「Q」のA&Mレーベルの傑作
クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)。愛称は「Q」。モダン・ジャズ〜フュージョン・ジャズの、アコースティック〜エレクトリック両刀使いの「伝説のアレンジャー&コンダクター、プロデューサー」。ジャズ界最高の、ジャズ界における「稀代のアレンジャー&コンダクター、プロデューサー」。賞賛言葉が幾つあっても足らない。
僕がジャズを本格的に聴き始めた頃からの、大のお気に入りのアレンジャー&コンダクター、プロデューサー。Qのアレンジは、モダン・ジャズ〜フュージョン・ジャズの時代のどのアルバムもってしても、最高のものばかり。
Quincy Jones『Gula Matari』(写真左)。1970年3, 5月の録音。A&Mレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、主だったもので、以下の通り。これにストリングスとボーカル・コーラスが入る。プロデュースは、クリード・テイラー。
Quincy Jones (arr, cond), Pepper Adams (bs), Danny Bank (b, bs), Hubert Laws (fl solos), Jerome Richardson (ss solos), Wayne Andre (tb), Al Grey (tb solos), Toots Thielemans (g, whistle solo), Herbie Hancock, Bob James, Bobby Scott (key), Grady Tate (ds), Jimmy Johnson, Warren Smith (perc), Ray Brown (b), Milt Jackson (vib), Ron Carter, Richard Davis (b on "Gula Matari")。
クリード・テイラーの傘下で発表した最後のアルバム。「Q」のアレンジ全開、ソウル・ジャズ、ジャズ・ファンクの味付け抜群の「大人数ジャズ」の傑作。パーソネルの人選は適材適所。
大ベテランからベテラン中心に人選して、当時、最先端のエレ・ジャズを展開している。これが、バッチリはまっていて、意外にも、ソウルフルでグルーヴ感抜群の、上質なアレンジが施されたジャズ・ファンク盤に仕上がっている。
冒頭のサイモン&ガーファンクルの大ヒット曲「Bridge Over Troubled Water」を聴けば、それが良く判る。ゴスペル風R&B志向のアレンジが実に格好良い。ファンクネス濃厚、ゴスペルチックなグルーヴ感が芳しい、クールでヒップなジャズ・ファンク。
この曲はあまりにポピュラーで整った曲なので、幾つものジャズ・カバーがあるが俗っぽいものが多い。しかし、この「Q」のアレンジは違う。こんなにファンキーでソウルフルな「Bridge Over Troubled Water」のジャズ・カバーは聴いたことがない。
ジャジーなグルーヴ感満載の「Q」の作なる「Gula Matari」、アフリカ回帰なソウル・ジャズ志向でリアレンジされた、ハードバップの定番曲「Walkin」。オーソドックスなジャズ・ファンク志向の、ナット・アダレイ作「Hummin」。このアルバムに収録された曲は全て、「Q」の最高のアレンジが施され、ファンクネス濃厚、スマートでソウルフルなエレ・ジャズになっている。
そんな僕の大のお気に入りのアレンジャー&コンダクター、プロデューサーの「Q」。2024年11月3日、ロサンゼルスの自宅で、膵臓がんにて91歳で亡くなった。ショックであった。今でも「Q」のアレンジを聴くと、気持ちが沈鬱になる。それでも「Q」のアレンジを聴くと、やっぱ素晴らしいなあ、と感嘆してしまう。ご冥福をお祈りしたい。
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