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2025年5月23日 (金曜日)

BN5000番代のユタ・ヒップ

レココレ誌の執筆陣が選んだ「ベスト100」。ブルーノート創立の1939年以降、ジャズの潮流が変わりつつある1968年までにリリースされたアルバムから、ブルーノートらしい「内容と音と響き」、そんな三拍子揃ったブルーノート盤の「ベスト100」を順に聴き直していく企画。

このベスト100のアルバムを順に聴き直してブログにアップしていこう、なんて思っていたら、すでに感想をアップしているアルバムが結構あって、以前聴いた感想と今、聴いた感想が一致しているのは、聴き直しの感想をアップする必要が無いことに気がついた。

と言うことで、まずは、このレココレ誌が選んだ「ベスト100」のアルバムの中で、当ブログで扱ったことが無いアルバムをピックアップして聴き直していくことにした。

Jutta Hipp Quintet『New Faces - New Sounds From Germany』(写真左)。1954年4月24日、フランクフルトでの録音。ブルーノートの5056番。ちなみにパーソネルは、Jutta Hipp (p), Joki Freund (ts), Emil Mangelsdorff (as), Hans Kresse (b), Karl Sanner (ds)。テナー・サックスとアルト・サックスの2管フロント、バックに、ユタ・ヒップのピアノ、ベース、ドラムのリズム隊が控える、クインテット編成。

ユタ・ヒップ(Jutta Hipp)は、1925年、ドイツ・ライプチヒ生まれの女性ジャズ・ピアニスト。ドイツにて戦時下に青春時代を過ごし、1946年、米国に移住、30歳でニューヨークに移り住む、という経歴も持つ。
 

New-faces-new-sounds-from-germany  

 
ジャズ奏者としては、1958年、早々に第一線を退き、活動期間は短かった。本当かどうかは判らないが、よく言われる話としては、彼女は人前での演奏について極度に緊張するタイプで、ライヴ演奏に向かなかった為、早々にシーンから姿を消したというものである。

当盤は70年前の欧州ジャズ、独ジャズの音。ユタ29歳の録音。彼女が米国に渡る前、彼女ユタの欧州ジャズ時代を捉えたフランクフルト録音の1枚。ブルーノートの5000番代のレコードになる。米国東海岸NYでは、ビ・バップからハードバップへの変革期。

このユタのアルバムの音は、トリスターノ率いる「クール・ジャズ」的な音が蔓延している。テナーのヨキ・フロイント、アルトのエミス・マンゲルスドルフも、トリスターノ派のテナーのワーン・マーシュ、アルトのリー・コニッツの様な音で吹きまくっている。なるほど、ドイツでは、クール・ジャズが米国から伝播していたとみえる。

この後、ユタは、NY在住の英国人評論家、レナード・フェザーの誘いを受け、大西洋を渡り、NYに移住し、短い間ではあったが、NYのジャズ・シーンで、ドイツから来た女性ジャズ・ピアニストとして活躍することになる。そして、ブルーノートに『Jutta Hipp At The Hickory House Volume 1&2』(1515, 1516番)、『Jutta Hipp With Zoot Sims』(1530番)の3枚を残して、早々にシーンから姿を消す。

この『New Faces - New Sounds From Germany』は、ユタのピアノの個性の源を確認できること、そして、1954年のドイツのジャズ・シーンのトレンドが確認できこと、この2点について意義のある記録である。
 
 

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