ジャケーのウィズ・ストリングス
イリノイ・ジャケーのテナーは、テキサス・テナーの代表格。ブルースを基調とした、骨太で気合いや根性を優先、豪快なブロウを身上とした、米国南部の男らしい荒くれテナー。我が国ではあまり人気が無いが、僕はこのテキサス・テナーの奏でるソウル・ジャズが大好物。
Illinois Jacquet『Bosses of the Ballad: Illinois Jacquet Plays Cole Porter』(写真左)。1964年10月29 & 30日、NYでの録音。Argoレコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Illinois Jacquet (ts), Tom McIntosh, Benny Golson (arr)。バックにオーケストラが付く。イリノイ・ジャケーのテナーが主役のウィズ・ストリングス盤。
ジャズの多様化が進んだ1964年の、テキサス・テナーの雄、イリノイ・ジャケーがリーダーの「ウィズ・ストリングス」盤。しかし、大衆狙いの「ウィズ・ストリングス」盤だが、リリースは、ソウル・ジャズ&R&B志向ジャズの老舗、Argoレコードから。アレンジがトム・マッキントッシュとベニー・ゴルソン。どう考えても、ジャズの雰囲気を活かした、聴き心地優先のイージーリスニング志向のウィズ・ストリングス」盤とは思えない。
タイトルを直訳すると「バラードのボス。イリノイ・ジャケットとストリングスがコール・ポーターを演奏」となる。アルバム内容はタイトル通りで、収録曲全12曲全て、コール・ポーター作の楽曲で占められている。いずれもバラード基調のアレンジが施されているが、アレンジャーがマッキントッシュとゴルソン。イージーリスニング志向ではあるが、聴き心地優先では無い。あくまで、イリノイ・ジャケーのテキサス・テナーが映えに映えるアレンジになっている。
バックのオーケストラの演奏は、少しジャジーな雰囲気が芳しいが、基本的には水準レベルの普通のオーケストラの音。しかし、そこに、イリノイ・ジャケーのテキサス・テナーが乗っかってくると、このイージーリスニング志向のウィズ・ストリングスな演奏が、グッとジャジーでファンクネス漂う、唄うが如くのソウル・ジャズ志向のイージーリスニング・ジャズに早変わり。
イリノイ・ジャケーのテナーは、骨太でソウルフルで力感溢れるソウルフルなテキサス・テナー。バラード演奏では、そんなテナーに優雅で優しい響きが加わる。そんなテナーがダンディズムを振り撒きながら、骨太でソウルフルなフレーズを吹き上げる。コール・ポーター作の楽曲の持つ旋律の優しさが、イリノイ・ジャケーのテキサス・テナーを更に前面に押し出し、映えに映えさせる効果を産んでいる。
ストリングスの少し甘い音色に乗って、イリノイ・ジャケーのテキサス・テナーが乱舞する。これは、単なる一般狙いのイージー・リスニングでは無い。イリノイ・ジャケーのテナーの存在感が、この盤を、ソウル・ジャズにおけるイージーリスニング志向の純ジャズの好盤、という位置付けに押し上げている。
Argoレコードの「ウィズ・ストリングス」盤。只者では無かった。イリノイ・ジャケーのバラード・テナーを愛でるに相応しい、ソウル・ジャズ志向の「ウィズ・ストリングス」盤である。好盤です。
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