思索的で内省的な誠実テナー
優れた資質を持ちながら、今まで、マイナーな存在に甘んじていたり、なぜかメジャーにならないをジャズマンをスカウトするのに長けたレーベル「Smoke Sessions Records」。このレーベルのアルバムで、こんな優れたジャズマンいたんや、と、新しい優れたジャズマンに出会うことがよくある。ジャズはまだまだ深化し、まだまだ、その裾野は広い、ということを実感する。
Wayne Escoffery『Alone』(写真左)。2024年4月23日録音、NYの「Sear Sound Studio C」での録音。ちなみにパーソネルは、Wayne Escoffery (ts), Gerald Clayton (p), Ron Carter (b), Carl Allen (ds)。エスコフェリーのテナー1管がフロントのワン・ホーン・カルテット。エスコフェリーの思索的で内省的なテナーがじっくりと味わえる。
ウェイン・エスコフェリー(Wayne Escoffery)は、米国のテナー・サックス奏者。1975年2月23日、英ロンドン生まれ。今年で49歳。高校3年の時に、ジャキー・マクリーンに出会い師事する。1997年にジャズパフォーマンスの学士号を首席で取得。1999年、NYに移り、2000年以来、彼はニューヨークでカール・アレン、エリック・リード、ミンガス・ビッグ・バンドと共に活動している。2001年に初リーダー作をリリース。以降、2年に一度の割合でリーダー作をコンスタントにリリースしている。
僕はこの盤を聴くまで、エスコフェリーのテナーに対峙したことが無かった。彼のテナーの音は「艶やか」。音は太く重心が低い。フレーズの運びは堅実、テクニックは確かで破綻がない。この盤での彼のテナーは、低音域の音を多く使いながらの、しっとりと落ち着いた吹き回しが歌心満点で、ついつい聴き込んでしまう。一言で言うと「とても良いテナー」。
そして、このエスコフェリーのテナーを支えるリズム・セクションが、クレイトンのピアノ、ロンのベース、アレンのドラムという、実に渋いハイセンスな人選。これが「Smoke Sessions Records」の良きプロデュースで、この上質なリズム・セクションに、エスコフェリーのテナーが映えに映える。ワンホーン・カルテットによる、フロント管の「映えさせ方」をよく心得た、心憎いリズム・セクションである。
じっくりしっとり艶やかに吹き上げられる「いそしぎ」や「星影のステラ」などスタンダード曲がとてもい良い雰囲気。思索的で内省的な誠実テナーの音色が、クールで落ち着いた雰囲気を増幅して、知らず知らずのうちに、スピーカーの前に陣取って、じっくりしっかり聴き込んでしまう。不思議な魅力のエスコフェリーのテナー盤。好盤です。
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