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2025年1月 7日 (火曜日)

ロウズを心ゆくまで愛でる盤

CTIレーベルのアルバムを聴き直している。CTIレコードは、クロスオーバー&フュージョンの代表的レーベル。イージーリスニング・ジャズ志向のエレ・ジャズが多く、特に「ソフト&メロウ」な音の味付けがなされたフュージョン盤は、硬派なジャズ者の方々から毛嫌いされている(笑)。

だが、今の耳で聴き直しても、その内容、演奏テクやアレンジ、は充実している。1970年代を代表するジャズのスタイル、クロスオーバー&フュージョンの良いところが満載である。

Hubert Laws『The Chicago Theme』(写真左)。1975年1-4月の録音。ちなみにパーソネルは、以下の通り。どうも、当時のクロスオーバー&フュージョンのアルバムは、登場人物が多くて困る。

Hubert Laws (fl, arr), Randy Brecker (tp), Michael Brecker (ts), David Sanborn (as), Bob James (key, arr, cond), Don Grolnick (p, clavinet), Joe Beck, George Benson, Eric Gale, Richie Resnicoff, Phil Upchurch (g), Doug Bascomb, Ron Carter (ac-b), Stanley Clarke (el-b), Steve Gadd, Andrew Smith (ds), Ralph MacDonald (perc)。バックにストリングスが入る。

リーダーは、フルート奏者のヒューバート・ロウズ。ジャズ・フルート奏者として頭角を現したのが、1960年代半ば。活躍したジャンルとしては、イージーリスニング志向のファンキー・ジャズ。いわゆる1970年代のクロスオーバー&フュージョン・ジャズに直結した音作りをしていて、純ジャズ者、ハードバップ至上主義のジャズ者の方々からは、全く注目されない存在。
 

Hubert-lawsthe-chicago-theme

 
しかし、ロウズのフルートはかなりのレベルで、ジャズ・フルート奏者の中では上位の、歴代のジャズ・フルート奏者の中ではベスト3の中に位置するくらいの「ジャズ・フルートのバーチュオーゾ」である。

そんなロウズが、ボブ・ジェームスのアレンジに乗って、クロスオーバー&フュージョン志向のCTIサウンドに包まれて、極上のファンキー&ソウルフルなフルートを吹き続ける。ロウズのフルートは、クラシック仕込みでテクニックは上々、歌心は抜群、ウォームで芯のあるファンキー&ソウルフルなフルート。

加えて、この盤では、バックのリズム隊が結構強力で、タイトでファンクネス漂うリズム&ビートが実に心地良い。そんなリズム隊とロウズのファンキー&ソウルフルなフルートが絡みまくって、こってこてファンクに、キメにキメる「I Had A Dram」。フィリー・ソウルの名曲、スタイリスティックスの「You Make Me Feel Brand New」や、マリア・マルダーのヒット曲「Midnight At The Oasis」のカヴァーが格好良い。

そして、ベタなジャズ・カヴァーで失笑を買いがちな、クラシックの有名曲「Goin' Home」、いわゆるドヴォルザークの「家路」であるが、これがまあ、ボブ・ジェームスの秀逸なアレンジで、思いっきりソウルフルなジャズ・ファンク曲にカヴァーされている。これだけ、思いっきりソウルフルなジャズ・ファンク曲にアレンジされた、ドヴォルザークの「家路」は聴いたことが無い。

ストリングスのバックも耳につかず、良いアレンジを施されて良好。CTIレーベルのアルバムの中でもちょっと地味な存在ですが、ロウズのフルートを心ゆくまで愛でるには最適なアルバムの一枚です。ロウズのみならず、クロスオーバー&フュージョン・ジャズの佳作です。
 
 

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