70年代タル・ファーロウの名盤
タル・ファーロウは、初リーダー作から、そのギターの個性は完成されていた。超絶技巧の限りを尽くした「弾きまくりバップ・ギター」。歌心溢れるバラード・プレイも素晴らしい。とにかく、超絶技巧の弾きまくりギターが目立ちに目立っていた。このパッキパキ、ピッキピキの硬質ギターが実に良い。もう快感の域である。
1958年に一旦引退、ニュージャージー州シーブライトに定住、看板画家としてのキャリアに戻っている。しかし、10年後の1968年に復帰。1974年辺りから、ほぼ1〜2年に一枚の割合でコンスタントにリーダー作をリリースしている。このアルバムは、そんな中の一枚。コンコード・レコードからのリリースになる。
Tal Farlow『A Sign of the Times』(写真左)。1977年の作品。ちなみにパーソネルは、Tal Farlow (g), Hank Jones (p), Ray Brown (b)。ベースのレイ・ブラウンと、ピアノのハンク・ジョーンズという名手を迎えての、ドラムレスのオールド・スタイルなトリオ編成。
タルのパッキパキ、ピッキピキの硬質ギターとその超絶技巧の限りを尽くした「弾きまくりバップ・ギター」を存分に楽しむことが出来る。弾きまくりではあるが、適度にリラックスした、ほど良く肩の力が抜けたパフォーマンスが耳に優しい。1950年代のオフェンシヴな弾きっぷりよりも、幾分優しく丸くなったタルのフレーズが印象的。
ドラムレスなので、リズム&ビートは、タルのギターとハンクのピアノ、レイのベースで、それぞれ分担していて、軽快でウォームなグルーヴがとても良い感じ。ハンクの粒立ちの良いバップ・ピアノが好調。レイのソリッドなベースがグルーヴ感を増幅する。そんなリズム隊に恵まれて、タルは「1970年代仕様の」タルのバップ・ギターを弾きまくる。
オールド・スタイルなトリオ編成で、3人の名手たちは、素晴らしいインタープレイを聴かせてくれる。確かに、1950年代のタルに比べるとウォームで優しくなったが、その分、1970年代のタルは適度にリラックスしていて耳に優しい。この盤はリズム隊に恵まれて、タルのギターが存分に楽しめる。
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