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2025年3月15日 (土曜日)

リヴァーサイドのブレイキー・2

アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ(Art Blakey and the Jazz Messengers)。意外と人気が無いなあ、と感じる今日この頃。ネットの記事を眺めてみても、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズのアルバムを取り上げるブロガーが少ないなあ、と感じるのは僕だけだろうか。

ブルーノート時代の諸作はまだ良いのだが、その他のレーベルに記録されたジャズ・メッセンジャーズのアルバムについては実に地味。ジャズ・メッセンジャーズの諸作は、長い活動期間を通じて、駄作・駄盤の類は殆ど無いんですけどね。

Art Blakey and The Jazz Messengers『kyoto』(写真左)。1964年2月20日の録音。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Freddie Hubbard (tp), Curtis Fuller (tb), Wayne Shorter (ts), Cedar Walton (p), Reggie Workman (b), Wellington Blakey (vo, track 3 only))。1960年代の「伝説の3管フロント時代」のジャズ・メッセンジャーズである。

リヴァーサイド・レコードでの「3部作」のラスト。『Caravan』『Ugetsu』と来ての3枚目。1960年代の「伝説の3管フロント時代」。トランペットはフレディ・ハバード。この盤でのハバードは、『Caravan』『Ugetsu』と続く「ほど良く抑制されたハバード」。ほど良く抑制されたハバードは無敵である。この盤でも、ハバードは「抑制の美」を吹き上げる。
 

The-jazz-messengerskyoto

 
3曲目の「Wellington's Blues」が男性ボーカル入り。ジャズ・メッセンジャーズの演奏にボーカル入りは似合わない。LP時代で言うとA面のラスト(3曲目)。なぜここに男性ボーカル入りの楽曲を持ってきたのか。プロデュースの方針に疑問を感じる。このボーカル入り曲の存在で、この盤は損をしている印象は拭えない。

逆にLP時代のB面、CDでの4〜5曲目「Nihon Bash」〜「Kyoto」の演奏が充実している。1960年代の「伝説の3管フロント時代」のジャズ・メッセンジャーズの良さが横溢している。充実の3管フロント、鉄壁のブレイキー御大率いるリズム隊。ジャズ・メッセンジャーズ仕様のモード・ジャズがこれでもか、と展開される。

完璧充実のリヴァーサイドのジャズ・メッセンジャーズ。この『kyoto』で、突如、終焉を迎える。社長のビル・グラウアーが、1963年12月に突然の心臓発作で亡くなり、会社は1964年7月に自主破産を申請した為である。

しかし、ジャズ・メッセンジャーズの発展を記録したブルーノートの諸作と併せて、ジャズ・メッセジャーズの成熟を記録したリヴァーサイドの3部作は、ジャズ・メッセンジャーズにとっての貴重な記録である。
 
 

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