ペッパーの1977年のライヴ音源
実は、アート・ペッパーがお気に入りで、ペッパーのマニアになって、はや45年。アルバム・コレクターをやってた時は、ペッパーについては、海外のネットショップも含めて、入手出来る範囲でのペッパーのリーダー作は、ボックス盤も含めて、コンプリートしていた。
ペッパーについては、1970年代から、ペッパーが、麻薬禍でシナノン(麻薬療養所)に収監される前と収監された後で、演奏のスタイルが変わるんだが、この収監前と収監後、どちらのペッパーが良いか、という不毛な議論があった。
僕は、収監前は「米国ウエストコースト・ジャズ」のマナーに則った、流麗で聴かせるフレーズをメインにしたブロウ。週間後は「米国NYメインの東海岸ジャズ」のトレンドに乗った、1970年代の純ジャズのマナーでのエネルギッシュでモーダルなブロウ。どちらも、ペッパーのアルト・サックスの個性は変わらないと思うのだが、なぜ「収監前と収監後、どちらのペッパーが良いか」と言う不毛な議論が繰り広げられたのか、理解に苦しむ。
Art Pepper『A Night in Tunisia』(写真左)。1977年1月23日、カリフォルニア、ハーフムーンベイの「Bach Dynamite & Dancing Society」でのライヴ録音。1983年のリリース。ちなみにパーソネルは、Art Pepper (as), Smith Dobsen (p), Jim Nichols (b), Brad Bilhorn (ds)。アート・ペッパーのワンホーン・カルテットのライヴ音源。
録音年からすると「収監後」のアート・ペッパーである。ローカルなライヴ・パフォーマンスなんだろう、リズム・セクションを形成するメンバーは知らない名前ばかり。ワンホーン・カルテットなので、ペッパーは誰に遠慮することも無く、伸び伸びとアドリブ・ソロを繰り広げている。
メンバー紹介などのMCがちょっと長いのには閉口する。が、逆に、当時のライヴの雰囲気を味わうには、なかなか臨場感溢れるものなので、まあ仕方ないか、と諦めて耳を傾けると、意外と面白いエピなどを披露していて、聴衆もノリノリである。当時のライヴの雰囲気がダイレクトに伝わってくる。
演奏はバックのリズム隊が無名な割に、整った内容のあるパフォーマンスに仕上がっている。アート・ペッパーのアルトは好調を維持していて、「ペッパー・オリジナルなモード」に展開する2曲目「The Trip」、好調ペッパーの印「ダイナミックにスイング」する、4曲目ラストの「A Night in Tunisia」は聴き物。
ライヴ音源をできるだけそのまま収録したみたいで、長いMCがあったり、PAに不調が発生したり、ちょっと散漫になる部分も多々あるが、とにかくワンホーン・カルテットの演奏の部分だけは、きっちり充実している。ジャズ者一般万民にお勧めする類のライヴ盤ではないが、ペッパーのマニア「ペッパー者」の方々には、意外と楽しめるライヴ盤としてお勧めしたい。
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