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2025年3月30日 (日曜日)

ブリュニングハウスのECM好盤

月刊誌レココレの2024年11月号の特集「ECMレコーズ」にある「今聴きたいECMアルバム45選」。この特集のアルバム・セレクトが興味深く、掲載されているアルバムを順番に聴き直し&初聴きをしている。どの盤にも新しい発見があって、実に楽しい。今回の盤は「初聴き」盤。

Rainer Brüninghaus『Freigeweht』(写真左)。1980年 7月から8月、オスロの「Talent Studio」での録音。ECMレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Rainer Brüninghaus (p, syn), Kenny Wheeler (flh), Jon Christensen (ds), Brynjar Hoff (oboe, cor snglais)。ピアニスト、ライナー・ブリュニングハウスがECMの「ハウス・タレント」と共に録音した、ECMにおける初リーダー作である。

変則な楽器編成である。フリューゲルホルンのケニー・ホイーラー、ドラムのヨン・クリステンセン、オーボエ奏者のブリンジャー・ホフ、そして、リーダーでピアニストのライナー・ブリュニングハウス。まず、定番のベーシストが不在。そして、なぜかオーボエが入っている。パーソネルの楽器記号「cor snglais(仏語・コーラングレ)」は、英語でいう「イングリッシュ・ホルン」。
 

Rainer-bruninghausfreigeweht

 
この変則な楽器編成から、ECMならではの、現代音楽&現代クラシック志向、即興演奏をメインとした「ニュー・ジャズ」だと当たりをつける。ベースが不在だが、ブリュニングハウスのピアノがあるので、ベースラインはピアノが代替している。加えて、演奏メンバーは、ブリュニングハウスがドイツ、ホイーラーはカナダ(英国)、クリステンセンとホフはノルウェーと、欧州ジャズ志向の面々で固められていて、従来の4ビート・メインのモダン・ジャズの雰囲気は皆無。

冒頭の「Stufen」から、即興演奏をメインとした、自由度の高いインタープレイが展開される。ブリューニングハウスの硬質で叙情的で印象派的なピアノ、ホイーラーとホフの、拡がるが如く、漂うが如くの瞑想的なフレーズが、欧州的で叙情的な響きと共に展開、そんな拡がりと間を活かしたインタープレイを、クリステンセンの変幻自在、硬軟自在、緩急自在な、切れ味よく推進力溢れるドラムが演奏全体を牽引する。

このアルバムの持つ、現代音楽&現代クラシック志向の欧州ジャズ的なサウンド志向、即興演奏をメインとした、柔軟でスピリチュアルなフレーズの展開、そして、拡がりと間を活かしたインタープレイが、ECMのサウンド志向とピッタリと合致して、唯一無二な響きを宿した、コンテンポラリーな欧州ジャズの好盤に仕上がっている。ECMレーベルにしか制作できない、ECMならではの好盤の一枚である。
 
 
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