リヴァーサイドのブレイキー・1
しばらくの間、ちょっとご無沙汰していたのだが、久々に、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ(Art Blakey and the Jazz Messengers)のアルバムの聴き直しを再開した。どの辺りからだったか。そうそう、1963年、リヴァーサイド・レコードへの録音を始めた頃からである。
Art Blakey and the Jazz Messengers『Caravan』(写真左)。1962年10月23–24日の録音。リヴァーサイド・レコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Freddie Hubbard (tp), Curtis Fuller (tb), Wayne Shorter (ts), Cedar Walton (p), Reggie Workman (b)。1960年代の「伝説の3管フロント時代」のジャズ・メッセンジャーズである。
改めて、1960年代の「伝説の3管フロント時代」とは、フレディ・ハバードのトランペット、ウェイン・ショーターのテナー、カーティス・フラーのトロンボーンの3管フロントに、シダー・ウォルトンのピアノ、レジー・ウォークマンのベース、そして、リーダーのブレイキー御大のリズム隊のセクステット編成。
リヴァーサイドからの第一弾のアルバムなんだが、ブルーノート時代と内容は変わらない。充実の3管フロント、鉄壁のブレイキー御大率いるリズム隊。「伝説の3管フロント時代」のセクステットの基本は「モード」。ジャズ・メッセンジャーズ仕様のモード・ジャズがブワーッと展開される。3管フロントのユニゾン&ハーモニーが芳しく、3管フロントのソロ・パフォーマンスが凄まじい。
聴いていて面白いのは、ハバードのトランペット。ハバードは基本的に目立ちたがり屋なので、周りへの配慮は皆無、常にグイグイ前へ出てくるのだが、ブレイキー御大の下では、周りの音を聴き、演奏全体の展開を慮りながら、抑制された超絶技巧なトランペットを吹く。これが良い。実は、ほど良く抑制されたハバードは無敵である。恐らく、リーダーのブレイキー御大はそれを良く判っていて、ハバードを指導していたのだろうと思われる。
そして、この盤では、ブレイキー御大のドラムの出番が多い。ブルーノート時代はアンサンブル中心だったが、このリヴァーサイド盤では、結構、長尺&短尺、様々なイメージのドラムソロも織り交ぜて、意外とブレイキー御大のドラミングがしっかりと前面に押し出されている。そういうプロデュースなんだろうが、それまでのブレイキー盤と比べて、ブレイキー御大のドラミングの個性と特徴が良く判る。
この盤に「これ一曲」を選ぶとすれば、やはりタイトル曲の「Caravan」だろう。最強力な3管フロントがカッコよくユニゾン&ハーモニーを奏で、ブレイキー御大のドラムがそんなフロントをモーダルに煽る。ウォルトンのピアノがモーダルな雰囲気の拍車をかけ、ウォークマンのベースが、バンド全体のベースラインを一手に引き受ける。モーダルで柔軟なソロの交歓に時間を忘れる。
ブレイキー御大のドラミングが「タクト代わり」。ブレイキー御大のドラミングで、様々なニュアンス、様々な表情のモード・ジャズが展開される様は見事という他ない。ブルーノートのジャズ・メッセンジャーズと比べて、全く引けを取らないリヴァーサイドのジャズ・メッセンジャーズがこの盤に詰まっている。
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