マクラフリンの考えるエレ•ジャズ
プログレッシヴ・ロックとエレクトリック・ジャズとのクロスオーバー・ジャズ志向のグループ・サウンドを追求した「マハビシュヌ・オ―ケストラ」は、1975年7-8月の録音の第5作目『Inner Worlds』で、その活動に終止符を打った。しかし、ギタリスト、ジョン・マクラフリンをフィーチャーしたソロ活動については、順調にリーダー作を重ねている。
John McLaughlin『Electric Dreams』(写真左)。邦題『欲望と精霊』。1978年11-12月の録音。ちなみにパーソネルは、John McLaughlin (6, 12 & 13-string ac-g & el-g, banjo), L. Shankar (vin), Stu Goldberg (key), Fernando Saunders (b, vo), Tony "Thunder" Smith (ds, vo), Alyrio Lima (perc), David Sanborn (as on "The Unknown Dissident")。
ジョン・マクラフリンと彼の「ワン・トゥルース・バンド」による1979年リリースの5枚目のソロアルバム。演奏全体の雰囲気は、コンテンポラリーなエレクトリック・ジャズ。当時、初期のウエザー・リポートや、チック・コリアのバンドが志向していた「コズミックなクロスオーバー&フュージョン」と同一志向の音作りだが、当然のことながら、マクラフリンのギターが大々的にフィーチャーされている。
タイトルを完全無視する様な、印象的なアコギで、短いながらも衝撃的なオープニングから、なかなかの出来。そして、いきなり始まる「Mles Davis」。この曲は、マイルスはアルバム『ビッチズ・ブリュー』の中の曲に「ジョン・マクラフリン」というタイトルを付けた曲を収録しているのだが、この盤での「Mles Davis」は、そのお返し(アンサー・ソング)。マイルス抜きのマイルス・サウンドといった感じで、マクラフリンのギターのソロは、まさに「マイルスのトランペット」風。
バンジョーのソロがユニークなタイトル曲やサンボーンが吹いてるアーバンな曲とか、フェルナンド・サンダースのヴォーカルをフィーチャーしたコンテンポラリーなヴォーカル曲とか、様々な要素の曲が入っているが、基本は、あくまで「コズミックなクロスオーバー&フュージョン」志向のコンテンポラリーなエレ・ジャズ。内容がバラエティーに富んでいるのは、ウエザー・リポート然り、チック・コリアのバンド然り。そういう点では、このマクラフリンのエレ・ジャズは、ウエザーやチックと比較しても引けを取らない。
1970年代のマクラフリンの傑作。「コズミックなクロスオーバー&フュージョン」志向のコンテンポラリーなエレ・ジャズの名盤の一枚としても良い内容。しかし、我が国では、この『Electric Dreams』って、人気がないんですよね。まず、邦題『欲望と精霊』が悪かったんやないかと。ウエザーやチックと比較しても引けを取らない、マクラフリンの考える「コンテンポラリーなエレ・ジャズ」。再評価を望みたい。
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