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2024年12月 6日 (金曜日)

ダニエルソンの変則トリオの秀作

晩秋から初冬にかけて、徐々に気温は下がり、北の地方から雪の便りがやってくる。いよいよ、北欧ジャズの鑑賞に一番適した季節がやってくる。晩秋から冬の終わりまで、暖かくした部屋の中、外の「紅葉の景色から冬の景色」を眺めながら聴く、北欧ジャズは絶品である。今年も先日から、この季節から冬の終わりまでに聴きたい「北欧ジャズ」のアルバムを物色している。

Lars Danielsson『Palmer Edition II: Trio』(写真左)。2024年11月のリリース。ちなみにパーソネルは、Lars Danielsson (b), Verneri Pohjola (tp), John Parricelli (g)。フランス有数のワイナリーで録音されたACTレコードからの新作。美しい「音の色彩感覚」に満ちたトリオ演奏。トリオとはいえ、このトリオにはドラムとピアノがいない。ベース、トランペット、ギターの変則トリオ。

スタジオではなく、ボルドーワイン地方の人里離れた一角にある木製パネルのサロンで録音されたアルバム。スウェーデンのベーシストのラーシュ・ダニエルソン(Lars Danielsson)、イギリスのギタリストのジョン・パリチェッリ(John Parricelli)、そしてフィンランドのトランペッターのヴェルネリ・ポホヨラ(Verneri Pohjola)の変則トリオ。録音された音の「残響音」が印象的で、それぞれの音の間に「温かい静寂」を感じる。
 

Lars-danielssonpalmer-edition-ii-trio

 
トリオ3人並列リーダーとして名を連ねているが、実質のリーダーはベーシストのラーシュ・ダニエルソン。ラーシュはスウェーデン出身なので、この盤の音の基本は「北欧ジャズ」。トランペットのポホヨラもフィンランド出身なので、北欧ジャズ独特のフレーズ、音の響きが「金太郎飴の様に」出できそうなものなのだが、この盤にはそれが希薄。フレーズの流れは北欧ジャズ風でフォーキーなものだが、印象的な北欧独特のフレーズは控えめ。

それでも、繊細で抒情的で耽美的でフォーキーなサウンドは印象的で、どう聴いてもこれは欧州ジャズであり、北欧ジャズである。演奏の展開、フレーズの作りは「シンプル」。難解なことは全くしていない。それでいて、変則トリオによるインタープレイは高度なもので、この変則トリオのレベルの高さが窺い知れる。そして、それぞれの楽器の音が素晴らしく良い。テクニックの高さ、楽器の音の素晴らしさ、この二つが、このアルバムの演奏の「躍動感」につながっている。

我が国では、なかなか話題に上がらない北欧ジャズだが、1950年代から着実に「進化〜深化」し、現代においても、まだまだ勢いは衰えず、意気盛ん。このダニエルソンのトリオ盤も、従来からの北欧ジャズのパターンから脱して、新しい北欧ジャズの音を創造している様に感じる。但し、北欧ジャズの「コア」はしっかりと保持され、北欧ジャズの良心である「繊細で抒情的で耽美的でフォーキーなサウンド」は健在。この変則トリオ盤は、2024年の北欧ジャズの秀作の一枚だろう。
 
 

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