ジャズ喫茶で流したい・276
モダン・ジャズ期の名盤の数々が、再リマスターされたり、廉価盤になって再発されたりで、サブスク・サイトを賑わしている。かなりの間、聴いていなかった盤もあって、このリマスターや再発のタイミングが聴き直しの切っ掛けになったりして、これはこれで楽しいひと時になる。
Max Roach『Deeds, Not Words』(写真左)。1958年9月4日の録音。ちなみにパーソネルは、Max Roach (ds), Booker Little (tp), Ray Draper (tuba), George Coleman (ts), Art Davis (b)。バップ・ドラマーのレジェンドの一人、マックス・ローチのリーダー作。ピアノレス、チューバ入りの変則クインテット編成。
マックス・ローチは、それぞれの時代の流行を追うことなく、従来からの、ローチ独特のバップ・ドラミングのスタイルを変えていない。この盤の録音は1958年。この盤では、ハードバップのピーク期におけるローチの成熟したドラミングを堪能することが出来る。
ローチのリーダー作なんで、ドラムソロがあちこちに、ふんだんに聴くことが出来るが、これがまた見事なバップ・ドラミングで、意外と耳につかない。
リズム&ビートの担い手の打楽器の代替が出来るピアノを排除し、リズム&ビートをドラムに一本化し、コードを束縛するピアノを排除することで、フロント管のインプロビゼーションの自由度を大幅に広げる。これが、ローチの標榜する「ポスト・バップ」の方法論だったと想像しているのだが、この盤ではその成果を聴き取ることが出来る。
そんなローチの「ポスト・バップ」の方法論の中で、ブッカー・リトルのトランペット、ジョージ・コールマンのテナーが、結構、自由度の高いインプロを、自分のペースで吹き回しているのが良く判る。
面白いのは、当時、同様な「ポスト・バップ」の方法論に「モード」があるのだが、ここでリトルやコールマンが吹いているのはモードでは無い。それでも、ピアノがないだけで、当時の先進的なジャズマンに吹かせると、ここまで自由度が広がるとは思わなかった。
レイ・ドレイパーのチューバについては、フロント管とのユニゾン&ハーモニーとバッキングに徹しているので、この盤では邪魔になっていない。逆に、グループ・サウンドの彩りになっているくらいで、この盤でのそれぞれの曲のアレンジも十分に機能していることが良く判る。
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