早熟 ”ケリー” のデビュー盤
さて、ブログの再開です。5月31日(土)以降、5日ぶりのブログになります。今日はウィントン・ケリーのデビュー盤の記事でスタートです。
Wynton Kelly『Piano Interpretations』(写真左)。1951年7月25日、8月1日の録音。ちなみにパーソネルは、Wynton Kelly (p: all tracks, celeste: track 17), Oscar Pettiford (b, tracks 1 & 5–10), Franklin Skeete (b, tracks 2–4 & 11–19), Lee Abrams (ds, congas)。
ウィントン・ケリーが19歳でデビューした初ソロアルバム(1951年作品)は、スタンダード中心のピアノ・トリオ盤。全曲2~3分程度と短めで、CDでは19曲。初出は10インチLP、オリジナルは8曲で、タイトルは、Wynton Kelly『New Faces-New Sounds』(ブルーノートの5025番) 。
こういったCDリイシュー時、未発表音源を追加するのが、流行し、今では常態化しているが、アルバム評論をまとめる場合。LPでの初出のイメージで語るのか、CDリイシュー時の未発表音源込みで語るのか、はっきり宣言しないといけない盤も多々あるから困る。
では、この『Piano Interpretations』は、オリジナルは8曲、CDリイシュー時に11曲追加という、強烈なボートラ追加がなされている。が、演奏自体は統一感があり、1951年7月25日、8月1日と2つの録音日に分かれているが、CDリイシュー時の未発表音源込みで語っても、全く問題の無いレベル。
さて、ウィントン・ケリーは、健康優良児的に、ポジティブにスイングするピアノが特徴。コロコロと明るく転がるようにフレーズがスイングする。端正に転がるようにスイングするのではなく、独特の揺らぎをもって、この「揺らぎ」が翳りとなってスイングする。
そんなケリーのピアノの個性が、このデビュー盤で既に確立されている。早熟の天才ジャズ・ピアニストと形容してよいであろう、このデビュー盤の録音時、ウィントン・ケリーは弱冠19歳。どんなスピードの弾き回しも難なくこなす最高のテクニック。バラード曲などでの溢れんばかりの歌心。どう聴いたって、19歳のピアニストのテクニックだとも、感情移入だとも思えない。
このデビュー盤を聴くと、ウィントン・ケリーがいかに早熟の天才だったが判る一方、弱冠19歳にして、ケリーのピアノの個性の確立を確認して、以降の「伸びしろ」が不安になる。そんな期待と不安が入り交じったデビュー盤である。
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