スパニッシュ志向のマクラフリン
実験的でシリアスで求道的なアプローチを身上とした「マハヴィシュヌ・オーケストラ」を解散し、インド音楽志向のエレ・ジャズを追求したシャクティを立ち上げたマクラフリン。その傍らで、アル・ディ・メオラ、パコ・デ・ルシアとのスーパー・ギター・トリオを立ち上げ、一世を風靡。そして、マクラフリンは1980年代に突入する。
John McLaughlin『Belo Horizonte』(写真左)。June–July 1981年6〜7月の録音。ちなみにパーソネルは、John McLaughlin (g), Paco de Lucía (ac-g), Augustin Dumay (vln, vo), François Jeanneau (sax), François Couturier, Katia Labèque (key), Jean Paul Celea (b), Tommy Campbell (ds, perc), Jean-Pierre Drouet, Steve Sheman (perc)。
アル・ディ・メオラ、パコ・デ・ルシアとのスーパー・ギター・トリオを経て制作された、マクラフリンのソロ・リーダー作。前作『Electric Dreams』の「コズミックなクロスオーバー&フュージョン」志向のコンテンポラリーなエレ・ジャズの雰囲気を踏襲しつつ、スーパー・トリオで体験した、フラメンコ風のギターのテイストを織り込んで、ユニークな音世界を創出した傑作。
クロスオーバー&フュージョン志向の純エレ・ジャズの中で「アコースティック・ギターをどう活かすか」を最重要テーマに、アコースティック・ギターが映えに映えるアレンジが全編に渡って施されている。エレ・ジャズの要素、フェンダー・ローズやシンセサイザーなどは、このアコースティック・ギターを映えさせる役割に徹している。
そして、そんなアコースティック・ギターを映えさせる為に選んだテイストが「スパニッシュ」志向。それまで、プログレとジャズの融合がメインテーマだったマクラフリンが、フラメンコ風のギター風のフレーズを、軽快でポップなタッチで弾きまくる。実験的要素は全く無い。
それまで、シリアスで求道的な作品が中心だったマクラフリンが、スパニッシュ志向に転身して、フュージョン・ジャズ志向のポップなエレ・ジャズを展開している。しかも、その内容はとても充実していて濃い。
面白いのは、バックのバンド演奏が全く目立ってこないこと。軽快でポップなスパニッシュ志向のマクラフリンのアコースティック・ギターを引き立て、流麗さを浮き立たせるバック・バンドの演奏なんだが、それまでのマクラフリンのテクニック最優先のバック・バンドの演奏とは正反対のイメージ。
決して、テクニカルでもなく、雰囲気だけでリズム&ビートを醸し出している。しかし、これが、この盤でのマクラフリンのアコースティック・ギターに合っている。プロデュースの妙ですね。
1980年代のマクラフリンの最初の好盤だと思います。スパニッシュ志向のマクラフリンのアコースティック・ギターがとても魅力的に響いています。
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
★ AORの風に吹かれて
★ まだまだロックキッズ 【New】 2024.08.24 更新
・イタリアン・プログレの雄「PFM」のアルバム紹介と
エリック・クラプトンの一部のアルバム紹介を移行しました。
・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』の
記事をアップ。
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
東日本大震災から14年。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

« ジャケーのウィズ・ストリングス | トップページ | ディーディーの声はお気に入り »



コメント