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2025年6月14日 (土曜日)

梅雨時に耳当たりの良いジャズ

今年も、一昨日、関東地方は梅雨に入った。梅雨入り宣言があった翌日から、薄日が差して湿度が落ち着いて雨が降らないのは、最近の「お約束」。それでも、気圧は微妙に乱高下していて、偏頭痛に悩まされたり、お腹の調子が不調になったり、体調不芳な日々が続く様になる。

そうなると、限りなく自由度の高いモード・ジャズや、フリー&アバンギャルド・ジャズは以ての外。暫くは耳当たりの良いジャズが聴きたくなる。

Manhattan Jazz Quintet『Caraban』(写真左)。1988年12月9,10日の録音。ちなみにパーソネルは、 David Matthews (p), Lew Soloff (tp), George Young (ts), John Patitucci (b), Dave Weckl (ds)。

ベースがジョン・パティトゥッチに、ドラムがデイヴ・ウェックルに、なんだか、当時のチック・コリア・アコースティック・バンドのリズム隊をそのまま持って来たような布陣。リズム&ビートがリフレッシュされた様な印象。

相変わらず、有名スタンダード曲が収録曲に鎮座ましましているのだが、今回は収録曲全7曲中4曲。しかし、この有名スタンダード曲「Caravan」「Five Spot After Dark」「A Night In Tunisia」「You And The Night And The Music」と、手垢がべったり付いた、「ど」スタンダード曲なんだが、この有名スタンダード曲に対するマシューズのアレンジが秀逸。
 

Manhattan-jazz-quintetcaraban  

 
聴いていて、アレンジが新鮮で、「ど」スタンダード曲でありながら、手慣れた感は無いし、マンネリ感も無い。マンハッタン・ジャズ・クインテットは、この有名スタンダード曲への優れたアレンジと、演奏メンバーによる、当時として「新しい」解釈が「ウリ」のバンドだった、と言うことを再認識する。

アップテンポを基本に変幻自在なパフォーマンスが魅力の「Caravan」、渋いアレンジが良好な「Five Spot After Dark」、超有名な曲を新しいイメージの盛り上げが楽しめる「A Night In Tunisia」、8分の6拍子のアレンジと演奏半ばのアップテンポなアドリブが格好良い「You And The Night And The Music」といい感じの有名スタンダード曲の新しい響きのパフォーマンスが良い。

録曲全7曲中3曲のオリジナル曲も良い感じ。リズム隊が、パティトゥッチのベース、ウェックルのドラムに代わった効果が、このオリジナル曲のパフォーマンスに好影響を与えている。モーダルな展開に、変幻自在、硬軟自在、緩急自在な「モーダル仕様」のリズム&ビートをズバリと持ってきていて、現代の「ネオ・ハードバップ」に通じる、新しい響き、新しいグルーヴのモーダルな演奏展開になってて、聴いていてとても興味深い。

ネットでググってみても、相変わらず人気のないマンハッタン・ジャズ・クインテットだが、この『Caraban』というアルバムも出来はとても良い。マシューズのアレンジが全曲に渡って、バッチリ決まっていて、それまでのハードバップとは一線を画した、当時として「新しい響き」のハードバップを展開しているのには感心した。

1980年台の「純ジャズ復古」の潮流に乗って、新しい響きのハードバップを獲得した、マンハッタン・ジャズ・クインテットの良好なパフォーマンスがこの盤に記録されている。
 
 

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