サルバドールの初リーダー作
モダン・ジャズ、クロスオーバー/フュージョン・ジャズの範疇の中の名盤・好盤の中で、ギターに特化して評価できるアルバムをピックアップして紹介している、今月発売のレココレ2025年7月号の特集「ジャズ/フュージョン・ギターの名演・洋楽編」。
その記事の中のアルバムを順に見ていて、これまでに当ブログで記事にしていないアルバムもある。この際なんで、当ブログの記事にすることにした。今日のギタリストは「サル・サルバドール」。
サル・サルバドールについては、名前自体はかなり以前から知っていた。ジャズを本格的に聴き出した頃、たまたま、梅田の映画館で「真夏の夜のジャズ」が上映されることになり、これはチャンスとばかりに、授業をサボって、開館1回目の上映から居座って、3回繰り返して見た。で、この映画に出ていたギタリストの一人が「サル・サルバドール」。
『Sal Salvador Quintet』(写真左)。1953年12月24日、Van Gelder Studioでの録音。ブルーノートの 5035番。ちなみにパーソネルは、Sal Salvador (g), Frank Socolow (ts, #1-4), Johnny Williams (p), Kenny O'Brien (b), Jimmy Campbell (ds)。サルバドールのギターと一部、ソコロウのテナーがフロントの、カルテット&クインテット編成。
初出当初は10インチEP。収録曲は「Gone With The Wind」「Too Marvelous For Words」「This Can't Be Love」「After You've Gone」「My Old Flame」「Get Happy」以上、全6曲。
サル・サルバドールは、チャーリー・クリスチャン直系の白人ギタリスト。基本はビ・バップなギター。録音年が1953年なので、ハードバップ前期の影響を受けているのであろう、アドリブ・パフォーマンスは、ビ・バップ時代の弾き回しよりも長尺のパフォーマンスになっていて、サルバドールのギターについて、とても聴き応えがある。
サルバドールのギターの音の雰囲気は、アーバンでミッドナイトな雰囲気の、漆黒ジャジーでブルージーなギター。当時のジャズ・ギターとして、かなり個性的な音色。この個性的な音色のサルバドールのギターは、十分にフロントを張れるものだった。そして、この音色は、後継のモダン・ジャズ・ギタリスト「ケニー・バレル」に引き継がれている様に感じる。
まだギタリストがリーダー作を出すことが珍しかった時代に、フロントを張ることのできる、力感溢れる、ソリッドで音の芯が太いギターでリーダーを務めるサルバドールは、現代に通じる、モダン・ジャズ・ギターの先駆的存在。このサルバドールの初リーダー作を聴いていて、それが良く判る。
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