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2024年12月 8日 (日曜日)

テクノ+ジャズ+ロックな成果

今日も、メインストリームなジャズから外れて、1970年代後半から80年代前半の「日本のフュージョン」の話。今日のアルバムは、恐らく、我が国でしか成し得なかったであろう、真の「フュージョン(融合)」なアルバム。融合という表現が適切なのか、「異種格闘技」と表現したら良いか。とにかく、ユニークなクロスオーバー&フュージョン盤。今日も「大村憲司」がその主役である。

大村憲司。ロック〜クロスオーバー〜フュージョン系のギタリスト。大村憲司のデビューは、1971年の赤い鳥での初録音。 その後、YMOのサポート・ギタリストで活躍するなど、日本のポピュラー音楽を陰で支えた名ギタリストである。1998年11月18日、49歳で惜しくも他界。彼のリーダー作はたった4枚。そのうちこれは1981年に発表した3枚目のリーダー作。

大村憲司『春がいっぱい』(写真左)。1981年の作品。ちなみにパーソネルは、大村憲司 (g), 細野晴臣 (b), 高橋幸宏 (ds, perc, computer manipulate・back- vo), 坂本龍一 (key, perc), 矢野顕子 (p, back- vo), 岡田徹 (key), 清水靖晃 (ts), 羽山伸也 (perc), 松武秀樹 (computer programming)。細野、高橋、坂本、矢野、松武と当時、圧倒的支持を誇ったテクノ・ポップ・バンド「YMO」のメンバーが全面的にサポートに入っている。

サポート・メンバー8人のうち、5人が「YMO」関係者。加えて、大村自身も「YMO」のサポート・メンバーなので、よくよく見てみると、YMOのメンバー全員で、大村憲司がリーダーのアルバムを作った、といった方が早いかもしれない。そう、このアルバムは「ジャズ」と「ロック」と「テクノ・ポップ」が融合した、実にユニークなアルバムなのだ。
 

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大村憲司のギターについては全く変わりが無い。ファンクネス希薄、テクニックに頼らない流麗でキャッチャーなフレーズ、マイナーに偏らずポップでポジティヴな弾き回し。いわゆる、和クロスオーバー&フュージョンなギターの音で弾きまくっている。が、サポート部隊のバック・バンドの演奏がユニーク。

サポート・メンバーそれぞれ、演奏者としての技量が飛び抜けていて、異種格闘技な他流試合についても全く厭わない。このアルバムでも、クロスオーバー・ジャズっぽいところ、ジャズロックっぽいところ、完全ロックなところ、そして、テクノ・ポップなところ、それぞれ、リズム&ビートも含めて、異なる音楽ジャンルの音が、坩堝の如く、融合し、有機結合している。テクノ・ポップとジャズとロックの融合。テクノ・ポップとの融合は、我が国以外、見当たらないのでは無いか。

テクノ・ポップと融合した、クロスオーバー&フュージョン・ジャズであるが、決して「際もの」な音では無い。テクノ・ポップと8ビートなクロスオーバー&フュージョンは「水と油」かと思ったが、意外とすんなり融合していて、違和感は全く感じない。

大村の「ファンクネス希薄、テクニックに頼らない流麗でキャッチャーなフレーズ、マイナーに偏らずポップでポジティヴ」なギターはブレが無くて、このアルバムの様々な音の要素が融合されているパフォーマンスを、しっかりと統一統率しているところは見事。

テクノ・ポップとジャズとロックの融合といったクロスオーバー&フュージョンなアルバム成果は、他の国では見当たらない。我が国独特の「異種格闘技」的な音楽成果である。我が国のクロスオーバー&フュージョンの音世界は実にユニークである。
 
 

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