ジミー・スミスの「ブルース集」
超一流のジャズマンというのは、やらせてみれば、様々な演奏スタイル、演奏トレンドに適応して、しっかりとした成果を残す、そんなことを、いとも容易くやってのけたりする。演奏スタイル、トレンドに関する適応力、応用力がずば抜けているのだろう。この盤を聴いて、改めてそう思った。
Jimmy Smith『Six Views of the Blues』(写真左)。1958年7月16日の録音。ちなみにパーソネルは、Jimmy Smith (org), Cecil Payne (bs), Kenny Burrell (g), Donald Bailey (ds, racks 4–6), Art Blakey (ds, racks 1–3)。アルバムタイトルの日本語訳は「ブルースの6つの見方」。ブルース曲で固めた企画盤。
録音当時は「お蔵入り」。なんと、録音後の41年後、1999年にようやくリリースされた。ジャズ・オルガンのイノベーター、ジャズ・オルガンの神様、ジミー・スミスが、そんなオルガンでブルースだけを演奏している、ブルーノートには珍しい企画盤。バップでアグレッシヴで切れ味の良いダイナミックなスミスのオルガンが、渋いブルースを演奏する。こんなに魅力的な企画盤が他にあっただろうか。
演奏内容として、スミスの「極上のブルージーなオルガン」が素晴らしい。ダイナミックなプレイが身上のスミスが、しっかり抑制を効かせて、まことにブルージーにオルガンを響かせる。スミスの奏でるブルースは極上の響き。さすが、ジャズ・オルガンの神様、バップな弾き回しで、極上のブルースを我々に聴かせてみせる。
バレルのギターが、スミスのブルースを、よりブルージーにする。漆黒ギターの面目躍如。そして、意外と話題に上らないが、ブレイキー&ベイリーの、ブルースに対する効果的にドラミングが実に効いている。セシル・パインのバリトン・サックスがイマイチだが、音色的にスミスとバレルのブルースを前面に押し出し、映えさせている。
こんなに素敵な内容の「スミスのオルガンでブルースだけを演奏する」という企画盤。どうして「お蔵入り」になったのか、今でも理解に苦しむ。パインのバリサクがイマイチだったからか、そもそも、バップでアグレッシヴで切れ味の良いダイナミックなスミスのオルガンが、しっかり抑制を効かせて、まことにブルージーにオルガンを響かせることが「らしくない」と判断したのか。
ジャケもイマイチなんだが、僕はこのジミー・スミスのブルース・オルガン盤、気に入っている。
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