ピアノ・トリオの代表的名盤 108
ジャマルは「年代によって異なる顔を持つ」ジャズ・ピアニスト。1950年代は「間」を活かし、弾く音を限りなく厳選し、シンプルな右手のフレーズと合いの手の様に入る左手のブロックコードが特徴のジャマルのピアノ。1960年代の終わり〜1970年代の作品は、アーシーで豪快なメリハリのあるサウンドに変化。
Ahmad Jamal『Emerald City Nights: Live at The Penthouse 1963-1964』(写真左)。ちなみにパーソネルは、Ahmad Jamal (p), Richard Evans (b), Chuck Lampkin (ds)。1963年-1964年のシアトル「ペントハウス・ジャズ・クラブ」で収録された未発表音源がCD2枚組でリリース。
1960年代前半のジャマルのピアノが堪能出来る。「間」を活かし、弾く音を限りなく厳選したシンプルな弾き回しから、シンプルな弾き回しつつ、メリハリを強くつけた奏法に変化しつつあるジャマルをしっかりと捉えている。1950年代のラウンジ・ピアノっぽい雰囲気から、ダイナミックでファンキーなジャズ・ピアノに変化している。
そんなダイナミックでファンキーなシンプルな弾き回しの中で、巧妙に「間」を活かして「タメ」を作った、独特のフレーズが印象的。ゆったりしたフレーズも、速いフレーズも、巧妙な「間」と「タメ」が特徴のフレーズで、ジャマルはガンガン、バップなピアノを弾き回す。
加えて、選曲とアレンジが秀逸。ジャマルの巧妙な「間」と「タメ」が特徴のバップ・ピアノは、自由の高いモードに展開することが無いので、演奏が進むにつれ、マンネリに陥り易いのだが、そうはならない。これって、よく聴いてみると、まずはマンネリ防止の「考え抜かれた」な選曲。
そして、その曲を活かしつつ、ジャマルのピアノの弾き回しを映えさせるアレンジが秀逸。意外と気付かないのだが、意識して聴くと、その巧妙さに舌を巻く。このトリオのライヴ演奏、全10曲で、1時間30分に及ぶのだが、全く空きがこない。というか、聞き始めるとあっという間に時間が過ぎる。
また、これらの録音はバランスが良く、粒たちの良い、ライヴ感溢れる音。ジャマルのピアノがどのように機能するかが明瞭に判別でき、バックのリズム隊の効果的サポートとジャマルを盛り立てるリズム&ビートもクッキリ活き活きと耳に飛び込んでくる。テンポが速くても「耳障り」な雰囲気は感じられず、バラード演奏は染み入る様な「音の伸び」。
このライヴ音源は、1963年から1968年までジム・ウィルクがホストを務める KING-FMの番組に生放送された一連の音源の中から発見されたもの。他にも色々とありそうで、現在、情報収集中。もっと聴きたい、もっと感じたい、そんな気にさせる、秀逸なジャマル・トリオのライヴ音源です。
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