渋いギターといぶし銀ピアノ
昨日から、全国的にこの冬一番の寒波が猛威を振るっている。今日もテレビは大騒ぎ。しかし、ここ千葉県北西部地方は、南風が冷たいが、日差しは意外と暖かい。どうも、今年の南関東の冷え込みは緩い。しかし、寒いには違いない。寒いだけではたまらない。エアコンの暖房を適温にして、静的でゆったりとしたジャズ・ギターの音色に耳を傾ける、その2日目。
『The Sound of the Johnny Smith Guitar』(写真左)。1960年 & 1961年、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、Johnny Smith (g), Hank Jones (p), George Duvivier (b), Ed Shaughnessy (ds)。ジョニー・スミスのギターがリーダーの「カルテット」編成。
CDリイシュー時には、タイトルは『The Sound of the Johnny Smith Guitar』のままだが、オリジナルLPリリース時の9曲に加えて、全く別のアルバム『Johnny Smith Plus The Trio』としてリリースされていた11曲を追加している。演奏内容はほぼ同じ雰囲気なのだが、ここでは、オリジナルLPの収録曲に絞って語ることとする。
ピアノ入りギター・カルテットは、ちょっと難しい。ピアノとギターはできること、役割がよく似ている。コード弾きの伴奏が出来る。旋律を奏でることも出来る。打楽器の役割も出来るし、旋律楽器の役割もできる。役割が似ている、と言うことは、演奏上、楽器と楽器と、ピアノとギターがぶつかることがある、と言うこと。
しかし、この盤では、ジョニー・スミスのギターと、ハンク・ジョーンズのピアノが、それぞれの役割を上手に分担して、絶妙なカルテット演奏を繰り広げている。
ただし、ピアノとギターの競演と言うと、パッと「ジム・ホールのギター、ビル・エヴァンスのピアノ」が浮かぶが、彼らの様に、それぞれの楽器の自由度を最大限に活かした、有機的なインタープレイを繰り広げている訳ではない。
フロントで旋律楽器の役割に徹したジョニー・スミスのギターと、バックで、テクニック良く、小粋なバッキングの役割に徹したハンク・ジョーンズのピアノ、そんな明確な役割分担をしていて、しかもそれがしっかり成功している。
ジョニー・スミスの音の繋ぎが滑らかなレガート奏法は、次の音を鳴らすまで前の音の弦を押さえたままにしておくというテクニカルなもの。このレガート奏法が、楽曲の持つ旋律をクッキリと浮き立たせ、旋律楽器としての役割を最大限に発揮している。
そして、そのジョニー・スミスのギターが奏でる旋律を、しっかりとサポートし、しっかりと浮き立たせる。そして、ジョニー・スミスのギターのフレーズが映えに映える。
この盤は、静的なギターの粋な音色と落ち着いた弾きっぷりの、ジョニー・スミスの渋いバップ・ギターを愛でる、そして、いぶし銀の様な、小粋で典雅でバップなハンク・ジョーンズのピアノのバッキングを愛でる盤である。
ジョニー・スミスの吶々と朗々と温和に語りかけるギターに、なんと見事なハンク・ジョーンズのいぶし銀ピアノのサポート。寒い冬の昼下がりに、エアコンの暖房を適温にして、リラックスして聴くのに最適な、ジョニー・スミスの好盤である。
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