ジョンスコの原点回帰と音の深化
ジョン・スコフィールド(John Scofield・以降「ジョンスコ」)のリーダー作の「聴き直し〜落穂拾い」も、いよいよ1990年代に入る。1978年の『John Scofield』(Trio)でデビューして以降、1970年代で個性を確立し、1980年代でスタイルを確立した ジョンスコ。次の1990年代は、スタイルの「深化」の時代。
John Scofield『Meant to Be』(写真左)。邦題「心象」。1990年12月の録音。ちなみにパーソネルは、John Scofield (g), Joe Lovano (ts, alto-cl), Marc Johnson (b), Bill Stewart (ds)。ジョンスコのギター、ロヴァーノのテナーがフロントの、キーボードレスのカルテット編成。
ジョンスコは、最初は「メンストリーム志向のエレ・ジャズ」から入って「ジョンスコ流ジャズ・ロック」、そして、1980年代前半〜中盤は「ジョンスコ・オリジナルなエレ・ファンク」にスタイルを変化させている。そして、1980年代後半は「原点回帰」。メインストリームな純ジャズ志向に戻りつつある雰囲気濃厚。
この1990年12月に録音された当盤のジョンスコは、メインストリームな純ジャズ志向に戻ってはいるが、そのメインストリームな純ジャズ志向を「深化」させている。決して、デビュー当時の「メンストリーム志向のエレ・ジャズ」では無い。そんなスタイルを個性そのままに「深化」させている。
冒頭の「Big Fan」を聴くと、それがよく判る。確かに原点回帰の「メインストリームな純ジャズ志向」の演奏なのだが、1970年代のデビューの頃に比べて、歌心が溢れ、「捻れ」が素直にシンプルになり、耽美的な響きが付加されている様に感じる。音が流麗で艶やかになり、そんな深化した「メインストリームな純ジャズ志向」の音を前面に駆使しつつ、ノリよし、曲よし、演奏よし、の3拍子そろった好パフォーマンスを展開する。
そんなスタイルの深化を追求するジョンスコを、強力なリズム隊ががっちりサポートし、がっちり引き立てる。ジョンスコのフロントの相棒、ロヴァーノのテナーもジョンスコのスタイルの「深化」に呼応した小粋なフレーズを連発。バンド全体がほどよくリラックスして、メインストリームな純ジャズ志向に戻り、その志向を「深化」させていく。ジョンスコ・サウンドの成熟が感じられる好盤である。
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