シューアの魅力的なボーカル盤
いつの頃からか、ジャズ盤を聴きつつ、ハードなジャズ盤を聴き続けて、ちょっと疲れたなあ、と感じた時には、ジャズ・ボーカル盤で「耳休め」をすることが習慣になった。
実は、ジャズ盤を本格的に聴き始めてから5年くらいは、ジャズ・ボーカルが苦手だった。特に、オールド・スタイルの、独特の「コブシ」と「唸り」が苦手で、しばらくは遠ざけていた。が、それが「味」だと解釈したのと、伴奏に回った時のピアノをはじめとしたリズム隊の妙技に強い興味が湧いたのとで、ジャズ・ボーカルの苦手意識が無くなった。
Diane Schuur『Deedles』(写真左)。1984年の作品。GRPレコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Diane Schuur (vo, p)。米国のボーカリスト兼ピアニストのダイアン・シューアが、プロデューサーのデイブ・グルーシンとレコーディングした2枚目のアルバム。シューアの弾き語りがメインで、シューアのボーカルの良さが堪能できる。
ダイアン・シューア(Diane Schuur)。 1953年12月、米国生まれ。現在71歳。シューアは未熟児網膜症のため、生まれつき目が見えなかった。しかし、絶対音感と明瞭な声のトーンの持ち主で、これを武器にボーカリストとして、頭角を現していった。1979年、米国スタン・ゲッツに認められて共演を果たしたことがきっかけでGRPと契約。GRPと契約して初めてのアルバムが、この『Deedles』。
シューアのボーカルはストレートで自然。力感溢れる声だが温かみがある。テクニック豊富なフレージングで、感情表現が豊か。スタンダード曲の唄い回しが見事なのは当然のこと、ポピュラーソングや当時のヒット曲のカヴァーの唄いっぷりが実に見事。ストレートで自然な唄い方が、ポピュラーソングや当時のヒット曲の持つ、キャッチーな旋律を引き立たせている。
特に、僕は2曲目の、ビリージョエルの名曲「New York State of Mind(ニューヨークの想い)」のシューアの歌唱に限りない魅力を感じる。もともと原曲の出来が抜群に良いのだが、その原曲の良さを、シューアは的確に把握し、テクニック豊富なフレージングで表現する。
情感がしっかりこもっているが、感情移入過多にはならず、ストレートにすっきりと、この名曲の意図するところをしっかりと唄い上げる。シューアのボーカルの良さが全面的に発揮されていて、見事な歌唱である。
1980年代のコンテンポラリー・ジャズの一翼を担ったGRPレコードからのリリースで、デジタル録音ながら、音の質はなかなかのもの。シューアのボーカルの特徴をしっかりと捉えていて、シューアの歌唱が素敵に魅力的に響いている。変なこだわり無く、リラックスして聴くことの出来る良質な女性ボーカル盤の一枚。好盤です。
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発売時に「スイングジャーナル」の影響でCDを入手しました。
マスターが書かれているように、「New York State of Mind」が秀逸で、特に歌詞中の「The New York Time, The Daily News」の部分の表現が素晴らしく、今でも時々聴く愛聴盤になっています。
(名前等を追加しました)
投稿: 野村康行 | 2025年1月29日 (水曜日) 17時49分