聴いて楽しい「カーソン盤」
テッド・カーソン(Ted Curson)。米国フィラデルフィア出身のトランペッター。1956年に、マイルス・デイヴィスの勧めで、ニューヨークに移住。1950年代後半から1960年代前半にかけて、セシル・テイラーと共演。1960年代前半には、チャールズ・ミンガスと共演。その後はソロとして活動。20枚ほどのリーダー作をリリース。2012年11月、享年77歳で鬼籍に入っている。
Ted Curson『Fire Down Below』(写真左)。1962年12月10日の録音。Prestigeレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Ted Curson (tp), Gildo Mahones (p), George Tucker (b), Roy Haynes (ds), Montego Joe (congas)。
硬軟自在で縦横無尽、表現力豊かなトランペットが個性、そのトーンも美しい、知る人ぞ知る、玄人好みのトランペッター、テッド・カーソンの2枚目のリーダー作。
初リーダー作では、モードをベースにした、自由度が高く、独創的で印象深いアドリブ展開で「ポスト・バップ」なトランペットを披露した。しかし、この2作目のリーダー作では「原点回帰」的な、ハードバップからファンキー・ジャズの雰囲気を色濃く反映した、温故知新なトランペットを披露している。
カーソンのトランペットは、硬軟自在で縦横無尽、表現力豊か、トーンも美しく、明るく端正で誠実なトランペット。大向こうを唸らせる様な、派手なテクニックや吹き回しは無いが、フレーズの展開は明快で誠実。虚勢を張ったり、こけ脅し的なハイノートも無い。とにかく、誠実で分かりやすくウォームでポジティヴなトランペット。
物足りないとか、中庸とか、揶揄されることもあるが、カーソンってクラシックのトランペッターを目指したこともあって、クラシックの整然とした洗練された要素が見え隠れするほど、カーソンのトランペットは、端正で流麗で素性は確か。自己流叩き上げのトランペッターの様な変な癖や偏りが無い。それを捉えて、物足りないとか、中庸とか言うのは、あまりに偏った聴き方かと思う。
冒頭、ラテン・テイストが楽しい、コンガ入りで軽快軽妙な「Fire Down Below」から始まり、艶やかなトランペットが芳しい「The Very Young」、小気味良いアレンジが印象的な「Show Me」など、渋い、玄人好みのスタンダード曲の演奏がズラリと並ぶ。明るく端正で誠実なカーソンのトランペットが、ウォームにポジティヴにライトに、スタンダード曲の持つ美しい旋律を唄うかの如く吹き上げ、印象的なアドリブを展開する。
音楽の原点を再確認する様な、聴いて楽しい、聴いてリラックス出来る、カーソンの『Fire Down Below』。何かしながらの「ながら聴き」にも最適。カーソンのトランペッターとしての表現の幅の広さが実感できる佳作だと思います。
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
★ AORの風に吹かれて
★ まだまだロックキッズ 【New】 2024.08.24 更新
・イタリアン・プログレの雄「PFM」のアルバム紹介と
エリック・クラプトンの一部のアルバム紹介を移行しました。
・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』の
記事をアップ。
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
東日本大震災から13年9ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
« ファンキーなXmasジャズ盤 | トップページ | 恐れず聴いて満足のカーソン盤 »



コメント