モラーツとブルフォード再び
このアルバムのレコーディング当時、モラーツは「ムーディー・ブルース」のメンバーであり、ブルフォードは所属する「キング・クリムゾン」が活動休止に入ったばかりだった。そんな2人が再び出会った。
Moraz & Bruford『Flags』(写真左)。1985年1月の録音。ちなみにパーソネルは、Patrick Moraz (p, syn, claves on "The Drum Also Waltzes", electronics), Bill Bruford (ds, perc)。キーボード奏者のパトリック・モラッツとドラマーのビル・ブルフォードによるデュオ・アルバムの第二弾にして最終作である。
1983年のアルバム、アルバム・タイトル通り、2つの楽器のみ、アコースティック・ピアノとアコースティック・ドラムをフィーチャーしたデビュー作『Music for Piano and Drums』とは異なり、このレコーディングでは、カーツワイル250シンセサイザーとシモンズ・エレクトロニック・パーカッションを取り入れることで、彼らのデュオ演奏の幅を広げている。
このアルバムには10曲のオリジナルのインスト曲が収録されており、そのほとんどは二人の即興演奏やスケッチから生まれたものとのこと。それぞれの曲の響きは、デビューアルバムと同様、クロスオーバー&フュージョン志向の「ピアノとドラムのデュオ演奏」。
シンセや電子ドラムの導入により、拡張されたデュオの音世界。プログレッシブ・ロックの要素をより強調した、クロスオーバー&フュージョン・ジャズとプログレッシブ・ロックの融合。プログレッシブ・ロック出身のこの2人ならではの、独特の音世界である。プログレ小僧の皆さんには十分に訴求する、シンセとエレ・パーカッションの響きそして融合。
CDリイシュー時、ボーナストラックとしてとして収録された、1985年7月、東京「Leforet Museum」公演から「イースタン・サンデーズ」「チルドレンズ・コンツェルト」「グラティア」のライヴ音源の出来がこれまた良い。
クロスオーバー&フュージョン・ジャズとプログレッシブ・ロックの融合。ジャズとロックの境界が曖昧な英国の音楽シーンならではの傑作。
こういった異種格闘技志向のクロスオーバー&フュージョン・ジャズは、硬派な「純ジャズ命」のジャズ者の方々には、許し難いアルバムかも知れないが、これも「ジャズ」。ジャズの懐の深さを再認識させてくれる様な、ユニークなデュオ盤である。
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