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2024年12月29日 (日曜日)

今一度『Moanin’』を聴き直す

モダン・ジャズ期の名盤の数々が、再リマスターされたり、廉価盤になって再発されたりで、サブスク・サイトを賑わしている中で、ほほう、これは懐かしいなあ、と、暫く聴き直したことの無かった「ハードバップ期のファンキー・ジャズの名盤」に出くわした。

Art Blakey and The Jazz Messengers『Moanin'』(写真左)。1958年10月30日の録音。ちなみにパーソネルは、Lee Morgan (tp), Benny Golson (ts), Bobby Timmons (p), Jymie Merritt (b), Art Blakey (ds)。サックスのベニー・ゴルソンが音楽監督と務めた、ジャズ・メッセンジャーズの最初のピークを迎える黄金メンバーの最初のアルバム。

ベニー・ゴルソンを音楽監督に迎えることによって、親分のブレイキーを含め、日頃の生活から演奏時まで、怠惰な面を排除し、音楽に演奏に100%注力する姿勢をメンバー全員に浸透させ、ゴルソン自身は後に「ゴルソン・ハーモニー」と呼ばれる、ゴルソン独特のユニゾン&ハーモニーに形式を編み出し、それをこのジャズ・メッセーんジャーズの演奏に全面適用している。これが「大当たり」になる。

このゴルソン・ハーモニーに加え、前走にコール&レスポンスの演奏方式を適用させ名曲&名演になった曲がタイトル曲の「Moanin'」。超有名な前奏のコール&レスポンス。これはゴルソン・ハーモニーが適用されていて、ユニゾン&ハーモニーが独特の響きと音の重ねが、このコール&レスポンスをさらに印象的なものにしている。そして、テーマ部の演奏に入ると、チェイスという演奏方式にゴルソン・ハーモニーが適用され、このチェイスの部分が、ジャズ・メッセンジャーズ独特の個性として、新しい響きを醸し出す。
 

Art-blakey-and-the-jazz-messengersmoanin

 
続く「Are You Real」もゴルソン・ハーモニーを効果的に配し、ジャズ・メッセンジャーズ独特の個性的な音で、チェイスを多用することによって疾走感を押し出す。その疾走感をブレイキー親分の個性的なバップ・ドラミングでさらに推し進め、フロント2管のモーガンのトランペットと、ゴルソンのテナーを鼓舞しまくる。

以降、「Along Came Betty」から「Come Rain or Come Shine」まで、どの曲にもゴルソン・ハーモニーが要所要所で適用され、全ての曲において、ジャズ・メッセンジャーズ独特の個性的な音で彩られる。

そして、このゴルソン・ハーモニーの音の響き、音の重ねかたは明らかに「ファンクネス濃厚」、いわゆるファンキーな響きと音の彩りが濃厚なので、この『Moanin'』は、ファンキー・ジャズの名盤と歌われるのだ。この頃のジャズ・メッセンジャーズ=ファンキー・ジャズの公式は、ゴルソン・ハーモニーとゴルソンの音楽監督としての優れたアレンジの適用の産物である。

そして、「The Drum Thunder Suite」と「Blues March」は、ブレイキー親分のドラミングを全面的にフィーチャーしていて、ブレイキーのバップ・ドラミングが心ゆくまで堪能することができる。このブレイキー独特なドラミングと「ナイアガラ・ロール」と呼ばれる得意技は、ジャズ・メッセンジャーズ独特の個性と音の響きとして、ブレイキーが亡くなるまで、バンド・サウンドに君臨することになる。

やはり、この『Moanin'』は、ファンキー・ジャズの名盤として良い。今の耳で聴き直しても古さは感じない。演奏メンバーの演奏レベルもかなりの高さで、演奏内容、演奏精度としても最高位に位置するものだと感じている。
 
 

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