ウエス ”A Day in The Life” 再聴
ウエス・モンゴメリーの『Smokin' at The Half Note』を手始めに、いろいろウエスのリーダー作を再聴していて、優れたギタリストというのは、演奏するフォーマットやトレンドに左右されない、いかなる演奏形式、演奏方式の中でも、自らのギターの個性を前面に出し、自らのギターの志向がブレることはない、ということを再認識した次第。
Wes Montgomery『A Day in The Life』(写真)。1967年6月6 & 26日、NYの「Van Gelder Studio」の録音。ちなみにパーソネルは、Wes Montgomery (g), Herbie Hancock (p), Ron Carter (b), Grady Tate (ds), Ray Barretto, Jack Jennings, Joe Wohletz (perc)。ここに、ストリングス・オーケストラが入る。
CTIレコードからのリリース。プロデューサーは、もちろん「クリード・テイラー」。録音はルディ・ヴァン・ゲルダー。ストリングスのアレンジ&指揮は「ドン・セベスキー」。メインのバンドのリズム・セクションは、ピアノにハービー・ハンコック、ベースにロン・カーター、ドラムにグラディ・テイトと錚々たる布陣。
しかし、プロデュースも、ストリングス・アレンジも、錚々たるリズム・セクションも、全ては、ウエス・モンゴメリーのギターを映させるためにある。確かに、このアルバムでは、ウエス・モンゴメリーのギターだけが、浮き出る様に、ブリリアントに輝く様に、映えに映える。
ソリッドで骨太なウェスのギターの音。そこに要所要所で、伝家の宝刀「オクターヴ奏法」が炸裂する。そんなウエスのギターが、奏でる楽曲の印象的なフレーズをくっきりと浮き出させる。とりわけ、レノン&マッカートニー(ビートルズ)の名曲「A Day in The Life」と「Eleanor Rigby」の独特のメロディーを、ウエスのギターがより魅力的に響かせてみせるところは見事と言う他ない。
バックの演奏のアレンジは、流麗でメロウなストリングス・オーケストラを活用した、フュージョン・ジャズ志向がかなり強いのだが、ウエスのギターはどこから聴いても「ウエス独特のバップ・ギター」そのもの。バックの使徒リングスがフュージョン志向だろうが、エレピの積極活用だろうが、ウエスのギターの音は全くブレがなく、全く変わらない。
CTIレコードからのリリースなので、このアルバム、一応はフュージョン・ジャズのカテゴリーの中に収まっているが、聴けば判るが、流麗でメロウなストリングスが入っているが、ウエスをフロントとするカルテットの演奏は「メインストリームは純ジャズ」志向。ウエスのギターの響きはどこから聴いても「ソフト&メロウ」なところは微塵もない。
あくまで「ウエス独特のバップ・ギター」。硬派でソリッドで骨太なウェスのギターの音。伝家の宝刀「オクターヴ奏法」が、それを更に確固たるものにする。そして、プロデュースが、ストリングス・アレンジが、錚々たるリズム・セクションが、ウエスのギターを引き立たせる。ウエスの名盤の一枚。
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