« CTI屈指のボサノバ・ジャズ盤 | トップページ | 70年代ロンの「CTI流な純ジャズ」 »

2025年1月10日 (金曜日)

まさに裏『Return To Forever』

Airto Moreira『Free』(写真左)。1972年の作品。クロスオーバー&フュージョン・ジャズの老舗レーベルのCTIにおける、当時、人気のパーカッショニスト、アイアート・モレイラのリーダー作。聴けば判るが、チックの『Return to Forever』の裏版的内容の秀作。曲ごとにパーソネルが変わるので、曲ごとに内容を見ていきたい。

最初の曲は「Return To Forever」。イントロを聴けば、あれこれって、チックの「カモメ」か、と思うんだが、それより、音がちょっと軽め。オリジナルは少し重厚感があって、ちょっとおどろおどろしい雰囲気が漂うが、このモレイラ盤では少し軽快感が漂っていて、爽快な感じがする。曲自体、名曲なんで、このモレイラ盤の演奏もとても良好。

ちなみにパーソネルは、Airto Moreira (perc), Joe Farrell (ss, fl), Chick Corea (p), Stan Clarke, Ron Carter (b), バックにブラス・セクションが付く。

2曲目は「Flora´s Song」。女性ボーカリスト「フローラ・プリム」の作曲なので、てっきり彼女のボーカルがフィーチャーされているのかと思ったら、完全インスト曲でちょっと肩透かし。ギターがシタールの様に響く、エキゾチックでエスニックな演奏に耳を奪われる。

そして、なんとキース・ジャレットがピアノを弾いている。キースのちょっとアブストラクトなモーダルなピアノが出てくると、演奏全体がコンテンポラリーな純ジャズに変身する。

ちなみにパーソネルは、Airto Moreira (perc), Joe Farrell (fl, ss), Hubert Laws (fl), Keith Jarrett (p), Ron Carter (b), Jay Berliner (g)。バックにブラス・セクションが付く。

3曲目「Free」はモレイラの作で、ブラジリアン・ミュージック志向のアーシーなクロスオーバー・ジャズの演奏が実に新しい響きに満ちている。50年以上前の録音だが、古さは全く感じない。
 

Airto-moreirafree

 
どころか、今の耳に新しいクロスオーバー・ジャズとして響くから面白い。モレイラの多彩で躍動感溢れるパーカションが大々的にフィーチャーされている。ブラジリアン&アフリカンなパーカッションとギターの響きが芳しい。

ちなみにパーソネルは、Airto Moreira (perc), Hubert Laws (fl), Ron Carter (b), Flora Purim (vo)。

4曲目は「Lucky Southern」。作曲は何とキース・ジャレット。出てくるピアノを聴けば、このピアノは確実に「キース」。アーシーでフォーキーなフレーズもこれは明らかに「キース」。2分半ほどの小曲だが、明らかにキースと判るピアノが実に良い。ギターは若き日のジョージ・ベンソンが担当。

ちなみにパーソネルは、Airto Moreira (perc), Joe Farrell (fl, ss), Hubert Laws (fl), Keith Jarrett (p), Ron Carter (b), George Benson (g)。

ラストの「Creek」はモレイラの作。ファレルのソプラノ・サックスが軽妙にモーダルなフレーズを吹き上げていく。この演奏はクロスオーバー・ジャズではなく、完璧にコンテンポラリーなジャズ。パーカッションが効果的に扱われていてい、演奏全体の雰囲気はブラジリアンな純ジャズと言って良いかも、と思う。弾けるパーカッション、情緒豊かなエレピの音。説得力のあるアコースティック・ピアノの調べ。

ちなみにパーソネルは、Airto Moreira (perc), Joe Farrell (ss, fl), Chick Corea (p), Ron Carter (b), Nelson Ayers (p)。

全体を通して、チックの「カモメ」をベースにした「裏カモメ」の様な内容がとても充実した、70年代のクロスオーバーな純ジャズの秀作として良い内容でしょう。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました! 

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.08.24 更新

  ・イタリアン・プログレの雄「PFM」のアルバム紹介と
   エリック・クラプトンの一部のアルバム紹介を移行しました。

 ★ 松和の「青春のかけら達」

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』の
   記事をアップ。
 

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年9ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4 

« CTI屈指のボサノバ・ジャズ盤 | トップページ | 70年代ロンの「CTI流な純ジャズ」 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« CTI屈指のボサノバ・ジャズ盤 | トップページ | 70年代ロンの「CTI流な純ジャズ」 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー