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2024年12月 7日 (土曜日)

この盤聴いて ”ケンジ・ショック”

少し、メインストリームなジャズから外れて、1970年代後半から80年代前半の「日本のフュージョン」の話をしようと思う。人気の高かったフュージョン盤ではなく、ちょっとマニアックな玄人好みのアルバムに目を向けてみる。

大村憲司『Kenji Shock』(写真左)。1978年作品。LA録音。ちなみにパーソネルは、大村 憲司 (g), Steve Lukather (g), Greg Mathieson, David Paich (key), Mike Porcaro, Alphonso Johnson (b), Jeff Porcaro (ds) etc.。伝説の「和クロスオーバー&フュージョン・ギタリスト」大村憲司の2nd.アルバム。

プロデュースはハービー・メイソン(Harvey Mason)。大村憲司の1st.アルバム『First Step』のリリースを待たずに、急遽、LAで録音。その為、全8曲中、1st.アルバム『First Step』と重なる曲が3曲、それ以外でも深町純のアルバムで演奏したものが2曲収録されている。純粋にこの2nd.アルバムの為に用意されたのは残りの3曲のみ。

急造感は否めないが、演奏メンバーは異なるので、演奏のテイストも当然異なる。流石にこちらは「LAフュージョン寄り」といった雰囲気で、これはこれで名演。

演奏メンバーについては、パーソネルを見渡すと、クロスオーバー&フュージョン+AOR畑の名うてのミュージシャンがズラリと名を連ねている。名を連ねているだけでなく、相当ハイテクでエグい演奏を繰り広げていて、聴いていて思わず「仰け反る」箇所がいくつもある。
 

Kenji-shock  

 
そんな中、大村憲司のギターは突出して絶品で個性的。演奏自体は、クロスオーバー&フュージョンのテイストだが、LAで録音しているにも関わらず、米国西海岸フュージョンの雰囲気に染まらず、あくまで、ファンクネス希薄、テクニックに頼らない流麗でキャッチャーなフレーズ、マイナーに偏らずポップでポジティヴな弾き回し。いわゆる、和クロスオーバー&フュージョンなギターの音がたまらなく良い。

そして、プロデューサーは、さすがの「ハービー・メイソン」。米国西海岸フュージョン風にアルバムをアレンジするのは容易かったのだろうが、大村憲司の、和クロスオーバー&フュージョンなギターの音を活かすべく、和クロスオーバー&フュージョンな音作りに舵を切っている。そして、それにバッチリ応えるバックバンドの名うてのミュージシャン達。全8曲、全て、素晴らしい演奏、和クロスオーバー&フュージョンなグルーヴで埋め尽くされている。

実は僕は「大村憲司」というギタリストの名前を、FMを通じて、この盤で知った。聴いてビックリ、タイトル通り「ケンジ・ショック」である(笑)。

最初は、米国西海岸フュージョンに新しいギタリストが出現したと思った。しかし、音のテイストが違う。ファンクネス希薄、テクニックに頼らない流麗でキャッチャーなフレーズ、マイナーに偏らずポップでポジティヴな弾き回し。そして、FMでギタリストの名前を聞いて二度ビックリ「知らん名前や」(笑)。

かなりマイナーな存在で、以前は音源入手が非常に困難な時期がありました、が、今では、音楽のサブスクサイトからダウンロードして聴くことのできる環境になりました。大袈裟ではなく、このアルバムは、日本のクロスオーバー&フュージョンの名盤の一枚でしょう。
 
 

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