ジャズ喫茶で流したい・285
ミルト・ジャクソン(Milt Jackson、愛称「バグス」)。ジャズ・ヴァイブの神様である。ジャズ・ヴァイブを確立したレジェンドであり、始祖である。しかし、我が国では意外とバグスの扱いが薄い。ソロ活動における秀作として挙げられるのは『Opus de Jazz』ばかり。生涯60作以上の優れたリーダー作(ソロでの)をリリースしているにも関わらず、である。これは、ちょっとなあ、である。
Milt Jackson and Coleman Hawkins『Bean Bags』(写真左)。1958年9月12日、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、Milt Jackson (vib), Coleman Hawkins (ts), Tommy Flanagan (p), Kenny Burrell (g), Eddie Jones (b), Connie Kay (ds)。ジャズ・ヴァイブの神様、ミルト・ジャクソン(愛称・バグス)と、テナー・サックスの巨人、コールマン・ホーキンス(愛称・ビーン)との共演盤。
バグス(ミルト・ジャクソンの愛称)は、自身のリーダー作において、マンネリを避ける為か、他の一流のジャズマンとの共演盤が多い。共演相手の個性に、効果的に相対するヴァイブを弾くことによって、単調になりがちはヴァイブのフレーズと音色に、多様なバリエーションを生み出している。このテナー・サックスの巨人、ビーン(コールマン・ホーキンスの愛称)との共演盤も、その効果がバッチリ現れていて、なかなかの優秀盤に仕上がっている。
フロントの、バグスの硬質だが音のエッジが丸い、切れ味の良いヴァイブのフレーズと、ビーンの骨太で力強いダンディズム溢れるテナーのフレーズの対比が見事で、フロントの音の色彩が豊か。バグズのヴァイブのファンクネスでブルージーな響きが、ビーンのオールド・スタイルでスインギーなテナーと効果的に混ざり合って、アーバンでジャジーな雰囲気がどっぷり濃厚に漂うところが「ニクい」。
そして、バックのカルテットが良い。ピアノに名盤請負のピアノ職人のトミフラ、アーバンでブルージーなギターのバレル、堅実ビッグトーン・ベースのエディに、ドラム職人のコニー・ケイ。穏やかで落ち着いた、それでいて、それぞれがテクニックを披露しつつ、緊張感を保ちながらのジャム・セッション風のバッキングは実に魅力的。
フロント良し、バック良し、ハードバップの魅力が詰まった、素敵な共演盤。不思議とジャズ盤紹介本やジャズ雑誌の好盤紹介に全く上がることのないアルバムだが、どの演奏もどれもがハードバップしていて、純ジャズしている。アレンジも小粋で、聴き応えのあるものばかり。ビーンとバグス、とても魅力的な共演である。
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