西海岸ジャズの女性ボーカル盤
最近、モダン・ジャズ期の名盤の数々が、再リマスターされたり、廉価盤になって再発されたりで、サブスク・サイトの今月のリリース欄などを賑わしている。ずいぶん昔に聴いたことはあるが、当ブログで評論文をアップすることなく、スルーしてしまったアルバムなども、リイシューされている。今日は、そんなアルバムの一枚をご紹介する。
Annie Ross & Zoot Sims『A Gasser!』(写真左)。1959年3月25日,26日ハリウッド録音と、1959年7月9日、ロサンゼルスにて録音のカップリング。パシフィック・ジャズからのリリース。ちなみにパーソネルは、Annie Ross (vo), Zoot Sims, Bill Perkins (ts), Jim Hall, Billy Bean (g), Russ Freeman (p), Monte Budwig (b), Mel Lewis, Frank Capp (b)。
ランバート・ヘンドリックス&ロスの女性ボーカリスト、アニー・ロス(ジャケ上の"A Singer")が、米国ウエストコースト・ジャズの名うてのジャズマン達をバックに従え録音した好盤。ズート・シムス(ジャケ上の"A Swinger")が、伴奏上手な絶妙サポートで、彼女のハスキー・ヴォイスを盛り上げる。
ボーカリストのアニー・ロスは、魅力的なハスキー・ヴォイスで、情感を込めすぎず、サラリとシンプルに唄い上げるところが魅力。本格的なコブシを回して、唸るように情感を込めて唄い上げるオールドなボーカル・スタイルではない、スローな曲もアップテンポな曲も、クールに誠実にキュートに唄い上げるところが良い。米国ウエストコースト・ジャズらしい、爽やかでシンプルな歌唱が実に良い。
ギターを含めたバックの演奏も実に良い。ウエストコースト・ジャズの代表的なジャズマンが、それぞれの持つ「技」を遺憾無く発揮している。ズートの伴奏上手なテナーもちろんのこと、ラス・フリーマンのピアノが大活躍。ウエストコースト・ジャズ仕様のバップ・ピアノが極上のリズム&ビートを供給している。ジム・ホールのギターもアニー・ロスに寄り添うように、しっかりとしたバッキングでしっかりと支える。
良いボーカル盤です。米国ウエストコースト・ジャズ仕様の女性ジャズ・ボーカル盤は、今までなかなか聴く機会に恵まれなかった記憶があるが、今では、音楽のサブクス・サイトからのダンロードで聴ける様になった。このボーカル盤の持つ軽快なスイング感が、ウエストコースト・ジャズっぽくて、聴き始めると意外とクセになる。米国ウエストコースト・ジャズ仕様のボーカル盤、なかなかイケる。
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