ジャズ喫茶で流したい・281
我が国のTrioレコードが企画した「ヘレン・メリル Presents シリーズ」の中の一枚。このシリーズは、ピアニストが、一人の作曲家の作品集を演奏、LP時代のラストに、ヘレン・メリルのボーカルが1曲入るという構成。そのピアニストの一人が「ローランド・ハナ」。
Roland Hanna『Plays The Music of Alec Wilder』(写真)。1978年の録音。ちなみにパーソネルは、Roland Hanna (p), Helen Merrill (vo)。ラストの「The Sounds Around The House」にのみ、ヘレン・メリルのボーカルが入る。
典雅な「総合力で勝負するタイプ」のジャズ・ピアニスト、ローランド・ハナが、ニューヨークのため息、人気女性ボーカリスト、ヘレン・メリルのプロデュースでアレック・ワイルダーの書いたスタンダードをソロで弾きまくったソング・ブック。
このハナのソロ・ピアノ盤、とても良く出来ていると思う。女性ボーカリスト、ヘレン・メリルがプロデュースをしている異色盤だが、この盤を全編聴き通してみて、ヘレン・メリルのプロデュースはとても的を得ていると感じる。ハナの個性の一面がしっかりと前面に押し出され、ハナの硬質で高テクニックで弾きまくる様が明確に記録されている。
ハードなバップ・ピアノ。バド・パウエルの如く、深く硬質で尖ったタッチで、テクニックよろしく、端正に典雅にバリバリと弾きまくる。しかし、パウエルより軽快で洒脱で流麗。
そんなハナのピアノの個性の中で「端正で洒脱、流麗で典雅な弾き回し」というところをクローズアップして、プロデュースしているようで、気品ある、ハナの個性の代表的な一面が、このソロ・ピアノ盤に満載である。
冒頭、ハナが大好きだ、という「The Starlighter」から、気品ある「端正で洒脱、流麗で典雅な弾き回し」が炸裂して、ハナは元々クラシック・ピアノの素養が下地にあると言われるのだが、それも納得の弾きっぷり。
この弾きっぷりが、8曲目「That’s My Girl」まで続くのだが、決して弛まないし、決してマンネリに陥らない。「総合力で勝負するタイプ」のピアノにスト、ローランド・ハナの面目躍如、緩急自在・変幻自在・硬軟自在な引き回しで、決して聴き手を飽きさせない。
そして、ラストの9曲目「The Sounds Around The House」に、この曲だけ、ニューヨークのため息、ヘレン・メリルのボーカルが入るのだが、心地良い中低音の聴かせ方、優しく丁寧な歌唱で、これが絶品。そして、バックに伴奏上手なハナのピアノが、メリルのボーカルにそっと寄り添う。
「ビバップからクラシックまで自由自在に弾きこなすピアノの魔術師」、ローランド・ハナの個性の代表的な一面が、良い形で記録された、ソロ・ピアノ盤の名盤の一枚だと僕は思う。ジャズ喫茶の昼下がりに、そっと流したいハナの名演である。
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