エレ・ジャズ・ファンクな名盤
ロバータ・フラックを「発掘」し、デビューさせるなど、1970年代のニュー・ソウルの隆盛を陰で支えたジャズ・ピアニスト、レス・マッキャン。そんなニュー・ソウルから影響を受け、その要素をソウル・ジャズに融合、クロスオーバー&ソウル・ジャズな音志向にステップアップしていった。
Les McCann『Layers』(写真左)。1972年11月の録音。ちなみにパーソネルは、Les McCann (ac-p, el-p, syn, clavinet, ds, timpani), Jimmy Rowser (ac-b, el-b, bells, perc), Donald Dean (ds, bells, perc), Buck Clarke (congas, ds, bongos, blocks, bells, perc), Ralph MacDonald (congas, bells, perc)。
ニュー・ソウルから影響を受けたソウル・ジャズ作品を70年代に多く残しているレス・マッキャン。この『Layers』は、そんな中でも、白眉の出来のクロスオーバー&ソウル・ジャズ盤である。とにかく、どっぷりとソウルフルでメロウ。トロトロのファンクネス。ここまでくれば、1970年代半ば以降の「エレクトリック・ジャズ・ファンク」の先駆けと言っても良いだろう。
冒頭の「Sometimes I Cry」から、エレ・ジャズ・ファンク全開。浮遊感タップリのエレピ&シンセの音が実にソウルフル。しっかりと音の底に、濃厚なファンクネスを感じる。「Let's Gather」「Anticipation」と短い小粋でソウルフルなパフォーマンスが続いて、どっぷりグルーヴィーなジャズ・ファンク「The Dunbar High School Marching Band」が熱演。
メロウで静謐な「Soaring (At Dawn) Part I」。メロウな熱演が続く。トロトロなジャズ・ファンク「The Harlem Buck Strut Dance」。次々とメロウなナンバーが続く。メロウなエレピが芳しい、印象的なスローな演奏「Before I Rest」、シンセが鳴り響く、ジャジーでグルーヴィーな「Let's Play ('til Mom Calls)」「It Never Stopped In My Home Town」が続く。ラストはラテン・ムード漂うメロウなナンバー「Soaring (At Sunset) Part II」。
ニュー・ソウルから影響を受けたソウル・ジャズ作品の中での白眉の出来。この「エレクトリック・ジャズ・ファンク」に眉をひそめる硬派なジャズ者の方々もいるだろう。しかし、これもジャズ。モダン・ジャズの歴史の中で、燦然と輝くジャズの演奏トレンド「ソウル・ジャズ」。その濃厚でトロトロ&メロウなグルーヴ感は「ジャズ」でしか出せない。隅に置けない名盤である。
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