roca (ds), Big Black (congas)。
ラテンフィーリングなボサ・ロック「Pensativa」、エキゾチックな趣が溶け込んだ「Walkin'」の、どちらも収録時間20分程度という、長尺の演奏が2曲のみ収録されている。2曲目のマイルスの名演で知られる「Walkin'」では、このライヴ盤の名義はハバードながら、トランペットについてはリー・モーガンだけ、という、ブルーノートにしては、ちょっと乱暴な編集になっている。
この「Volume 1」では、客演のリー・モーガンが元気溌剌、鯔背炸裂。一応、このライヴ盤、ハバード名義だが、この「Volume 1」に限って言えば、モーガン名義にしても良いくらい、モーガン絶好調。完全にハバードを凌駕している。2曲目「Walkin'」はハバード不在やし・・・。モーガンはそれぞれの曲で、それぞれの曲想に合ったトランペットをバリバリ吹き分ける。ハバードは我が道を往く、で、ボサ・ロック「Pensativa」では、ちょっと違和感が漂う。
面白いのは、ジェームズ・スポルディングのアルト・サックスで、その過激な吹きっぷりは、モーダルなフレーズではあるが、フリーに片足を突っ込んだ様な、ややアブストラクトで、かなり過激な展開。しかし、ドラムのピート・ラロッカが、猛烈に叩きまくり応戦しながら、絶対にジャジーなビートをしっかりキープして、スポルディングが、フリーやアブストラクトに傾くことを絶対に許さないところが、これまた面白い。
何かをしっかり表現しよう、しっかり表現するにはライヴ録音が良い、という、何かをしっかり記録しようという、高邁な録音方針があった感じでは無い。それでも、このライヴ記録されているセッションは、演奏トレンドは基本は「モード」、そのモードをそれまでのハードバップな演奏と「ハイブリッド」にかませた様な演奏内容は、録音年1965年ならではのユニークな内容。当時、日常に行われていたライヴの雰囲気を追体験するには恰好の一番です。
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