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2024年11月25日 (月曜日)

”ジョーヘン流モード” の充実形『Mode for Joe』

ジョー・ヘンダーソン(Joe Henderson)。愛称は「ジョーヘン」。若い頃から今に至るまで「ジョーヘン」で通している(笑)。1937年4月生まれ。2001年6月に惜しくも鬼籍に入る。64歳。早過ぎる逝去であった。初リーダー作が1963年、26歳の時だったから、ちょっと遅咲きのテナーマン。ハードバップ後期から頭角を現し、1960年代前半での初リーダー作ということで、ジョーヘンは、バリバリ、新主流派の範疇のテナーマンである。

Joe Henderson『Mode for Joe』(写真左)。1966年1月27日の録音。ブルーノートの4227番。ちなみにパーソネルは、Joe Henderson (ts), Lee Morgan (tp), Curtis Fuller (tb), Bobby Hutcherson (vib), Cedar Walton (p), Ron Carter (b), Joe Chambers (ds)。うねうねモーダルなテナーマン、ジョーヘンの5枚目のリーダー作になる。ジョーヘンのテナー、モーガンのペット、フラーのボーン、ハッチャーソンのヴァイブの4楽器がフロントのセプテット編成。

さすが、リーダー作も5枚目になると、ジョーヘン流のモード・ジャズも洗練されて、ほぼ確立された状態なのが、この盤を聴くと良く判る。モーダルなフレーズ独特の「ウネウネ」感。ウェイン・ショーターのそれと同じ感じではあるが、ジョーヘンの「ウネウネ」感は、ショーターのそれよりも整然としていて流麗。捻れそうで捻れないストレートな音での「ウネウネ」フレーズの連発。ジョーヘンのモーダルなフレーズは滑らか。フレーズの音が飛んだり跳ねたりしない。聴けばすぐに「ジョーヘン流のモード」と判る独特の個性。
 

Joe-hendersonmode-for-joe

 
ジョーヘンのテナー、モーガンのペット、フラーのボーン、ハッチャーソンのヴァイブの4楽器がフロントを張るが、楽器ごとの「ジョーヘン流のモード」に対する適応度の違いは無い。フロント楽器の全メンバーが「ジョーヘン流のモード」を理解し、自分のものとし、自分の個性の中で「ジョーヘン流のモード」を表現する。リハーサルにも十分にコストと時間をかけて、演奏の精度と内容を向上させる、ブルーノートならではの演奏の充実度。

特に、モーガンのトランペット、フラーのトロンボーンの、ほど良く抑制が効いた、思索的でクールでエモーショナルな吹奏が素晴らしい。そして、管楽器の吹奏にパーカッシヴに絡み、「ジョーヘン流の」モーダルなフレーズをより印象的にする、モーダルなヴァイブの響き。そして、ウォルトン=ロン=ジョーチェンのリズム隊が供給する「ジョーヘン流のモード」に適したリズム&ビート、そしてグルーヴは聴きもの。

このジョーヘンの5枚目のリーダー作には、「ジョーヘン流のモード」への完全適用の演奏がぎっしり詰まっている。しかも、演奏全体はしっかりと理路整然と整っている。「ジョーヘン流のモード」が、直感に頼ったり、その時の気分によったり、感情に左右されたり、ファジーなモード・ジャズで無いことがよく判る。さすがはブルーノート・レーベル。そんな「ジョーヘン流のモード」の充実形をしっかりと記録している。
 
 

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